【第79回】
「Evernote」「Skitch」でテキスト・写真・音声・スケッチをクラウドに保存
オンラインメモアプリの定番「Evernote」と、連携する画像編集アプリ「Skitch」
(12/01/11)
『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、Evernote Corporationが提供するオンラインメモサービス“Evernote”のクライアントアプリ「Evernote」と、同社が提供し“Evernote”と連携利用できる画像編集アプリ「Skitch」を紹介する。
テキスト・画像・音声などを保存できるオンラインメモアプリ「Evernote」
“Evernote”は、WindowsやMac、Android、iOSなど複数のプラットフォームにクライアントアプリが提供されているオンラインメモサービス。テキストだけでなく画像や音声などを保存することができ、オンラインで同期してスマートフォンとPCで同じデータを閲覧、編集できるのが特長だ。
テキストや画像などは“ノート”として保存され、ノートは1カ月60MBまで無料でアップロードできる。また、月450円または年4,000円の有料会員に登録すれば、1カ月1GBまでアップロード可能になるほか、アップロードできる1つのファイルの容量が25MBから50MBに増量される。
「Evernote」は、“Evernote”のAndroid用公式クライアントアプリ。数あるAndroidアプリのなかでも定番アプリのひとつと言ってもよいだろう。アプリの利用には、“Evernote”のアカウントが必要になる。「Evernote」はすでに本連載でも紹介しているが、その後もバージョンアップを重ねており、ユーザーインターフェイスや機能が進化しているので改めて紹介しよう。
新規ノートの作成と既存ノートの閲覧・分類
起動時に表示されるホーム画面には、[新規ノート]と[スナップショット]という新たにノートを作成するボタンのほか、既存のノートを閲覧する[すべてのノート][タグ][ノートブック][共有]ボタンが配置されている。[スナップショット]ボタンを押せば、端末のカメラを起動してすばやく写真を撮影し、ノートとしてアップロードすることが可能。[新規ノート]ボタンから開く“新規ノート”画面では、テキストを入力してノートを作成できるほか、ノートに音声や既存の画像、PDFファイルなどを添付できる。また、一手間余計になるが、“新規ノート”画面からカメラを起動することも可能だ。
“新規ノート”画面では、テキスト入力エリアの下部にあるツールバーのボタンを押して、ファイルの添付やノートを分類する“ノートブック”の選択、“タグ”の付加が可能。また、テキスト入力時には、テキストを太字や斜体にするなどの装飾を行ったり、チェックボックスを設けたToDoリストの作成や箇条書きを行うことができる。[保存]ボタンを押すと、ノートの保存とアップロードが行われる。
オンラインとの同期は、アプリ起動時とノートのアップロード時に自動で行われる。また、ホーム画面右下の同期アイコンやメニューの[同期]項目から手動で同期できるほか、設定画面の[ノートの同期]項目から同期間隔を選択してバックグラウンドで自動同期させることも可能。
既存のノートを閲覧する際は、ホーム画面の[すべてのノート]ボタンを押して全ノートの一覧から選択する以外に、[タグ][ノートブック]ボタンを押して、タグやノートブック別に分類された一覧からノートを選択することができる。ノートブックの選択画面では、新規ノートブックを作成・編集したり、ノートブックをグループ化した“スタック”を作成・編集することが可能となっている。
位置情報の添付やノートの検索、URL共有
新規ノートの作成時には、位置情報を添付することもできる。設定画面の[他のオプション]項目で[GPS衛星を使用する]のチェックボックスをONにすれば、ノートを作成した地点の位置情報がノートに添付されるようになる。ノートを作成した地点を地図上に表示する機能も備えており、各地点で作成したノート数を確認して、ノートを閲覧できる。
ノートの検索は、ホーム画面やノート一覧画面などの右上に表示される拡大鏡のアイコンをタップし、表示される検索画面から行う。ノートに含まれるテキストですべてのノートを検索できるほか、ノートブックやタグ、作成・更新日時を絞り込んで検索できる。さらに、文字認識機能により、写真に写った文字などの画像に含まれるテキストでも検索が可能。また、添付された位置情報をもとに現在地周辺で作成されたノートを検索することもできる。さらに、アプリで作成・編集したり、開いたノートはキャッシュとして端末に保存されており、設定画面でオフライン検索を有効にすれば、一時的にオフラインになっても検索が可能となる。
ノートはほかのアプリを使った共有が可能で、ノートを閲覧できるURLをメール送信したり、SNSへ投稿することができる。共有手順を行うと、ノートの公開用URLが作成される仕組みだが、URLを知っているすべてのユーザーの閲覧が可能になるので、共有時には個人的な情報が含まれていないかなどの注意が必要だ。また、ノートのテキストや添付ファイルをメール送信することも可能だ。
有料会員に登録すると、アップロードできる容量やファイルサイズが増量する以外に、ノートブックを選択してノートを端末に保存することが可能になる。キャッシュを利用する無料会員とは異なり、アプリで閲覧していないノートでもオフラインで閲覧や検索ができる。
- 【著作権者】
- Evernote Corp.
- 【対応OS】
- Android 1.6以上
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 3.4.1(11/12/15)
Evernoteと連携する画像編集アプリ「Skitch」
「Skitch」は、ワンタッチで“Evernote”に画像をアップロードできる画像編集アプリ。その場で撮影した写真やSDカードに保存している画像に、手書きの文字やイラストのほか、記号やテキスト、枠線などを挿入することが可能。また、白紙に手書きの文字を書いたり、イラストを描くこともできる。「Evernote」をすでにインストールし、アカウントを設定していれば、ボタンをワンタッチするだけで、編集した画像を“Evernote”にアップロードできる。
起動画面には3つのボタンが並んでおり、1番左のボタンを押すとカメラが起動して写真撮影ができ、撮影した写真を編集可能。真ん中のボタンからはSDカード内の写真を選択して表示、1番右のボタンを押すと白紙を表示して、それぞれ編集が可能。
編集画面では画面下部に表示されるツールバーを用いて文字や記号の挿入を行う。1番左のボタンを押して表示されるポップアップでは、挿入する線や記号の色・太さを選択可能。左から2番目にある鉛筆型のボタンを選択すると、画面をタッチして、ペンツールで文字やイラストを描いたり、マーカーのような半透明の線を引くことができる。なお、ペンツールで描いた軌跡は、細かい揺れが補正されて滑らかな曲線になるように設定されているが、設定画面で解除することも可能。
ツールバーの左から3番目にある矢印型のボタンからは矢印の挿入が可能で、右から2番目の[a]ボタンを選択すると、キーボードで入力したテキストを挿入することができる。1番右のボタンからは、長方形・楕円の枠線または直線を挿入可能。ツールバーの右から3番目にある人差し指のボタンは移動ツールとなっており、挿入した曲線や記号などのアイテムをドラッグして上下左右に移動できる。複数アイテムを同時選択して、一度に動かすことも可能。
Evernoteにワンタッチでアップロードが可能
編集画面の上部に表示されている右から3番目の[元に戻す]ボタンを押すと、操作を1つ前に戻すことができ、ボタンを押したときに表示される[次に進む]ボタンで戻した操作を取り消すことが可能。その左の[ゴミ箱]ボタンを押し、下部に表示されるボップアップをさらに押せば、挿入した文字や記号などを全消去できる。
画面右上にある[Evernote]ボタンを押せば、編集した画像を“Evernote”のノートとしてアップロードすることができる。一般的なAndroidアプリの“共有”操作と異なり、アプリを選択する手間なく、ワンタッチですばやくアップロードできるのがうれしい。また、左側の[共有]ボタンを押して、連携するアプリを使って画像をメール送信したり、SNSへ投稿することもできる。
「Evernote」の画面から「Skitch」を起動して画像を編集することも可能で、「Evernote」でノートに添付した画像を開いた際に、画面下部に表示される[Skitch]ボタンを押すと、画像が表示された状態で「Skitch」の編集画面が開く。画像の編集後には再び“Evernote”にアップロードでき、元の画像と置き換えられるほか、新たな添付画像としてノートに追加することもできる。さらに、「Evernote」のノート作成画面のツールバーにも[Skitch]ボタンが配置されており、「Skitch」で白紙に手書き文字やイラストを描いて、ノートに画像を添付することが可能となっている。
- 【著作権者】
- Evernote Corp.
- 【対応OS】
- Android 1.6以上
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.3.04(11/11/30)