杜のAndroid研究室
第230回
正式版となったAndroidタブレット版「Microsoft Excel」
タッチ操作で複数セルの選択や列の移動、グラフ作成などが可能
(2015/3/4 19:26)
『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、Microsoftの表計算ソフト「Excel」のAndroidタブレット版「Microsoft Excel for Tablet」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。
正式版になった「Microsoft Excel for Tablet」
「Microsoft Excel for Tablet」は、米Microsoftが提供する表計算ソフト「Microsoft Excel」のAndroidタブレット向け正式版。XLS/XLSX形式の文書ファイルに対応し、端末内に保存しているファイルのほか、オンラインストレージサービスの“OneDrive”や“Dropbox”に保存しているファイルを閲覧・編集することが可能。
なお、本連載ではすでにAndroidタブレット向けプレビュー版の「Word」「Excel」「PowerPoint」を3本まとめて取り上げているが、正式版が公開されたため、前回の「Word」に引き続き、今回は「Excel」に絞って、機能や操作感をあらためて紹介しよう。
直感的な操作で複数セルを選択したり、行や列を移動できる
本アプリで文書ファイルを編集するには、無償の“Microsoft アカウント”または有償の“Office 365”アカウントでログインが必要。なお、“Microsoft アカウント”などでログインしなくても、文書ファイルの閲覧のみであれば行える。
起動画面では、画面左側に最近編集したファイルが一覧され、選択してすばやく開けるほか、画面右側からテンプレートを選択してXLSX文書を新規作成することが可能。また、画面左下の[他のブックを開く]ボタンからは“Backstage”画面を表示し、端末内やオンラインストレージに保存している文書ファイルを探して開くことができる。
ファイルを選択して表示される編集画面では、画面上部のタブメニュー(リボン)を切り替えてシートを編集することが可能。編集画面はタッチ操作に最適化しており、タップでセルを選択できるほか、各セルをダブルタップすると入力モードに切り替わって日本語入力アプリが起動し、数字や関数、テキストなどを入力できる。また、選択中のセルの左上および右下に表示される白丸アイコンをタッチして、縦・横・斜めにドラッグすれば、選択範囲を拡大することが可能。さらに、セルの選択時に周囲に表示される[…]ボタンのメニューからは、セルの切り取り・コピー・貼り付けなどを行える。
また、シートの行・列のボタンをタップすると、各行・各列のセルを一括選択することが可能。行または列の選択時にボタンの下側または右側に表示される二重線をタッチしてドラッグすることで、行・列の幅を調整できるほか、周囲に表示される[…]ボタンからは行・列のコピー&ペーストや挿入・削除・非表示などを行うことができる。また、行・列のボタンをタッチしたまま上下または左右にドラッグして、行・列を前後に移動することも可能。
さらに、編集画面を上下左右にドラッグしてシートをスクロールできるほか、ピンチアウト・イン操作で拡大・縮小も可能。また、編集画面の左下では、各シートのタブをタップしてシートを切り替えられるほか、[+]ボタンから新規シートを追加したり、各シートのタブを長押しして表示されるメニューからシートの削除やシート名の編集などを行える。
このほか、タブメニューの右下にある[∧]ボタンをタップすると、タブメニューを非表示にして、シートを広く表示することが可能。なお、端末を横にして入力モードに切り替えたときには、タブメニューが自動で非表示になる。タブメニューを再び表示したいときは、画面右上に表示される[∨]ボタンをタップすればよい。
グラフ作成や関数入力を支援する機能も備える
編集画面の[ホーム]タブでは、選択中のセルの書式設定が行え、フォントの種類やサイズを変更したり、文字色やセルの塗りつぶし、罫線や表示形式などの設定が可能。また、複数セルの選択時にツールバーの[AZ]ボタンをタップして、データを昇順または降順に並べ替えることもできる。
また、[挿入]タブからは画像や図形、テキストボックスをシート内に挿入できるほか、グラフ化したいデータのセルを選択し、[グラフ]ボタンから棒グラフや折れ線グラフなどの種類を選択してグラフを作成可能。さらに、1つのセルを選択して[推奨]ボタンをタップすれば、必要と思われるデータ範囲が自動選択され、複数パターンのおすすめのグラフがプレビュー表示される。おすすめのグラフから最適なものを選ぶだけで、簡単にグラフを作成することが可能だ。
関数の入力方法は複数用意されている。日本語入力アプリを使って関数を途中まで入力すると、候補の関数一覧がポップアップし、選択して入力可能。また、画面上部の入力エリアの左端にある[fx]ボタンをタップして表示されるメニューでは、最近使った関数の一覧のほか、ジャンル別のリストから関数を選択して入力することができる。さらに、[数式]タブのツールバーのボタンから最近使った関数やジャンル別の関数を一覧表示し、選択して入力することも可能だ。
このほか、編集画面の[表示]タブでは、シートをスクロールしても、先頭行や左端列が常に表示されるように固定する“ウィンドウ枠の固定”を設定可能。また、[校閲]タブでは、各セルへのコメントの書き込みができるほか、書き込まれたコメントの閲覧や削除も行える。
“OneDrive”“Dropbox”の文書ファイルを閲覧・編集・共有できる
編集画面の[ファイル]タブを選択することなどで表示される“Backstage”画面では、ファイルの新規作成や保存、開くなどの操作を行える。端末内またはオンラインストレージに保存しているXLS/XLSX文書を開いて閲覧し、編集したり上書き保存することが可能。なお、XLS形式の文書ファイルは読み取り専用となり、編集して保存するにはXLSX形式で保存し直す必要がある。
オンラインストレージサービスとしては、Microsoftが提供する“OneDrive”に加え、“Dropbox”も利用可能。画面左側で[開く]項目を選択し、[場所の追加]項目から“Dropbox”のアカウントを登録することで、“Dropbox”の自分のフォルダーにアクセスできる。
また、編集画面の右上にある人型の[共有]ボタンからは編集中の文書ファイルの共有が可能。ただし、共有方法はファイルの保存先毎に異なる。“Dropbox”に保存しているファイルの場合、メールなどにファイルを直接添付できるほか、“Dropbox”の共有用URLを取得してメール送信することができる。また、“OneDrive”内のファイルの場合、“Office Online”の共有用URLを取得してメール送信でき、閲覧専用またはファイルの編集も許可するURLのいずれかを選択可能。さらに、端末内に保存しているファイルの場合、メールアプリなど他のアプリを起動してファイルを送信することができる。
このほか、“Backstage”画面の[印刷]項目からは編集画面で選択中のシートを印刷することができる。GoogleのWebサービス“Google クラウド プリント”を利用し、あらかじめ登録してある自分のプリンターにネット経由で接続して印刷することが可能。
- 【著作権者】
- Microsoft Corporation
- 【対応OS】
- Android 4.4以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 16.0.3601.1023(15/02/03)
- Microsoft Excel for Tablet - Google Play の Android アプリ
- https://play.google.com/store/apps/details?id=com.microsoft.office.excel
- モバイル デバイス、iPad、iPhone、Android、Windows Phone 向けの Office
- https://products.office.com/ja-jp/mobile/Office