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「Python in Excel」が画像入力に対応 ~豊富なPythonライブラリで解析・加工が可能に
Windows、Mac、Webで展開開始
2025年8月20日 12:43
米Microsoftは8月14日(現地時間)、「Python in Excel」で画像ファイルを扱えるようになったと発表した。豊富な「Python」ライブラリを活用して、セルに挿入した画像(IMAGE関数も可)を解析したり、さまざまな加工や処理を施したりできる。「Python in Excel」さえ使えれば、追加のツールや手順は必要ない。
「Python in Excel」は、スクリプト言語「Python」を「Excel」で利用できるようにする機能。一般の「Excel」関数では実現が困難な高度な数値計算や統計分析、機械学習といった処理を、「PY」関数に記述した「Python」スクリプトで記述できる。「Anaconda」ディストリビューションを採用しており、それに含まれる著名なライブラリを活用できるのが魅力だ。「PY」関数に記述した計算処理はエンタープライズ レベルのセキュリティを備えた「Microsoft Cloud」のコンテナーで実行され、Excelブックを閉じたりタイムアウトが発生すると自動で破棄される。ユーザーデータはコンテナーで厳重に他と隔離され、計算完了後も「Microsoft Cloud」に保持されたり、共有・再利用されることはない。
「Python in Excel」は、ビジネス向けの「Microsoft 365」プランに正式版として含まれており、個人向けプラン(Personal/Family)でもプレビュー版として利用可能。より高速な“プレミアム コンピューティング”を提供する「Python in Excel」アドオンも販売されている。
「Python in Excel」で画像ファイルを扱うには、挿入コマンドやIMAGE関数でセル内に画像を配置し、専用の「Python」関数を用いて『xl("A1")』などとし、配列データに変換する。あとはこの配列データを数値計算ライブラリの「NumPy」、画像処理ライブラリの「Pillow」などで処理すればよい。企業のロゴや製品の透かしを加えたり、明るさを調整したり、色を変更したり、解析してヒストグラムを作成したりといった用途に使えるだろう。
また、本機能の搭載にあわせ、「Python in Excel」における画像の入力サイズをカスタマイズする設定も追加された。挿入した画像を実寸大でそのまま扱う(既定)だけでなく、自動で大(1,280×960)、中(640×480)、小(320×240)サイズへ縮小してから扱うように指定することで、計算の負荷を抑制することが可能だ。