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Microsoft、2026年8月の「Windows Update」 ~脆弱性修正は421件で非常に大規模、悪用確認済みも1件

「緊急」は62件。先月からは大きく減ったが、依然として大規模なセキュリティパッチに

Microsoft、2026年8月の「Windows Update」「Microsoft Update」を実施

 米Microsoftは8月11日(現地時間)、すべてのサポート中バージョンのWindowsに対し月例のセキュリティ更新プログラムをリリースした(パッチチューズデー)。現在、「Windows Update」や「Microsoft Update カタログ」などから入手可能。

 リリースノートによると、今月修正されたCVEは421件。過去最多を記録した先月の622件からは大きく減ったものの、歴史的に見れば依然として巨大な規模だ。

 深刻度が最高の「Critical」(緊急)と評価された脆弱性は、実に62件。影響範囲はWindowsや「Office」とその構成要素、「AMD Zen」、「Azure」、「GitHub Copilot」、「Windows Defender」、「Exchange Server」、「SharePoint」、macOS版「OneDrive」、「Teams」、「Power BI」、「.NET」、「Visual Studio」、DHCPサーバー/クライアント、DNSサーバー、Windows TPMなど多岐にわたる。

 このうち、 すでに悪用が確認されている 脆弱性は以下の1件。深刻度は最高の「緊急」ではなく「重要」にとどまるが、できるだけ早い対処が望ましい。

  • CVE-2026-68820:Windows 補助機能ドライバー(WinSock用)の特権の昇格の脆弱性(重要)

 また、以下の2件はパッチ公開の時点で詳細が一般に公開されている。悪用のリスクがあるため、警戒が必要。

  • CVE-2026-72971:Windows コンテナー分離FSフィルタードライバー(unionfs.sys)の改ざんの脆弱性(重要)
  • CVE-2026-62832:Windows ユーザープロファイルサービスの特権の昇格の脆弱性(重要)

Windows 10/11およびWindows Server 2016/2019/2022/2025

 最大深刻度は「緊急」(リモートでコードが実行される)。

  • Windows 11 バージョン 26H1:KB5121000(OSビルド 28000.2704)
  • Windows 11 バージョン 25H2/24H2:KB5121003(OSビルド 26200.9168/26100.9168)
  • Windows 11 バージョン 23H2:KB5120240(OSビルド 22631.7517)
  • Windows 10 バージョン 22H2(ESU):KB5120249(OSビルド 19045.7663/19044.7663)
  • Windows Server 2025:KB5120233(OSビルド 26100.33296)
  • Windows Server 2022:KB5120242(OSビルド 20348.5499)
  • Windows Server 2019:KB5120238(OSビルド 17763.9121)
  • Windows Server 2016:KB5120418(OSビルド 14393.9418)

 ユーザーの多くが利用する「Windows 11 バージョン 25H2」(KB5121003)のおもなハイライトは以下の通り。

  • 更新プログラム「KB5101684」(2026年7月28日リリース)に含まれていた改善点
    [スタート]メニューのアカウント管理を刷新「アカウント管理」フライアウトのデザインが一新され、サブスクリプションの状態を示すバッジも追加。[スタート]メニュー左下のアカウント画像をクリックするとアクセスできる
    「エクスプローラー」の改善:詳細表示のファイルサイズが、KBのみの表記から、KB/MB/GBといった適切な単位で表示されるように。アドレスバーやホーム画面でも、フォルダーを中クリックして新しいタブで開けるように。ホーム画面の読み込み時に灰色のちらつきが発生する問題や、意図せず先頭までスクロールしてしまう問題も解消された
    「音声アクセス」の改善音声分離(Voice Isolation)を追加。初回利用時のみトレーニングが必要だが、他の話者や周囲の騒音による干渉を減らし、ユーザーの声をより正確に認識できる
    Windows Helloの拡張サインインセキュリティ(ESS)が外付け指紋センサーに対応:指紋センサー内蔵デバイスだけでなく、対応する外付け指紋センサーを接続したデスクトップPCなどでも安全なサインインが利用可能に
    [ウィジェット]の通知バッジの色を変更:タスクバーの通知バッジが赤ではなく、Windowsのアクセントカラーで表示されるように。不必要に注意を引くことを抑えられる
    タッチパッドのジェスチャー操作を拡充:スクロールやズームの速度を調整できるようになったほか、長い文書を素早く移動できる加速スクロールも有効化できる
    検索の改善より関連性の高い設定が上位に表示されるようランキングシステムを調整。入力ミスや文字の欠落・重複、部分的な単語への対応も改善され、たとえば「utlook」でも「Outlook」を見つけられる
  • 新しいセキュアブート証明書を自動的に受け取ることができるデバイスの対象範囲を拡大
  • Windows 更新プログラムをインストールするコンポーネント「サービススタック」の品質を改善
「アカウント管理」フライアウトのデザインが一新
「エクスプローラー」の[詳細]ビューでファイルサイズの単位が適切に
他の話者や周囲の騒音による干渉を減らし、ユーザーの声をより正確に認識できる「音声分離(Voice Isolation)」を追加
設定メニューから利用可能
初回利用時のみトレーニングが必要

 なお、「Windows 10 バージョン 22H2」はすでに一般向けのサポートが終了している。「拡張セキュリティ更新プログラム」(Extended Security Update:ESU)に登録しないとセキュリティパッチを受け取れない点には注意。個人向けは2027年10月まで無償で延長可能だ。

Microsoft Office関連のソフトウェア

 「Microsoft Office」関連のセキュリティ修正に関しては、以下のドキュメントを参照のこと。

 「Office」製品に関連する脆弱性は89件。うち20件が深刻度「緊急」と評価されたリモートコード実行の脆弱性で、「Office」本体や「Office Graphics Component」、「Word」、「Excel」に集中している。できるだけ早い対処を心掛けたい。

Microsoft SharePoint

 「Microsoft SharePoint」関連では、30件の脆弱性が修正された。深刻度「緊急」と評価された以下の4件が含まれているので、警戒が必要だ。

Microsoft Exchange Server

 「Microsoft Exchange Server」関連では、7件の脆弱性が修正された。最大深刻度は「緊急」。CVE-2026-62911(緊急:特権の昇格)はハッキングコンテスト「Pwn2Own Berlin」で実際に使われたものだ。

Microsoft Visual Studio/Visual Studio Code

 「Visual Studio」では10件の脆弱性が修正された。パッチは「Microsoft Visual Studio 2026 version 18.8」と「Microsoft Visual Studio 2022 version 17.14」に提供中。

 「Visual Studio Code」でも10件の脆弱性が修正されている。最大深刻度はいずれも「重要」。

  • CVE-2026-47285(重要:情報漏えい)
  • CVE-2026-54981(重要:セキュリティ機能のバイパス)
  • CVE-2026-58650(重要:セキュリティ機能のバイパス)
  • CVE-2026-59113(重要:リモートでコードが実行される)
  • CVE-2026-65675(重要:セキュリティ機能のバイパス)
  • CVE-2026-69278(重要:セキュリティ機能のバイパス)
  • CVE-2026-69306(重要:セキュリティ機能のバイパス)
  • CVE-2026-69320(重要:リモートでコードが実行される)
  • CVE-2026-70335(重要:特権の昇格)※「GitHub Copilot」との組み合わせで生じるもの
  • CVE-2026-70336(重要:リモートでコードが実行される)

Microsoft Dynamics 365

 「Microsoft Dynamics 365」関連では、以下の3件の脆弱性が修正された。最大深刻度は「重要」。

Microsoft .NET/.NET Framework

 「.NET」「.NET Framework」では、12件の脆弱性が修正された。最大深刻度はいずれも「重要」。対象は「.NET 8.0/9.0/10.0」(Windows/Linux/macOS)と、「.NET Framework 3.5」から「4.8.1」まで。詳細は公式ブログを参照のこと。

Microsoft Edge

 「Microsoft Edge」は、「パッチチューズデー」とは関係なくアップデートされている。最後にアナウンスされたセキュリティアップデートは、米国時間7月31日リリースのv151.0.4129.59。

 それ以降アナウンスはないものの、「Chromium」のセキュリティアップデートがバックポートされている可能性が高い。常に最新版を適用するように心掛けたい。

そのほかの製品

 そのほかにも、以下の製品に対しセキュリティアップデートが提供中だ。括弧内は最大深刻度。

  • Azure関連(SQL Database、SQL Managed Instance、Service Bus、Logic Apps、Kubernetes Service、Confidential Ledger、SRE Agent、Active Directory、CycleCloud、Storage Explorer、Monitor Agent):14件(緊急)
  • Microsoft Teams(Android/iOS版を含む):6件(緊急)
  • Microsoft Entra(Entra ID、Provisioning Service、Connect):3件(緊急)
  • PowerShell(7.4/7.5):4件(重要)
  • Microsoft High Performance Computing(HPC)Pack:2件(重要)
  • Microsoft Defender(Firewall Service、Mac版Defender for Endpoint):2件(重要)
  • AMD Zen:2件(重要)
  • TPM 2.0:2件(重要)
  • Microsoft Purview eDiscovery:1件(緊急)
  • Microsoft 365 Admin Center:1件(緊急)
  • Copilot Cowork:1件(緊急)
  • Application Insights Profiler:1件(緊急)
  • Microsoft Planetary Computer Pro:1件(緊急)
  • Power BI:1件(重要)
  • macOS版「OneDrive」:1件(重要)
  • Windows パッケージ マネージャー(App Installer):1件(重要)