週末ゲーム

自由な成長を楽しめるアクションRPG「霧留待夢 -kill time-」

クラスチェンジで最強を目指せ! ガンガンレベルアップする爽快アクションRPG

(09/07/31)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、自由な成長を楽しめるアクションRPG「霧留待夢 -kill time-」を紹介しよう。

ストーリー性皆無、ひたすら戦闘と成長を楽しめるアクションRPG

各種数値のインフレぶりがユニーク。億単位のダメージをたたき出すことも可能なのだ各種数値のインフレぶりがユニーク。億単位のダメージをたたき出すことも可能なのだ

最初は旅館の裏でにわとりを倒してレベルを上げよう最初は旅館の裏でにわとりを倒してレベルを上げよう

 「霧留待夢 -kill time-」は、とある謎めいた雰囲気の旅館にやってきた迷い人が、“この世界で一番強い者”を倒す……という以外にはとくにストーリーのないアクションRPG。画面は2D見下ろし型で、プレイヤーは自由に敵を倒し、レベルアップして“一番強い者”を倒せばクリアとなる。

 特徴は敵を次々と倒していける軽快なアクション性と、入手できる経験値がインフレ気味のためすごい勢いでレベルアップしていく爽快感、そして多彩なバリエーションがあるクラスチェンジシステムだ。ストーリー性は皆無なのでとにかく余計なことは考えず、戦うことと強くなることだけを考えてプレイすればいい。ただしレベルアップ後のパラメーター振り分けやクラスチェンジを間違えるとクリアが難しくなってしまうので、成長方針はよく考える必要がある。

 主な操作はカーソルキーで移動、[Z]キーで話す・調べる、[X]キーでメニュー画面表示となっており、[C]キーで武器の構え・解除を切り替える仕組み。武器を構えたときは[Z]キーで攻撃、[X]キーで“スキル”の使用となっている。セーブはメニュー画面からいつでも可能だ。

 ステータスはHPとMP、攻撃力のほか、スタミナを表す“ST”、MPの回復量を表す“精神”の計5項目があり、レベルアップで獲得できるポイント“SP”をステータスに振り分けて能力を高めていく。なお、HPは“SP”を消費せずレベルアップ時に自動で増加する。

 攻撃時は、キーを押し続けて連続攻撃が可能だが、1回攻撃するたびにSTを消費し、STがゼロになると攻撃できなくなる。消費したSTは一定時間経つと全回復するが、連続で攻撃するにはSTの総量を増やす必要がある。強力な武器ほどSTの消費量は多くなるので、物理攻撃を重視する場合はSTを優先して育成するといい。

クラスチェンジを繰り返してさまざまなスキルをマスターしよう

万屋でスキルを購入。販売されるスキルはクラスによって変化する万屋でスキルを購入。販売されるスキルはクラスによって変化する

クラスチェンジはよく考えて。変わったクラスもたくさんあるクラスチェンジはよく考えて。変わったクラスもたくさんある

 スタート地点となる旅館にある万屋では、敵を倒すと入手できる“水晶”と交換で“スキル”や“アーティファクト”を購入できる。スキルは、高速移動する“ダッシュ”や強力な攻撃を出す“スマッシュ”といったプレイヤーの操作で発動する“アクティブスキル”、常時クリティカル率をアップさせる“心眼”など装備するだけで効果がある“パッシブスキル”、HP/MP/STを回復させる“命の薬”など1回使うとなくなる“ディスポーザブルスキル”の3種類。また、アーティファクトは主に武器などの装備品だ。

 スキルやアーティファクトは、クラスチェンジしたクラス(職業)に応じたものだけが万屋で販売されるが、一度購入すれば再度クラスが変わっても装備できる。このスキルの組み合わせとレベルアップによるパラメーターの振り分けによるバリエーション豊かな成長を楽しむのが、本作の醍醐味となっている。

 クラスチェンジには条件があり、各地にアイテムとして存在している“本”を入手して、旅館にいる司書に渡すことで行える仕組み。これにより一次職、二次職、三次職、神魔一次職……と数段階のクラスチェンジが可能となる。ただし一次職から三次職へ、というような飛び級はできないので、段階の低いクラスから順番にチェンジしていかねばならない。また、基本的に同じ段階の別クラスにはチェンジできない。

 クラスにはたとえば一次職なら剣士、格闘家、騎士、魔術師があり、物理攻撃か魔法か、自分がどんな方向の強さを目指すのかを考えてチェンジしていくのが大事。定番は剣士など物理攻撃を使うクラスだと思いがちだが、実は遠距離攻撃で戦う魔術師系クラスのほうが手堅く戦うことができる。もし物理攻撃系でプレイしていて難しいと感じたならば魔術師系を試してみるといい。

 なお、クラスチェンジに必要な“本”がもし全部集まらなくても、レベルを250ほどまで上げれば“一番強い者”を倒すことができるので、力押しでのクリアも一応可能となっている。しかしやはりプレイを楽しむなら効率よくパワーアップして最短クリアを目指したり、クラスチェンジを利用して最大ダメージを追求してみたりと、幅広い遊び方をしてみたいところだ。

魔法攻撃は射程が長く、使いやすい。クリアを目指すならこっちが楽だ魔法攻撃は射程が長く、使いやすい。クリアを目指すならこっちが楽だ

極限の強さを追求する場合は、特定のスキルが必要となる極限の強さを追求する場合は、特定のスキルが必要となる

 初プレイでもクリアまでの所要時間は3~5時間ほど。その間はとくに謎解きなどに悩むことなくひたすら敵を倒しまくりながら“本”を集め、スキルを買うといった自己強化に特化したプレイになるため、非常に充実した時間を過ごせる。RPGはストーリーがなければ、という人は物足りなさを感じるかもしれないが、システムや戦闘が好きな人には無駄なくオイシイ部分だけを楽しめる洗練された一作だと言える。

【著作権者】
えーき 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows XPで動作を確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.08(09/07/19)
【ファイルサイズ】
11.8 MB

(藤井 宏幸)