杜のAndroid研究室

第229回

正式版になったAndroidタブレット版「Microsoft Word」

OneDriveやDropboxに保存した文書ファイルを閲覧・編集・共有できる

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、Microsoftのワープロソフト「Word」のAndroidタブレット版「Microsoft Word for Tablet」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。

早くも正式版になった「Microsoft Word for Tablet」

「Microsoft Word for Tablet」

 「Microsoft Word for Tablet」は、米Microsoftが提供するワープロソフト「Microsoft Word」のAndroidタブレット向け正式版。DOC/DOCX形式の文書ファイルに対応し、端末内に保存しているファイルのほか、オンラインストレージサービスの“OneDrive”や“Dropbox”に保存しているファイルを閲覧・編集することが可能。

 なお、本連載ではすでにAndroidタブレット向けプレビュー版の「Word」「Excel」「PowerPoint」を3本まとめて取り上げているが、今回、正式版が公開されたため、「Word」に絞って、機能や操作感をあらためて紹介しよう。

タッチ操作と日本語入力アプリで文書を編集できる

 本アプリで文書ファイルを編集するには、無償の“Microsoft アカウント”または有償の“Office 365”アカウントでログインが必要。なお、“Office 365”アカウントではすべての機能を利用可能だが、“Microsoft アカウント”では一部機能が利用できない。また、“Microsoft アカウント”などでログインしなくても、文書ファイルの閲覧のみであれば行える。

 起動画面では、画面左側に最近編集したファイルが一覧され、選択してすばやく開けるほか、画面右側からテンプレートを選択して文書を新規作成することが可能。また、画面左下の[他の文書を開く]ボタンからは“Backstage”画面を表示し、端末内やオンラインストレージに保存している文書ファイルを探して開くことができる。

“Microsoft アカウント”または“Office 365”アカウントでログインすることで、文書ファイルの編集や新規作成が可能
起動画面からは最近編集したファイルをすばやく開いて、閲覧・編集できる

 ファイルを選択して表示される編集画面では、画面上部のタブメニュー(リボン)を切り替えて文書を編集していくことが可能。編集画面はタッチ操作に最適化しており、画面をタップすることでキャレットを移動し、日本語入力アプリでテキストの加筆・修正を行える。また、既存のテキストをダブルタップやタッチで選択すると、周囲に表示される[…]ボタンのメニューからテキストの切り抜きやコピーができ、キャレットを移動して再び[…]ボタンから貼り付けを行うことが可能。

 また、編集画面を上下左右にドラッグして文書をスクロールできるほか、ピンチアウト・イン操作で拡大・縮小も可能。なお、タブメニューの右下にある[∧]ボタンをタップすると、タブメニューを非表示にして、文書を全画面表示することができる。全画面表示時に画面右上に表示される[∨]ボタンをタップすれば、全画面表示を解除してタブメニューを再び表示可能だ。

テキスト選択時に表示される[…]ボタンのメニューから切り抜きやコピーが可能
タブバーを非表示にして、文書を全画面表示できる

書式設定や画像の挿入、閲覧モードへの切り替えが可能

[ホーム]タブでは、フォントの種類やサイズの変更などの書式設定が可能

 編集画面の[ホーム]タブでは、選択したテキストのフォントの種類やサイズ、色を変更できるほか、テキストを太字や斜体にしたり、下線やマーカー線を付加するなどの書式設定が可能。また、箇条書きやインデントの挿入・削除も行える。

 また、[挿入]タブからは画像や表、図形などを文書内に挿入できる。挿入した画像などはタッチ操作で拡大・縮小したり回転でき、ドラッグ&ドロップで位置を移動することが可能。また、画像に合わせてテキストが自動で折り返すように設定したり、隠れている画像を最前面に表示することもできる。

 [レイアウト]タブでは、余白や用紙サイズなど印刷時の設定を行える。ただし、印刷時の向きの変更やテキストの段組、ページ区切りやセクション区切りの挿入は、有償の“Office 365”アカウントのみ利用可能。また、[校閲]タブから変更履歴を記憶することも有償アカウント限定の機能になっているが、すでに記録されている変更履歴を閲覧したり、コメントを書き込むことは無償アカウントでも行える。

画像や図形などを挿入し、ドラッグ&ドロップで位置を移動できる
[レイアウト]タブでは、余白や用紙サイズなどの印刷時の設定を行える

 そのほか、画面右上のメニューで左から2番目にあるブック型ボタンをタップすると、閲覧モードに切り替わり、読みやすいレイアウトにテキストを再配置して閲覧することが可能。

[校閲]タブから文書にコメントを書き込むことができる
閲覧モードに切り替えて、読みやすく再配置したテキストを閲覧可能

“OneDrive”“Dropbox”と連携し、ファイルの共有も可能

“Backstage”画面からは、端末内や“OneDrive”“Dropbox”に保存している文書ファイルを開くことが可能

 編集画面の[ファイル]タブを選択することなどで表示される“Backstage”画面では、ファイルの新規作成や保存、開くなどの操作を行える。端末内またはオンラインストレージに保存している文書ファイルを開いて、編集したり上書き保存することができ、オンラインストレージサービスとしては、Microsoftが提供する“OneDrive”に加え、“Dropbox”も利用可能。画面左側で[開く]項目を選択し、[場所の追加]項目から“Dropbox”のアカウントを登録することで、“Dropbox”の自分のフォルダーにアクセスできるようになる。

 また、編集画面の右上にある人型の[共有]ボタンからは編集中の文書ファイルの共有が可能。ただし、共有方法はファイルの保存先毎に異なる。“Dropbox”に保存しているファイルの場合、メールなどにファイルを直接添付できるほか、“Dropbox”の共有用URLを取得してメール送信することができる。また、“OneDrive”内のファイルの場合、“Office Online”の共有用URLを取得してメール送信でき、閲覧専用またはファイルの編集も許可するURLのいずれかを選択可能。さらに、端末内に保存しているファイルの場合、メールアプリなど他のアプリを起動してファイルを送信することができる。

 このほか、“Backstage”画面の[印刷]項目からは文書の印刷を行える。GoogleのWebサービス“Google クラウド プリント”を利用でき、あらかじめ登録してある自分のプリンターを選択し、ネット経由でプリンターに接続して文書を印刷することが可能だ。

“OneDrive”“Dropbox”に保存している文書ファイルの共有用URLを取得してメール送信できる
“Google クラウド プリント”を利用して、文書を印刷することも可能
「Microsoft Word for Tablet」
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Android 4.4以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
16.0.3601.1023(15/02/03)

(ライターズハイ:鈴木 友博)