『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、武器とアイテムを駆使して世界征服をもくろむ敵と戦う硬派な横スクロールアクションゲーム「アンブレード戦記」を紹介しよう。

傘を使った多彩なアクションがゲームを盛り上げる

　「アンブレード戦記」は、カエルの主人公“イヌイ”を操作して、平和な島“ヒコ島”にやってきた世界征服をもくろむ組織“漆黒党”と戦うステージクリア型のアクションゲーム。ゲームの進行は2Dサイドビューの横スクロール型で、各ステージの最後に待ち構えるボスを倒すとステージクリアとなる。ステージには敵のほか落とし穴といった仕掛けも多く、油断するとすぐにゲームオーバーと難易度は少々高めだが、それだけにクリア時の達成感はバツグン。アイテムも豊富で、どうすれば安全かつ効率よく進めるか考えるのも楽しいゲームだ。

　また、キャラクターなどの設定が凝っているのも見どころ。主人公のイヌイがもつ傘型の武器“アンブレード”には“御霊杓子（みたまじゃくし）”というユニークな名前がつけられていたり、イヌイの友達で情報収集などのサポートをしてくれる小鳥“あおき”は真面目なのか冗談なのかわからないトークを展開したりと、内容は硬派なアクションゲームだが、雰囲気はゆるいのがギャップがあって面白い。

　操作方法は、カーソルキーの左右で移動、［Z］キーで攻撃、［X］キーでジャンプとなる。キーの組み合わせでさまざまなアクションが可能で、たとえばカーソルキーの上と攻撃で上方向への攻撃、カーソルの下でしゃがみとなり、ジャンプした状態でカーソルキーの下とジャンプボタンを同時押しすると真下への緊急着地が可能だ。

　また攻撃キーを長押しすると、傘を開いて敵や敵弾からのダメージを防ぐシールドを展開する。さらに、上方向にシールドを展開してジャンプするとパラグライダーのようにフワフワと横移動できるため、通常のジャンプよりも長距離の空中移動が可能になる。これを活用しないと移動できない場所もあるので、スムーズに出せるようにしておきたい。

　そのほか、ジャンプはボタンを押す長さによって高さが変化する。落とし穴がある場所では、押し過ぎて足場を跳び越さないように飛距離の微調整が必要だ。もし飛び過ぎた場合は、落とし穴の前で緊急着地を行えば回避できる。

　画面左上に表示されるイヌイの体力ゲージがゼロになるとミスになり、画面右上に表示される残機がゼロの状態でミスをするとゲームオーバーだ。ゲームオーバーになるとステージの最初からやり直しとなるが、残機の上限は特定の条件で増えるためクリアは少しずつ楽になっていく。また、本作はチュートリアルを含むステージをプレイヤーが選択して開始するステージセレクト型で、ステージセレクト画面で自宅に戻ればセーブできるため、ゲームを終了しても最新の状態から再開が可能だ。

設置アイテムの活用がゲーム進行のカギを握る

　ゲームの進行で重要となるのが“設置アイテム”だ。これはステージ内の“ITEM”と書かれた青いアイテムボックスを壊すと出現して取ることができ、しゃがんだ状態で攻撃キーを押すと設置可能。設置アイテムは全部で8種類あり、その内容は設置後しばらくすると爆発して灰色のブロックを破壊できる“プチ爆弾”、衝撃波で大ジャンプを可能にする“衝撃爆弾”、体力を少し回復させるフィールドを展開する“リペアー”、わずかな時間無敵となる“ムテキガード”など、ほとんどが戦いを有利にするものだ。

　設置アイテムは1つ取ると何回か使用可能だが、同時に1種類しか所持できず、別の設置アイテムを取ると前のアイテムはなくなってしまう仕組み。設置アイテムを変更するかどうかは、状況や残数をみながら判断していこう。また、青色以外のアイテムボックスには、設置アイテムの所持数を2倍にする“ダブルバレット”や体力を回復する“ポーション”などの補助アイテムが入っている。見かけた場合は必ず取っておきたい。

　このほか、ステージ内には攻撃力や防御力などをアップさせるクリスタルが隠されている。永続的に効果のある便利な存在だ。取らなくてもゲームクリアは可能だが、探検気分でじっくり探すのもいいだろう。ただし、クリスタルやムテキガードといった強力なアイテムは、プチ爆弾や衝撃爆弾などを使わないと移動できない場所にあるケースが多い。どの設置アイテムが出現するかは一部を除きランダムなので、どうやっても取れない場合もあるのだ。本作ではクリアしたステージも再プレイが可能なので、後から取りに戻るのもアリだろう。

　敵との戦いで重要となるのがシールドだ。主人公はジャンプの着地後に少し滑るため、着地地点の近くに敵がいる場合は回避しきれずに体力が減ってしまう。しかしシールドを展開しておけば、体力が減らない上にイヌイが後ろ方向に少しはじかれるため、敵との間合いも取れる。移動する場合はシールドを展開するクセをつけておくことが大切だ。

　ジャンプの制御が難しく、敵も仕掛けも多いため一筋縄ではいかないステージばかりだが、しっかりと考えて慎重に操作すればクリアできる。失敗しながら自分の腕が上がっていくことを実感できるのが楽しいゲームだ。達成感バツグンのアクションゲームを求めているなら、ぜひプレイしてほしい1本だ。