レビュー

モバイルページを高速化する“AMP”をデスクトップ環境で体験できるGoogle Chrome拡張

Googleのキャッシュ技術と“AMP HTML”の組み合わせでコンテンツの読み込み時間を短縮

「Desktop AMP」v2.2

 「Desktop AMP」は、閲覧中のWebページに“AMP”版がある場合、手軽に“AMP”版へ切り替えられる「Google Chrome」用の拡張機能。編集部にてWindows 10上の「Google Chrome」v47.0.2526.80で動作を確認した。“Chrome ウェブストア”から無償でダウンロードできる。

 “AMP(Accelerated Mobile Pages)”とは、Googleが開発したモバイルサイトを高速化するためのフレームワーク。モバイルコンテンツは近年肥大化の一途をたどっており、読み込みにかかる時間は増していくばかりだが、この問題をGoogleのコンテンツキャッシュ技術と既存のWeb標準技術をベースにしたカスタム版のHTML“AMP HTML”の組み合わせにより解決しようというのが“AMP”の狙い。まだ開発中の技術ではあるが、広告の掲載で収益を得ることが初めから考慮されていることもあり、すでに大手メディアでの採用も始まっているようだ。

 この“AMP”は本来、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末をターゲットとした技術だが、コンテンツのロードが高速化されるならば、デスクトップ環境でも歓迎すべきことだ。特にモバイル回線で接続している場合などは、“AMP”の恩恵は大きいだろう。

 「Desktop AMP」を「Google Chrome」へインストールすると、閲覧ページに“AMP”版のページがある場合、アドレスバー左端に“A”というアイコンが現れる。このアイコンをクリックすれば、閲覧ページを“AMP HTML”で書かれたバージョンへと切り替え可能。

“BBC”のWebページ(通常版)
“BBC”のWebページ(AMP版)。編集部にて試用したところ、“WordPress.com”などでもAMP版への切り替えが可能だった

 現在のところ、自動的に“AMP”版の存在を検出して切り替える機能などは備えておらず、一度通常版のWebページを読み込む必要がある。そのため、Webページの読み込みを高速化するという本来の用途には不向きだが、デスクトップ環境でいち早く“AMP”を体験したい場合には役立つだろう。

ソフトウェア情報

「Desktop AMP」
【著作権者】
Ed Lea 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.2(15/11/24)

(樽井 秀人)