【第18回】
一括更新機能が便利なTwitterクライアント「Touiteur」
スタイリッシュなデザインにユニークな機能を多数搭載した個性派クライアント
(10/09/08)
スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”用アプリのライブラリサービス“Androidマーケット”(以下、“マーケット”)には、日々すばらしいアプリが次々と登場している。しかし現在のマーケットは人気アプリや定番アプリにたどり着くための仕組みが弱く、大量のアプリを前に途方にくれてしまう場面も多い。そこで『杜のAndroid研究室』では、さまざまなテーマに沿って窓の杜スタッフが厳選したアプリを紹介していく。今回は数あるTwitterクライアントのなかから、ユニークな機能を多数搭載した「Touiteur」を取り上げ、その特徴的な機能や魅力に迫る。
まずは基本機能をチェック
「Touiteur」は、黒を基調にしたスタイリッシュなデザインを採用したTwitterクライアントアプリだ。見た目だけでなく機能面も充実しており、Twitterアプリに求められる基本的な機能は一通り網羅している。さらに、1.99ユーロの有償ライセンスを購入して「Touiteur Premium」へアップグレードすることで、無料版では利用できない機能を追加可能だ。
個々の機能について詳しく見ていくときりがないため、基本的な機能に関しては以下の箇条書きにとどめ、「Touiteur」ならではの機能に的を絞って紹介していく。また、本連載第15回のTwitterアプリ5本を紹介した記事では、「Touiteur」の機能についてもチャートにまとめているので、そちらもぜひ参考にしてほしい。ただし、タイムライン(TL)上で画像をインライン表示する機能については、チャート掲載後のバージョンアップで新たに対応している。
- OAuth認証
- マルチアカウント対応
- 発言の公式リツイート(RT)
- コメントつきRT(いわゆる非公式RT)
- ユーザーアイコンおよびユーザー名の表示
- 投稿時の文字数カウント
- 自分および他ユーザーのプロフィール・ツイートの一覧表示
- 特定ユーザーをフォローしているか、されているかの確認
- ツイートのお気に入り登録・登録したお気に入りの確認
- ツイート・ユーザー・流行のトピックの検索
- フォローしているリストの閲覧
- インテントを利用した他アプリとの連携
- 通知領域を利用した各種新着の通知
地下鉄通勤者にうれしい、TL・返信・ダイレクトメッセージの一括更新
本アプリでとくに注目したいのが、メインTLと返信、ダイレクトメッセージ(DM)を一括して更新できる点だ。たとえば地下鉄のように電波状況が安定しない環境で利用する際、電波状況が良好なときに各種情報を一括して取得できるのでとても便利だ。
また、フォローしている人以外からの自分宛ての返信をメインTL上に表示できる点にも注目したい。
複数アカウントのTLを1つにまとめて表示
通常のマルチアカウント対応アプリの場合、アカウントごとに用意されたTL画面を切り替えながら利用することなるが、本アプリでは複数アカウントのTLを1つのTL画面にまとめて表示する形となっている。このため、画面を煩雑に切り替えることなく、すばやく情報をチェックできる。
反面、表示アカウントを指定して個別のTLを表示する機能は、有償版専用の機能となっており、無償版ではまとめ表示しか利用できない点には注意が必要だ。
自動色分けも可能なツイートの色分け機能
「Touiteur」では自分宛ての返信の背景が斜めのストライプで表現されるほか、マルチアカウント利用時の各アカウントや、フォロー中のユーザーごとに専用の表示色を設定する機能が用意されている。
この機能を利用することで、各ツイートの左端にどのアカウントで受信したかを示すカラーバーを表示できるほか、どのユーザーが投稿したツイートかをツイートの背景色で判別できるようになる。また、自分の投稿したツイートに関しても、投稿に利用したアカウントの専用色で表示される仕組みだ。
これにより、どのアカウントで受信・投稿したツイートなのか判別できるようになるほか、たとえば必ずチェックしたいユーザーのツイートを目立たせたり、ニュース系のツイートをジャンルごとに色分けするといった活用が可能となる。
さらにユニークな機能として、設定画面の“Customize”→“Users Colors”をオンにすることで、各ユーザーを自動的に色分け表示できるのも面白い。ただし、全ユーザーに個別の色が割り当てられるわけではないようで、異なるユーザーのツイートでも同じ色で表示される場合がある点は少々残念だ。
そのほか色に関連した機能として、背景色のグラデーション表示をオフにする機能や、有償版専用となるが“Light Theme”に切り替えることでアプリ全体の配色を黒基調から白基調に変更する機能なども用意されている。この2つは、シンプルなデザインが好みという人にぜひ試してもらいたい機能だ。
TL上に操作ボタンや投稿欄が表示される洗練されたユーザーインターフェイス
スマートでわかりやすいUIも「Touiteur」の魅力の1つだ。画面の下部にメインTLや返信・DMなどの各画面に切り替えるためのボタンが並ぶという、iPhone用TwitterアプリによくあるUIを採用している。各画面によってボタンの表示内容が変わることもないため、初心者にもわかりやすい。
また、TL上のツイートをタップすると、該当ツイートの下に返信やRTなど5つの操作アイコンが現れるUIを採用することで、余計な画面遷移などが発生しない点もスマートだ。同様に、ジオタグが埋め込まれたツイートをタップすることでTL上に地図がインライン表示されるほか、返信をタップすると直近のツイートによる返信のやり取りが自動的にスレッド表示される仕組み。さらにスレッドの下に表示される、[View full conversation...]と書かれたボタンを利用すれば、すべての関連発言を抜き出した別画面に切り替えることも可能となる。
また、ツイートの投稿欄は、画面上部の“touiteur”と書かれているバー部分を、Androidの通知領域を引っ張り出す感覚で下にドラッグすることで表示される仕組みのため、TLを参照しながら発言内容を吟味できて便利だ。
さらに、本文に複数のユーザーIDを含むツイートに返信する際は、IDの一覧がポップアップ表示され、チェックボックスを利用して返信先を自由に選択できるのもうれしい。
TweetPhotoに投稿済みの画像を参照できる画像投稿機能
「Touiteur」で画像を投稿する際は、Twitpic、TweetPhoto、yfrog、Posterousの4種類の画像投稿サービスから投稿先を選択できる。また、すでにTweetPhotoへ投稿済みの画像を参照して画像のURLをツイート中に挿入できるのはユニークだ。
上記4つのサービスに投稿された画像と画像への直URLに関しては、TL上にサムネイル画像をインライン表示できる。有償版では内蔵Webブラウザー機能を利用して画像のみを表示させることも可能だ。ただし、“Posterous”に関してはサムネイル表示のみの対応となっているようだ。
有償版にはさらにこんな機能も
マルチアカウント時の個別タイムライン表示やテーマ切り替え機能など、ここまでにも有償版の機能についていくつか紹介してきたが、有償版の機能はそれだけではない。
3種類用意されたウィジェット、新着通知のLED色や着信音の選択、bit.lyに対応したURL短縮、TLのオートスクロール、SDカードへの設定情報のインポート・エクスポートなど、実にさまざまな追加機能が用意されているので、必要に応じて購入を検討したい。
扱いやすいUIとユニークな機能の同居が魅力
「Touiteur」は、タイムラインなどの各種画面の一括更新、マルチアカウント時のメインTLのまとめ表示、ユーザー単位でのツイートの色分け表示といったユニークな機能が、わかりやすい素直なUIと同居しているのが魅力だろう。とくに各種画面の一括更新は、通勤・通学などで地下鉄を頻繁に利用している人ならありがたく感じる場面が多いはずだ。
一方で、本連載の第16回で紹介した「twicca」のような万能系アプリと比較した場合、DMの送信履歴が表示できなかったり公式RTの取り消しが行えない点、プロフィール編集やリスト関連で最低限の機能しか備えていない点など、機能面でやや見劣りする部分がある。さらにURL短縮のような利用頻度の高い機能が有償版専用の機能になっていることもあり、ある程度ユーザーを選んでしまうのも確かだ。
オンリーワンの魅力を取るか、機能の充実を取るかは難しいところだが、メインに「Touiteur」を利用しつつ、いざというときのために万能系アプリを忍ばせておくというのも1つの方法だろう。
- 【著作権者】
- LevelUp Studio
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(有償版は1.99ユーロ)
- 【バージョン】
- 1.41