週末ゲーム

ローグライクアクションRPG「だんじょんぷらいむ!」体験版

自動生成ダンジョンをリアルタイムアクションで探索せよ!

(11/10/21)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、アクション性の高いローグライクRPG「だんじょんぷらいむ!」を紹介しよう。

スピーディなアクションが特徴のローグライクRPG

ランダム生成のダンジョンを駆け巡るローグライクアクションRPGランダム生成のダンジョンを駆け巡るローグライクアクションRPG

 「だんじょんぷらいむ!」は、とある街にやってきた2人の冒険者、ヒナタとホロンがさまざまなダンジョンに挑む見下ろし視点のアクションRPGだ。ダンジョンは自動生成で、クリアできずに死んだ場合はアイテムを全部没収されるなど、いわゆる“ローグライクRPG”の特徴をもっているが、さらにリアルタイム性の高いアクションゲームの要素を加えた作品となっている。

 モンスターは止まらずにガンガン攻撃してくるほか、プレイヤー側も容赦なく連続攻撃できるなど、アクションのテンポはスピーディで、プレイヤーキャラクターであるヒナタとホロンの移動速度も非常に速い。ローグライクRPGではおなじみの満腹度もリアルタイムで減っていき、ゼロになると体力が減少し始める。スライディングやダッシュ攻撃といった動きの大きいアクションもあり、じっくり考えながら行動する一般的なローグライクRPGとは一線を画している。

 なお、本作は現在開発中の同人ソフトで、2011年の冬に頒布予定。全16章のうち5章までプレイできる体験版が公開されており、今回はこの体験版を紹介する。なお、体験版のセーブデータは完成版に持ち越せる予定だ。

 ゲームはヒナタ、ホロンのどちらでプレイするかを選択し、難易度を5段階から選ぶと始まる。最初のダンジョンはチュートリアルになっていて、ダンジョン内の進み方、基本的な操作、戦闘方法、ダンジョン内のギミックが一通り学べる。

肉弾戦が得意なヒナタと魔法が得意なホロン。どちらを選ぶかでプレイ内容はがらりと変わる肉弾戦が得意なヒナタと魔法が得意なホロン。どちらを選ぶかでプレイ内容はがらりと変わる肉弾戦が得意なヒナタと魔法が得意なホロン。どちらを選ぶかでプレイ内容はがらりと変わる

街で出会ったおばあさんの家が冒険の拠点となる街で出会ったおばあさんの家が冒険の拠点となる

 ヒナタとホロンはゲームの序盤ではぐれてしまい、お互いを探しながら街で出会ったおばあさんの家へ厄介になることに。セーブはダンジョン入り口や街の建物などでオートセーブされるほか、おばあさんの家で任意にセーブすることも可能だ。おばあさんの家はダンジョンで死んだ場合のリスタート地点となるほか、持ち帰ったアイテムをストックしておくこともできるなど、冒険の拠点となる。

 操作はキーボード及びゲームパッドに対応しており、キーボードでの主な操作はカーソルキーで移動、左の[Shift]キーを押しながら移動でゆっくり歩く、[Z]キーで決定およびパンチ攻撃・落ちているアイテムを拾う・マップ上のギミック操作、[X]キーでキャンセル及びアイテムの使用、[C]キーで使用するアイテムの切り替え、[A]キーでマップの表示・拡大などとなっている。また、アイテムとして武器を持った状態で[X]を押せば武器攻撃が可能だ。

 移動は標準でダッシュとなっていて、武器戦闘を得意とするヒナタはダッシュ中に[X]キーで武器攻撃をすると強力な“ダッシュ攻撃”となる。同様に[Z]キーだとスライディングとなり、こちらは威力は低いが緊急回避に利用可能だ。一方、ホロンは遠距離攻撃が可能な魔法を得意とするが、魔法を使うには使用回数に制限のあるスクロールが必要で、パンチや武器攻撃などの物理的な攻撃手段は一切もたない。

同時に持てるアイテムは3つだけ!やりくりが肝要

この大きな球がスイッチ。これを作動させて次のフロアへの結界を解除するこの大きな球がスイッチ。これを作動させて次のフロアへの結界を解除する

 ダンジョン内は、次の階へ進む階段やワープゲートなどの前に結界が張ってあり、これを解除するためにフロア内にある赤いスイッチを作動させる必要がある。進行に必要なのはそれだけだが、フロアには大量のアイテムや宝箱があるほか、地雷魔法という、踏むと攻撃魔法が発動し、敵にダメージを与えられる魔法陣もある。

 本作の特徴はアイテムの所持数だ。アイテムは武器や魔法のスクロール、体力や満腹度を回復させる食料や薬など、すべて合わせて3つしか持ち歩くことができない。ダンジョン内で持ちきれる以上のアイテムを発見した場合は、どれかを置いていくしかないのだ。結果的に、武器や魔法を1~2個持ち、食料や薬はどんどん使っていくというのが基本スタイルになる。

フロア上にある小さな魔法陣が地雷魔法。踏むと攻撃魔法が発動するフロア上にある小さな魔法陣が地雷魔法。踏むと攻撃魔法が発動する

持てるアイテムは3つ。必要なものを厳選して持ち歩こう持てるアイテムは3つ。必要なものを厳選して持ち歩こう

 ヒナタが使う武器には攻撃範囲が広めの剣、リーチが短いものの攻撃速度が速いナックルやナイフ、短距離飛び道具のブーメランなどがある。手持ちの武器を強化する要素もあるが、序盤はどんどん新しい武器が拾えるため、より強い武器を発見したら切り替えていくのがお勧めだ。

ホロンの魔法は強力だが回数制限があり、発動までに時間がかかるホロンの魔法は強力だが回数制限があり、発動までに時間がかかる

 ホロンの攻撃手段である魔法はスクロールのアイテムを拾うことで使用可能になるが、使うと使用回数が減っていきゼロになると使えなくなるほか、使うたびに満腹度も減少する。魔法は強力で、火球や氷の刃、雷撃などいずれも破壊力抜群。ただし攻撃発動までに時間がかかることと、ヒナタ以上に攻撃手段の確保、管理が難しくなるのでホロンのほうが上級者向けと言えるだろう。

 また、ダンジョン内で拾える“素材”と“リング”は使用するアイテムとは別枠で、いくつでも持ち歩くことが可能。素材は街の合成屋でアイテム合成に使うことができ、リングは装備することでステータスアップなどの効果がある。これらは制限などを気にせずどんどん拾い集めていい。

 さらに、拾うとその場で効果を発揮するアイテムもある。ホロンでプレイする場合は、魔法の使用回数を回復する“+1”と書いてあるアイテムは欠かさず拾っていきたいところだ。また、体力を回復する“ハート”は、体力最大時に取ると体力の最大値が増えるので、体力が減っていなくても取っていこう。そのほか、“コイン”を取るとスコアがアップし、スコアが高いほど出現するアイテムのレア度が上がるほか、街ではお金として買い物に使うことができる。こちらもこまめに回収するといい。

 フロアにはアイテムのほか、そのフロアのマップが落ちていることもある。マップは3種類あり、白いマップはフロアの全体図を表示し、黄色はアイテム、赤は敵の位置を表示する。これらも役立てて効率よく探索を進めよう。

難易度は高め。死と隣り合わせのスリリングなプレイを楽しもう

フロアに点在する小部屋ではキャンプメニューを開くことが可能。この間は時間が止まるフロアに点在する小部屋ではキャンプメニューを開くことが可能。この間は時間が止まる

死んだ場合はおばあさんの家から再スタート。おばあさんが助けにきてくれている?死んだ場合はおばあさんの家から再スタート。おばあさんが助けにきてくれている?

 戦闘は、なかなかテクニカルなものとなっている。モンスターに接近するなどしてこちらの存在を知覚されると攻撃してくるので、ヒナタは武器で、ホロンは魔法で攻撃しよう。しかし敵の動きはすばやく、タイミングを合わせて的確に攻撃しないとあっという間に連続でダメージを受けてピンチになる。しかもこちらの攻撃モーション中に攻撃を受けるとカウンター判定となり、受けるダメージが増えるため空振りは危険。飛び道具を撃ってくる敵、魔法を使ってくる敵も多く、対処するにはある程度アクションゲームのセンスが要求される。

 序盤のダンジョンでは豊富に回復手段が用意されているが、先に進むにつれ乏しくなっていくので、隙のないプレイを極めていかねばならない。とくに複数のモンスターを相手にする場合は、一瞬で葬られることもある。ダンジョン最深部ではボス戦が発生することもあり、備えは万全の状態で探索を進めていくことが大切だ。

 かといって慎重に行動しようとしても、満腹度の減少という時間的な圧迫もあり、いつでも手堅い行動をとれるわけではないあたりが本作の難しくも面白いところ。3~4つ目のダンジョンあたりから死と隣り合わせのスリリングなプレイが続く。とはいえ、死によって失うものがあまり多くないので、ローグライクRPGとしては死のリスクは低い。そういう意味では比較的ライトユーザーにもやさしい作りになっているとは言えるだろう。

 また、モンスターを倒していると“ハイパーモード”という強化状態になれるアイテムが出現し、状況を打破できるケースも。とくにホロンは魔法が撃ち放題になるので強力だ。

 メインキャラクターのヒナタとホロンは見た目も可愛らしく、コミカルタッチのストーリーもついていてなかなかキャラが立っている。ひたすらダンジョンに潜るゲームとはいえ、やはりキャラがいいとやる気も出るというものだ。難易度はやや高めだが、イージーモードならアクションが苦手でも進めることは十分可能。ローグライクRPGとしてのアイテムハントの楽しさや死んでアイテムを失う緊張感に、本作ならではのスピード感を加味したゲーム性は、このジャンルのヘビープレイヤーも楽しめる。完成が楽しみな作品だ。

【著作権者】
ノンリニア
【対応OS】
Windows XP以降(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
1.2.0(11/09/01)

(藤井 宏幸)