週末ゲーム
第548回
フィールドが360度回転するシューティング「REVOLVER360 RE:ACTOR」
2Dの手触りに3Dの弾避け要素が融合。やり込みも充実の硬派な作品
(2014/1/24 10:40)
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、回転式シューティングゲーム「REVOLVER360 RE:ACTOR」をご紹介する。
本作は同人ゲームとして頒布されており、執筆時現在は委託販売店や通販で購入可能。作者サイトでは体験版も公開されている。
2Dの手触りのままフィールドを回転させる大胆なアイデア
「REVOLVER360 RE:ACTOR」は、フィールドの奥行きと回転という要素を加えた横スクロールシューティングゲーム。以前Xbox 360のXbox LIVEインディーズゲームおよびWindows向けに頒布された「REVOLVER360」に続く第2弾のタイトルとなる。
基本的な部分は正統派の横スクロールシューティング。前方に向けて撃つ通常ショットと、背景の位置にいる敵に向けて撃つホーミング(敵の近くにいると自動で発射)、敵だけでなく一部の敵弾を消せるレーザーが基本兵装。さらに機体の周りに描かれる赤色のオーバードライブゲージを消費し、全ての敵弾を消せるEMPショットと、画面全体の敵弾を消せるオーバードライブが使える。
特徴は、フィールドが360度回転する点。フィールドを横向きの円柱に見立てたようなイメージで、上下方向に回転できる。これによってゲームに大きな変化が与えられている。
最も特徴的なのが、敵弾の挙動だ。例えば、画面いっぱいに隙間なく拡散弾が放たれた時、普通のシューティングならばボムなどで弾消しをしなくてはダメージを受けてしまう。ところが本作では、フィールドを90度回転させてやれば、平面に放たれていた拡散弾は一直線になり、たやすく回避できる。言葉ではなかなかピンと来ないと思うが、実際の画面で見ていただければ一目瞭然だ。
あとはこれの応用だ。避けにくいと思ったら画面を回転させれば活路が見いだせることが多い。敵の位置についても同様で、縦にずらりと並んだ敵がいたら、90度回転させれば全て自分の目の前に固まってくれる。敵の弾を避けつつ、すばやく敵を倒すのに活用できる。
ただし、紫色の敵弾だけは回転に影響されないことや、奥行き方向も含めてばらまかれる敵弾もあるので、過信は禁物。敵弾を消せるレーザーやEMPショット、オーバードライブなどを活用しながら進んでいく。
機体はライフ制で、ライフが0になるとゲームオーバー。残機やコンティニューはないので、最初からやり直しになる。ただし到達したセクター(ステージ)のみをプレイするモードはあるので、難しいセクターをしっかり練習してから挑むことは可能だ。難易度設定もないため、攻略は自力で頑張れ、という硬派なゲームになっている。
他人のリプレイも参照できるスコアアタックが熱い!
ゲーム自体の難易度はそこそこと言ったところだが、本作の面白さはクリアしたら終わりではなく、その先のスコア稼ぎにある。特定の状況や戦い方によって、スコアが大きく跳ね上がる仕組みになっている。
まず重要なのが“瞬間倍率”。敵を通常ショットで倒したり、敵を倒した時に出る“M-CUBE”を獲得することで、画面右下に表示される瞬間倍率の数字が上がり、最大16倍になる。レーザーで敵を倒した時この瞬間倍率の分だけスコアが倍増するが、瞬間倍率は時間経過やレーザーの発射によって下がるため、高倍率の時に敵をまとめてレーザーで倒すのが重要。また大量の弾を吐き出す敵を、弾と一緒にレーザーで倒すことで大量の“M-CUBE”が出現する。あえて弾を撃たせてから倒すというアプローチで得点が伸びるわけだ。
また、1発のレーザーで複数の敵を倒すとスコアボーナスが入る。瞬間倍率が高い状態で、多数の敵をレーザーに巻き込んで倒せば大量得点が得られる仕組みだ。レーザーは真横に直線で放たれるので、回転を使ってうまく敵を巻き込んで倒すのがポイント。またオーバードライブ中は瞬間倍率が下がらなくなる上、レーザーのゲージが急速に回復するので、慣れてきたら弾消しではなく得点稼ぎのために使いたい。
オンラインランキングも用意されており、他のプレイヤーとスコアを競える。さらにリプレイデータのアップロードにも対応しており、ハイスコアを更新した時にはスコアとともにリプレイデータもアップロード可能。ランキングからプレイヤーを選んでリプレイデータを再生できるので、高得点者のプレイを閲覧して研究できる。攻略法がわからない時にも大いにヒントになるはずだ。
他にも、プレイ内容に応じて得られる“実績”もある。全部で60種類の実績が用意されており、プレイ中に特定の条件を満たすことで開放される。クリア後もスコアアタックと実績埋めという楽しみがあるので、長く楽しめる。
第2のやり込み要素となるチャレンジモード
もう1つ別のゲームモードとして、チャレンジモードが用意されている。ダメージを受けずに、全ての敵を倒す、目標スコアを獲得する、制限時間切れまで生き残るなどの条件を突破するミッションクリア型のモードで、執筆時現在30ステージまでプレイ可能。
1ステージは数秒から十数秒と、あっという間に終わる。しかしライフが常に1で、一発攻撃をもらえば失敗になる上、条件を満たすためには繊細な操作を求められるため、序盤からかなり難しい。
内容は、各種攻撃や回転による回避方法や、スコア稼ぎのコツなどが学べるものになっている。通常モードでの攻略に詰まったら、気分転換を兼ねてこちらをやってみるのもいいだろう。
各ステージの結果は、クリア時の獲得得点などにより、最大999点でスコア化される。クリア済みステージのスコアの合計は、オンラインのスコアランキングに登録できる。全ステージをクリアしたとしても、より高得点を狙ってプレイし直すという遊びがある。
1発ネタではない、歯ごたえのあるシューティング作品
本作について敢えて懸念点を挙げるとすれば、シューティングゲームが苦手な人には、やや難易度が高めに感じられるかもしれないところ。残機もコンティニューもないというのは、今時にしてはなかなかハードな設定だ。その分、遊び甲斐はあるとも言えるが。
そこそこシューティングゲームを遊ぶ人ならば、クリアはさほど苦労しないはず。ただそこからのスコア稼ぎとなると話は別で、敵を瀕死にしておいて、弾を撃たせて引き付けてレーザーで消す、などギリギリの操作が求められる。クリアまでの1周約25分、どこまで集中できるかが試される。
オンラインランキングに加えてリプレイデータのアップロード・ダウンロード機能があるのは、スコアラーにとってはかなり魅力的だ。チャレンジモードも含め、シューターのやりこみ意欲を刺激するツボをうまく押さえている。
フィールドが回転するというゲームシステムがあまりに強烈なので忘れがちだが、サイバースペースを思わせる空間描写や、その割に生物的な動きをする敵などのビジュアル面、イメージに合った幻想的なサウンドなども、とてもよくできている。全体のクオリティという点においても十分にレベルが高い。決して1発ネタではない、遊び応えのある作品だ。
ソフトウェア情報
- 「REVOLVER360 RE:ACTOR」
- 【著作権者】
- クロスイーグレット
- 【対応OS】
- Windows XP/Vista/7(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
- 【ソフト種別】
- パッケージ販売 1,890円(税込み)など(体験版あり)
- 【バージョン】
- 1.06