杜のAndroid研究室
第231回
プレゼン文書を閲覧・編集できるMicrosoft製「PowerPoint for Tablet」
OneDriveやDropboxに保存したファイルを扱え、プレゼンテーションも実行可能
(2015/3/11 17:50)
『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、Microsoftのプレゼンテーションソフト「PowerPoint」のAndroidタブレット版「PowerPoint for Tablet」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。
正式版になった「PowerPoint for Tablet」
「PowerPoint for Tablet」は、米Microsoftが提供するプレゼンテーションソフト「PowerPoint」のAndroidタブレット向け正式版。PPT/PPTX形式の文書ファイルに対応し、端末内に保存しているファイルのほか、オンラインストレージサービスの“OneDrive”や“Dropbox”に保存しているファイルを閲覧・編集することが可能。
なお、本連載ではすでにAndroidタブレット向けプレビュー版の「Word」「Excel」「PowerPoint」を3本まとめて取り上げているが、正式版が公開されたため、「Word」「Excel」に引き続き、今回は「PowerPoint」に絞って、機能や操作感をあらためて紹介しよう。
タッチ操作でスライドの並べ替えやオブジェクトのコピー&ペーストが可能
本アプリで文書ファイルを編集するには、無償の“Microsoft アカウント”または有償の“Office 365”アカウントでログインが必要。なお、“Office 365”アカウントではすべての機能を利用可能だが、“Microsoft アカウント”では一部機能が利用できない。また、“Microsoft アカウント”などでログインしなくても、文書ファイルの閲覧のみであれば行える。
起動画面では、画面左側に最近編集したファイルが一覧されてすばやく開けるほか、画面左下の[他のプレゼンテーションを開く]ボタンからは“Backstage”画面を表示し、端末内やオンラインストレージに保存している文書ファイルを探して開くことが可能。また、起動画面の右側ではテンプレートを選択してPPTX文書を新規作成でき、画面右上でスライドの縦横比を16:9または4:3から選択することができる。
文書ファイルを選択したり、新規作成して表示される編集画面は2ペイン構成で、左ペインにスライドが一覧表示され、右ペインには左ペインで選択したスライドが拡大表示される。また、画面上部にはタブメニュー(リボン)が表示されており、タブを切り替えて右ペインのスライドを編集していくことができる。
編集画面はタッチ操作に最適化しており、左ペインの一覧でスライドを長押しし、上下にドラッグ&ドロップすれば、スライドの順番を入れ替えることが可能。また、右ペインのスライドでタイトルや本文などの各テキストボックスをダブルタップすると、日本語入力アプリが起動し、テキストの加筆・修正を行える。さらに、テキストボックス内のテキストはダブルタップやタッチで選択でき、テキストボックスの周囲に表示される[…]ボタンのメニューから切り取り・コピー・貼り付けなどが可能。
なお、テキストボックスや画像などのオブジェクトをシングルタップで選択すると、[…]ボタンのメニューからオブジェクトのコピー&ペーストや複製・削除ができるほか、上下左右にドラッグしてオブジェクトの位置を移動することができる。
そのほか、右ペインのスライドはピンチアウト・イン操作で拡大・縮小できるほか、タブメニューの右下にある[∧]ボタンをタップすると、タブメニューを非表示にして、スライドを広く表示することが可能。また、編集画面の右下にある[ノート]ボタンからは、発表者用のメモである“ノート”を閲覧・編集でき、その右にある[コメント]ボタンからはスライドにコメントを書き込んだり、すでに書き込まれたコメントを閲覧することができる。
スライドショーの画面切り替え時の演出効果も設定できる
具体的な編集機能を見てみると、まず[ホーム]タブでは、メニューの[新しいスライド]ボタンから新規スライドを追加できるほか、[レイアウト]ボタンからは選択しているスライドのレイアウトを変更することが可能。また、選択しているテキストのフォントの種類やサイズ、色を変更したり、テキストを太字や斜体、下線付きにするなどの書式設定も行える。
また、[挿入]タブからは画像や図形、表組みなどをスライド内に挿入できる。挿入した画像などはタッチ操作で拡大・縮小したり回転でき、ドラッグ&ドロップで位置を移動することもできる。
[画像切り替え]タブでは、[切り替え効果]ボタンからスライドショーの画面切り替え時の演出効果を選択可能。フェードインやワイプなどのスタンダードな演出のほか、画面切り替え時にカーテンが開いたり、紙飛行機が飛ぶといった凝った演出を設定することもできる。なお、演出効果はスライドごとに個別に設定できるほか、すべてのスライドに一括で適用することが可能だ。
全画面表示でスライドショーを実行でき、メモの手書きが可能
スライドショーを実行して、編集したスライドを確認したいときは、[スライドショー]タブで[最初から]または[現在のスライドから]ボタンをタップすればよい。なお、画面右上のメニューで左から2番目にあるモニター型ボタンをタップし、現在選択中のスライドからスライドショーをすばやく開始することもできる。
スライドショー画面では、スライドが全画面表示され、左へフリックすることで次のスライドを表示できるほか、右へフリックして前のスライドに戻ることが可能。また、画面を上から下へフリックすると上部にメニューバーが表示され、[インク]ボタンをタップしてから画面をなぞることで、スライドにメモなどを手書きすることができる。[インクツール]ボタンから表示されるメニューでは、手書きするペンツールの色や太さを選択できるほか、消しゴムツールに切り替えて書き込んだメモなどを消去できる。
なお、手書きメモを書き込んだ後でメニューバー右側の[スライドショーの終了]ボタンからスライドショーを終了すると、手書きしたメモを保持するか破棄するかを確認するポップアップが表示される。ただし、手書きしたメモを保持できるのは、有償の“Office 365”アカウント限定の機能となっている。
“OneDrive”“Dropbox”のファイルを閲覧・編集・共有できる
編集画面の[ファイル]タブを選択することなどで表示される“Backstage”画面では、ファイルの新規作成や保存、開くなどの操作を行える。端末内またはオンラインストレージに保存しているPPT/PPTX文書を開いて閲覧し、編集したり上書き保存することが可能。なお、PPT形式の文書ファイルは読み取り専用となり、編集して保存するにはPPTX形式で保存し直す必要がある。
オンラインストレージサービスとしては、Microsoftが提供する“OneDrive”に加え、“Dropbox”も利用可能。画面左側で[開く]項目を選択し、[場所の追加]項目から“Dropbox”のアカウントを登録することで、“Dropbox”の自分のフォルダーにアクセスできる。
また、編集画面の右上にある人型の[共有]ボタンからは編集中の文書ファイルの共有が可能。ただし、共有方法はファイルの保存先毎に異なる。“Dropbox”に保存しているファイルの場合、メールなどにファイルを直接添付できるほか、“Dropbox”の共有用URLを取得してメール送信できる。また、“OneDrive”内のファイルの場合、ファイルの直接添付に加え、“Office Online”の共有用URLを取得してメール送信でき、閲覧専用またはファイルの編集も許可するURLのいずれかを選択可能。さらに、端末内に保存しているファイルの場合、メールアプリなど他のアプリを起動してファイルを送信することができる。
このほか、“Backstage”画面の[印刷]項目からは文書ファイルを印刷することができる。GoogleのWebサービス“Google クラウド プリント”を利用し、あらかじめ登録してある自分のプリンターにネット経由で接続して印刷することが可能。
- 【著作権者】
- Microsoft Corporation
- 【対応OS】
- Android 4.4以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 16.0.3601.1023(15/02/03)
- PowerPoint for Tablet - Google Play の Android アプリ
- https://play.google.com/store/apps/details?id=com.microsoft.office.powerpoint
- モバイル デバイス、iPad、iPhone、Android、Windows Phone 向けの Office
- https://products.office.com/ja-jp/mobile/Office