週末ゲーム

本格派の総合格闘ゲーム「AIR de MMA」

立ち技と寝技の攻防! 総合格闘技をリアルに再現

(10/01/08)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、総合格闘技の緊迫した戦いが味わえる2D格闘ゲーム「AIR de MMA」を紹介しよう。

話題の総合格闘技を見事に表現

キックボクサーや柔術家など各キャラの格闘スタイルは実に多彩だキックボクサーや柔術家など各キャラの格闘スタイルは実に多彩だ

組み技が極まると相手はタップアウトするため残り体力などに関係なく勝利となる組み技が極まると相手はタップアウトするため残り体力などに関係なく勝利となる

 「AIR de MMA」は、2Dサイドビューのステージで、CPUとの対戦や対人対戦を1対1で繰り広げるAdobe AIR製の格闘ゲーム。ストーリーはなく、グラフィックも太い線のシンプルなものでキャラクターは男ばかりと派手さはないが、打撃にタックル、寝技、およびこれらの攻撃から逃れるためのテクニックなどが再現されており、総合格闘技ならではの緊張感あふれる駆け引きを楽しめるのが大きな魅力。オクタゴン(金網に囲まれた八角形の試合場)を見ただけでニヤリとする人もいるだろう。

 キャラクターもさまざまな格闘家が用意されており、打撃を中心としたオールラウンダー“Magahachi”、関節技とトリッキーさがウリの“Kinzoh”、テイクダウンとグラウンドパンチが得意な“Kyo-Go”のほか、柔術家やストライカー、バランス型など全部で6人となっている。ルールはシンプルで、打撃によるノックアウトまたは絞め技、関節技が極まれば勝利だ。

 画面の上部にはプレイヤーと対戦相手のゲージが表示されている。赤いバーは体力や精神力を表す“ガッツバー”で、打撃を受けると減少し、ゼロになると負けだ。時間経過で回復するが、打撃を受けるたびに回復可能な最大値は下がっていく。青いバーは呼吸を表す“ブレスバー”で、打撃やタックルなどのアクションを起こすと減り、ゼロになると時間経過で回復するまで次のアクションが実行できない。モーションや手数が多い技ほと消費量は多くなるため、無計画に攻めるとアッという間にゼロとなって何もできず、倒される可能性が非常に高い。

 操作は1Pの場合、[A]キーと[D]キーで左右に移動、[H]キーで左手または左足による攻撃、[J]キーで右手または右足による攻撃となる。さらに、[A][D][W][S]キーと攻撃キーの組み合わせで、タックルや投げ技などのさまざまな技を繰り出せる。たとえばMagahachiであれば、相手方向への移動キーと[H]キーでハイキック、[S]キーと[J]キーで片足タックルといった具合だ。そのほか[G]キーで上段ガード、[G]キーと[S]キーの組み合わせで下段ガードとなる。

キャラクターごとの得意技・得意なポジションをつかめ!

立ち技には上段と下段がある。ガードされないように使い分けよう立ち技には上段と下段がある。ガードされないように使い分けよう

グラウンドが得意なキャラはとくかく相手をタックルなどで倒すことが重要グラウンドが得意なキャラはとくかく相手をタックルなどで倒すことが重要

 試合の展開は、立ち状態の“スタンド”、相手を倒した状態の“グラウンドトップ”、自分が倒された、または引き込んだ状態の“グラウンドボトム”に分かれている。グラウンドでは一般的にトップが優位で打撃と組み技を繰り出すことができ、組み技が極まれば一気に勝利だ。

 ここで重要なのは、キャラクターによって得意な状態と技が異なること。打撃が得意なキャラではグラウンド状態は不利となり、グラウンドが得意なキャラならば、いかに相手をタックルなどで倒してグラウンドに持ち込むかが大切となる。なお、グラウンドに持ち込む方法は攻撃と同じだが、入力の組み合わせはキャラによって異なるので、最初は勝ちにこだわらず、どのような技をもっているのかを試すといいだろう。

 また、勝利するためにはブレスバーの把握がポイント。ブレスバーはゼロになるとアクションを起こせなくなるため、相手よりもバーが多い状態が基本的に有利。とくに、相手のバーがゼロのときは一気に攻め倒せるチャンスだ。

 そのほか、相手の組み技を受けたときにはキーの連打が重要となる。組み技を受けると画面の右下に数値が表示され、技から脱出するためには、その数値分だけ攻撃キーなどの連打が必要だ。この数値は体勢やキャラによっても変化するが、基本はガッツバーとブレスバーが少ないほど増えていく。逆に相手のバーが少ないときは、組み技を極めるチャンスというワケだ。

グラウンドで下になっても組み技をかけられる。それが得意なキャラも存在グラウンドで下になっても組み技をかけられる。それが得意なキャラも存在

立った状態からいきなり関節技をかけられるキャラもいる立った状態からいきなり関節技をかけられるキャラもいる

青いブレスバーがゼロになると攻撃できなくなるため、常に注意しよう青いブレスバーがゼロになると攻撃できなくなるため、常に注意しよう

組み技を回避するには表示された数字分だけキーの連打が必要だ組み技を回避するには表示された数字分だけキーの連打が必要だ

 格闘技というと殴り合いのイメージも強いが、近年の総合格闘技では、あらゆる立ち技と寝技に対する対応策が生まれており、高い技術戦となっている。そのため、いかに自分の得意とする状態にもっていくか、試合によっては詰め将棋のような楽しさがあるほど。本作ではこれがうまく表現されており、立ち技でもグラウンドでも緊張感のある駆け引きが楽しめる。CPUはなかなか強く、最初はすぐに倒されてしまうが、慣れてくるとさまざまな攻撃を繰り出し、相手の攻撃にも対応が可能となる。自分の技術が磨かれていくのがハッキリとわかるのが非常に面白いところだ。

【著作権者】
B.cos 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows XPで動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.7b
【ファイルサイズ】
30.1MB

(芹澤 正芳)