いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】表や図形を画像化して再利用したい! エクセルファイルから画像を取り出す時短テク

 Excel(エクセル)は、仕事や普段の生活で使う機会の多い、最も身近なアプリケーションのひとつです。しかし、「イマイチよくわからないまま使っている」「実は少し苦手……」という人も多いのではないでしょうか? この連載では、いまさら人に聞けないけど、知っていれば必ず役に立つ、Excelを使いこなすためのノウハウを紹介します。

Excelで作った表や図形を画像として別のアプリで使う方法がある

 Excelで作成した表や図形を、WordやPowerPointなどのOfficeや、そのほかのアプリケーションで使いたいと思った経験はないでしょうか。

 Excel上で表や図形をコピーしてWordに貼り付けたり、スクリーンショットを撮ってペイントツールで加工してから使っているという人もいるかもしれません。

 使いたい表や図形が1つ2つならこれらの方法でも構いませんが、表や図形の数が多くなると、いちいち手間がかかって大変です。

 そこで今回は、Excelで作成した表や図形をJPEG形式の画像ファイルとして取り出すテクニックを3ステップで解説します。

ステップ1 作成した表をコピーして図として貼り付ける

 これから解説する操作では、途中でファイルの保存形式を変更します。ブックを再びExcelで利用する必要がある場合は、ファイルをコピーしておくなどしてあらかじめバックアップを取っておきましょう。最後まで操作を進めると、ブックをExcelで開くことができなくなるので、注意が必要です。

 では、操作に入りましょう。まず、図として貼り付けたい表をドラッグして選択し(①)、リボンの[ホーム]タブの[コピー](②)をクリックします。

 次に、表を貼り付けたいセルをクリックします(③)。表は貼り付けたあとに移動できるので、だいたいの位置で構いません。

 [ホーム]タブの[貼り付け]の下にある[▼](④)をクリックし、表示されるメニューから[図](⑤)をクリックします。

 コピーした表が図として貼り付けられました(⑥)。

 この操作は、表の見た目を変えずに複数の表を縦に並べたいときにも便利です。

ステップ2 図として貼り付けた表をJPEG形式で再コピー

 ステップ1で図として貼り付けた表をもう一度コピーします。図として貼り付けた表を選択し(①)、リボンの[ホーム]タブの[コピー](②)をクリックします。

 図を貼り付けるセルをクリックします(③)。シート上で空いているところなら、どこでも構いません。

 [ホーム]タブの[貼り付け]の下にある[▼](④)をクリックし、メニューから[形式を選択して貼り付け](⑤)をクリックします。

 なお、ここではすでに図として貼り付けられている表をコピーしたので、ステップ1で[貼り付け]をクリックしたときに表示されたメニューとは表示内容が異なっています。

 [形式を選択して貼り付け]ダイアログボックスが表示されるので、[図(JPEG)](⑥)を選択し、[OK](⑦)をクリックします。

 JPEG形式の図(⑧)がシートに貼り付けられ、これで図として貼り付けた表が2つできました。これらの2つの図の見た目は同じですが、このあとの操作でそれぞれ「EMF」と「JPEG」という異なるファイル形式で保存されます。

 ここまでの操作が完了したら、必要に応じてブックに名前を付けて(⑨)、[保存](⑩)をクリックしたあと、ブックを閉じます。ブックを閉じないと、このあとのステップ3の操作ができません。

ステップ3 拡張子をZIPに変更して画像ファイルを取り出す

 ここからは、エクスプローラーを使って、ファイルの操作を行います。エクスプローラーを開き、ブックの保存場所(①)を表示します。

 保存したブックから画像ファイルを取り出すために、ブックの拡張子を「ZIP」に変更します。拡張子とはファイルの種類・性質を示すもので、通常、Excelのブックにはファイル名のあとに「XLSX」という拡張子が付きます。拡張子が表示されていない場合は、エクスプローラーの[表示]タブ(②)の[ファイル名拡張子](③)にチェックを付けると表示できます(④)。

 それでは、拡張子を変更しましょう。

 拡張子を変更する操作は、ファイル名を変更するときと同じです。ブックを選択し(⑤)、[ホーム]タブの[名前の変更]をクリックします(⑥)。

 ファイル名の最後にある拡張子を「ZIP」(⑦)に書き換え、[Enter]キーを押します(⑧)。

 このとき、「拡張子を変更すると、ファイルが使えなくなる可能性があります」というメッセージが表示されるので、[はい](⑨)をクリックします。

 ファイル形式がZIPに変更されました。もともとZIPは圧縮形式の拡張子で、展開することで圧縮しているファイルを元に戻すことができます。ZIPファイルを展開するには、ファイルを選択して(⑩)、[展開]タブの[すべて展開]をクリックします(⑪)。

 [圧縮(ZIP形式)フォルダーの展開]ダイアログボックスが表示されたら、[展開](⑫)をクリックします。

 ZIPファイルが展開されると自動的にいくつかのフォルダーが作成され、表示されます。この中の「xl」フォルダー(⑬)を開きます。

 「xl」フォルダーの内容が表示されるので、ここにある「media」フォルダー(⑭)を開きます。

 ここに、ステップ2で図として貼り付けた表が「EMF」と「JPEG」の2種類の形式の画像ファイルとして保存されています(⑮)。ほかのアプリケーションに貼り付けて使うのに便利な形式は、「JPEG」形式の方です。

 これで、Excelで作成した表を、JPEG形式の画像ファイルとして再利用する準備ができました。図として保存した表や図形が複数あるときは、すべて別名の画像ファイルとして保存されます。ファイル名は自動で「image○」という形式の連番で保存されるので、ファイル名を適宜変更するなどして、業務上使いやすいよう工夫しましょう。

Excelで作った表や図形を画像化して再利用しよう

 今回は、Excelで作成した表をJPEG形式の画像ファイルとして再利用するテクニックを解説しました。画像ファイルならOfficeやそのほかのアプリケーションに貼り付けたときに、元の見た目を損なうことなく、オリジナルの表や図形を再利用することができます。

 少し複雑なテクニックではありますが、再利用したい表や図形が多い場合には時短にもなりますので、ぜひとも役立ててください。