ニュース

「Adobe Acrobat Studio」が発表 ~「PDF Spaces」でファイルを対話型ナレッジハブに、Expressも統合

まずは英語版から提供開始

Adobeの新製品「Acrobat Studio」が発表

 米Adobeは8月19日(日本時間)、AI搭載のPDFプラットフォーム「Acrobat Studio」を発表した。新機能「PDF Spaces」(AIエージェント「Acrobat AIアシスタント」の進化版)をはじめ、「Adobe Acrobat」(Pro)、「Adobe Express」(プレミアム)を統合した新製品で、同日より英語版を提供開始。早期アクセス価格は、個人向けが月額24.99米ドル、チーム向けが月額29.99米ドルから。14日間の無料トライアルを通じて各ツールを無制限に利用できる。

 「Acrobat Studio」は、ユーザーが生産性を高め、短時間で簡単に目を引くコンテンツを作成し、迅速で役立つインサイトを得て、よりスマートに働けるよう支援するWebプラットフォーム。Acrobat、Express、AIエージェント機能を統合することで、PDF(のほか、ファイルやリンク、メモ)を対話型ナレッジハブへと変換し、カスタマイズ可能なAIアシスタントを使ってインサイト、回答、推奨を引き出して共有できるようにする。

 対応フォーマットは、PDF以外にも、DOCX/PPTX/TXT/RTF/XLSX/VTT形式、WebURL、コピーされたテキスト、クラウドファイル(Adobeクラウドストレージ、Box、DropBox、Google ドライブ、OneDrive)。現時点では音声・動画ファイルには対応していない。

「Acrobat」のホームページがリニューアル。すべてのアクションへアクセス可能に

 また、同プラットフォームには、新機能「PDF Spaces」を搭載。これは保存されたファイルやWebサイトを対話型のナレッジハブにまとめてくれるワークスペースで、個人やチームは大量の文書や構造化データの中から、AIを利用して参照したい情報にピンポイントでアクセスし、インサイトを素早く得て、正確な引用で回答を検証し、いつでも共有可能なメモを追加できる。

新機能「PDF Spaces」

 「PDF Spaces」内のAIアシスタントは、既存のアシスタントを使用する以外にも、「インストラクター」「アナリスト」「エンターテイナー」といった特定の役割を割り当てることが可能。情報の要約、質問への回答、さらなる探究領域の提案などに役立つ。またユーザーは、自分のプロジェクトのニーズに合わせて新たに定義した役割をAIアシスタントに付与することも可能。

 パーソナライズされたAIアシスタントを含む「PDF Spaces」全体は、同僚や顧客、クラスメイトと共有することができる。なお、共有された「PDF Spaces」へアクセスするのに「Acrobat Studio」の契約は不要とのこと。

分析対象のファイルをまるっとドラッグ&ドロップして利用する
AIアシスタントと対話しながらインサイトを得られる

 さらに「Acrobat Studio」では「Adobe Express」プレミアムプランの全機能やアセットにアクセス可能。プロがデザインしたテンプレートやブランドキットのほかにも、「テキストから動画生成」や「テキストから画像生成」といった「Adobe Firefly」による画像・動画生成を活用して手軽にコンテンツ制作したり、メッセージをリッチで魅力的に視覚化したりできる。

 「Acrobat Studio」のセキュリティ面においては、ユーザーが参照元として指定したドキュメントのみを、AIが分析するように制御できる。インサイトを示す際には、分析対象の文書内にある情報ソースへ直接リンクするクリック可能な引用を提示する。顧客データはAIモデルの学習に使用せず、サードパーティーベンダーによる使用も禁止している。

 ユースケースの例を挙げると、営業担当の場合、クライアント情報や調査メモ、提案書を「Acrobat Studio」に集約し、AIアシスタントを活用して要約・推奨事項・インサイト・メッセージを生成し、その結果を「Adobe Express」でコンテンツ化できる。契約業務をすべてAcrobatから離れることなく行なえるとしている。