現役学生がつづるAIとの生活
【就活にAIを使ってみると…】企業研究をAIに任せたら、完成度の高い回答が数十秒で返ってくる。でも……
~現役学生がつづるAIとの生活
2026年7月31日 13:05
本記事は、複数の学生が「AI と暮らす日々」をつづる、連載企画「現役学生がつづるAIとの生活」の第4回。
今回は、絶賛就職活動中の大学院生、Harukiが、Geminiの検索機能を用いて志望企業の企業研究を行う方法を試した体験を紹介します。
みなさん、就活をしたことはありますか?就活をする上で避けては通れない問題、それは時間です。ただでさえ忙しい大学生活の中で、企業研究をし、自己分析をしてエントリーシートを書き、面接対策やOB訪問を行う...そんな時間はなかなか取れません。
しかし!現代の大学生にはAIという強い味方がいます。削れる時間はなるべく削り、効率的に就活をしたいものです。今回は夏のインターン応募に向けて、(株)インプレスへの応募を検討している大学生を想定し、Geminiに企業研究を手伝ってもらうことにしました。
AIツール:Gemini
バージョン/プラン:Gemini 3.1 Pro
実験対象(デバイス/対象物):PC(ブラウザ版Gemini)/株式会社インプレス公式サイト、株式会社インプレスホールディングス公式サイト
挑戦1回目:とりあえずAIに企業研究を頼んでみた
まずは、企業研究を頼んでみました。
入力したプロンプトは以下の通り。
株式会社インプレスについて企業研究をしてください。
メディア業界への就職を考えている大学生向けに、
次の項目をまとめてください。
・事業内容
・強み
・最近力を入れていること
・社風
・求める人物像
・応募する際にアピールできそうなこと
そしてAIの回答は以下。
正直、最初に読んだときはもうこれでいいのでは?と思いました。6つの項目がきれいに埋まっており、同名の別会社にまで注意書きを付けてくれていますね。しかし、よくよく読み返してみると、だんだん不安になってくる部分がありました。
(1)出典を確認したら、就活情報サイトが中心だった
回答の下に表示された出典リンクを開いてみると、企業の公式サイトよりも、就活情報サイトや口コミ系のページが目立ちました。特に社風の項目には、オタクが輝けるとか、ハイブリッドワークで自由度が高いとか、魅力的なことが書いてあります。しかし、それが公式サイトに書いてあることなのか、口コミの又聞きなのかが回答からは区別できません。この社風を面接で志望動機に使ったあとで、実は根拠が匿名の口コミでした、となったら目も当てられません。
(2)会社の話とグループの話が混ざっている
事業内容は株式会社インプレス単体の話のようですが、求める人物像の項目は主語がインプレスグループになっていて、こちらはホールディングス全体の理念のようです。私が応募するのは株式会社インプレスなので、会社の話とグループの話を分けて理解しておかないと、面接で事業内容を取り違えてしまいそうです。
まとめると、それぞれの情報がどこから来た誰の話なのかがほぼ分からないというのが1回目の結果でした。ではこの不満をどう伝えれば直るのか。プロンプトの書き方を勉強するべきなのでしょうが……正直、面倒です。そこで思い出しました。プロンプトを書くのが面倒なら、それもAIにやらせればいいのです。
挑戦2回目:不満をそのまま伝えて、プロンプト自体を作ってもらう
ということで、2回目です。
ありがとう。よくまとまっていて分かりやすかったんだけど、読み返してみて気になったことが2つあります。
1. 出典のリンクを見たら、会社の公式サイトよりも就活情報サイトや口コミのページが多かったです。
特に社風や求める人物像は、会社の公式サイトに書かれていることだけをもとにまとめてほしいです。
2. 株式会社インプレスの話と、インプレスグループ全体の話が混ざっている気がします。私が応募したいのは株式会社インプレスなので、
会社単体の話とグループの話が区別できるようにしてほしいです。
この2つの不満が解消された企業研究ができるように、新しいチャットにコピペしてそのまま使えるプロンプトを作ってください。
そしてAIの回答は以下。
生成されたプロンプトを読んで感心したのは、私のふんわりした不満が、【厳守事項】という強い命令に翻訳されていたこと。「公式サイト以外は一切使用しないでください」「会社単体とグループを明確に区別してください」と箇条書きの条件になっていて、自分の伝え方より何段階も具体的になっています。
自分では思いつかなかった工夫も入っていました。強みの項目では、会社単体の強みとグループ基盤を活かした強みを分けて書くように指定されていますし、社風と求める人物像には、公式情報のみを使用すると個別に念を押す注記が付いています。1回目に私が自分で書いた6つの項目も、そのまま引き継がれていました。
挑戦3回目:作ってもらったプロンプトで、公式情報を中心に企業研究をやり直す
それでは、作ってもらったプロンプトで、企業研究をやり直してもらいます。
メディア業界(特に出版・Webメディア)への就職を考えている大学生向けに、「株式会社インプレス(impress)」の企業研究レポートを作成してください。
出力にあたっては、以下の【厳守事項】を必ず守って作成してください。
【厳守事項】
1. 情報源の制限:「社風」および「求める人物像」については、株式会社インプレスまたはインプレスグループの「公式企業サイト」「公式採用サイト」に記載されている情報のみを根拠としてください。就活情報サイトや口コミサイトなどの外部情報は一切使用しないでください。
2. 企業とグループの明確な区別:私が応募するのは事業会社である「株式会社インプレス」単体です。「株式会社インプレス単体の事業・特徴」と、「インプレスグループ(インプレスホールディングスなど)全体に関わる特徴・方針」を明確に区別し、混同しないように記述してください。
【まとめる項目】
上記の厳守事項を踏まえ、以下の6項目を整理してください。
・事業内容(株式会社インプレスの事業を中心に)
・強み(株式会社インプレスならではの強みと、グループ基盤を活かした強みを分けて)
・最近力を入れていること
・社風(※公式情報のみを使用)
・求める人物像(※公式情報のみを使用)
・応募する際にアピールできそうなこと(上記の企業研究を踏まえたアドバイス)
専門用語はわかりやすく噛み砕き、面接やエントリーシート作成に直結するような実用的な内容にしてください。
AIの回答は以下のようになりました。
1回目と見比べて、社風と求める人物像の部分が変わっていますね。オタクが輝ける、ハイブリッドワークで自由度が高い、といった口コミ由来らしき記述は消え、経営理念と公式採用サイトの人事担当者メッセージを根拠にした内容に置き換わりました。項目名にも公式情報よりと明記されています。1回目のほうが読み物としては面白かったのですが、面接で根拠を示せるという観点で、就活で使うなら間違いなくこちらの方がよいでしょう。
会社とグループの区別も、指示した以上の効果がありました。強みが会社単体の強みとグループ基盤を活かした強みに分かれただけでなく、リットーミュージックや山と溪谷社といったグループ会社の名前まで出てきて、応募先がグループのどこに位置する会社なのかが理解できますね。
一方で、課題も見つかりました。社風と求める人物像の根拠は、株式会社インプレス単体ではなくインプレスグループの採用サイトでした。これは私の指示の問題でもあります。単体とグループを区別してとは頼みましたが、公式情報として確認できないことは、確認できないと書いて、とまでは頼んでいませんでした。次に使うときはこの一文を足そうと思います。
また、インプレスグループの「目指す人材像」を調べた際、AIは4つしか挙げませんでしたが、実際には5つあることが判明しました。AIは「要約」が得意な反面、学習データの確率が高い情報を優先して「ここで終了」と判断してしまう癖があるようです。
こうした見落としを防ぐため、今後はAIに「調査」と「検証」のタスクを分けさせ、最後に「抽出した結果を公式サイトと突き合わせ、不足がないか再スキャンしてください」と一文を追加し、AIに自律的なチェックを行わせる仕組みを組み込みより精度を高めたいと思います。
これをどのように活用するべきか……
Geminiに企業研究を頼むと、一見完成度の高い回答が数十秒で返ってきます。しかし出典をたどると就活情報サイトが中心で、会社とグループの話も混ざっていました。
今回の一番の収穫は、その不満を普通の言葉で伝えるだけで、改善用のプロンプトまでAIが書いてくれると分かったことです。作り直した企業研究は、公式情報に基づいて会社単体とグループを区別した、面接で根拠を示せる内容になりました。プロンプトの勉強をしなくても、どこが嫌かを言葉にできれば結果は変えられます。
ただし、今回のまとめはあくまで就活の「最初の一歩」となる予習に過ぎません。 最後に公式サイトで裏取りをしたり、インターンや説明会に参加して情報の解像度をあげるのは自分の仕事です。浮いた時間は、志望動機を磨くための時間に使いましょう!
本記事は、AICU Japan株式会社が制作しました。

























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