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Adobe Acrobat/ReaderでPDF以外の文書もアップロード・解析可能に ~「AIアシスタント」日本語版が正式リリース
ただし既存の製品とは別料金、月額680円から
2025年2月12日 10:00
アドビ(株)は2月12日、Adobe Acrobatの生成AI機能「Acrobat AIアシスタント」日本語版の一般提供を開始した。本機能は、Adobe Acrobat ReaderおよびAdobe Acrobatのデスクトップ版、Webアプリ、モバイル版アプリ、Webブラウザー拡張機能において、追加のサブスクリプション(月額680円から)で利用可能。
「Acrobat AIアシスタント」は、PDF閲覧・編集ソフト「Acrobat Reader」「Acrobat」に統合された、生成AIベースの対話型エンジン。本機能により、ドキュメントをすばやく解析し、ひとつのUI内で文書を表示しながら、要約を生成したり、新旧ファイルの差分を表示したり、チャット形式で文書に質問しながら回答を得ることができる。
英語版はすでに2024年4月に一般提供されていたが、ようやく日本語版が利用可能となる。
この新機能では、PDF以外のドキュメントフォーマット(Word、PowerPointなど)に対応しているのも特徴のひとつ。いちいちファイルをPDFに変換する必要がなく、複数のファイル(最大10ファイルまで)をまとめてアップロードすることも可能となっている。
ファイルサイズの制限は100MB未満/600ページ未満。英語(日本語以外の言語)のドキュメントから日本語で要約・回答を得ることもできる。
なお、一般提供開始時のバージョンでは、ドキュメント内に含まれる図や画像内の情報を理解できない(「まだ学習中のため」としている)。
将来的には、単に質問の回答を提示するだけでなく、高品質なドキュメントに仕上げるための文章のトーン・長さ・デザインの調整機能や、PDF内のコメントをもとに変更点を提案してくれるレビュー作業のAI支援機能などの展開も視野に入れているとのこと。
「Acrobat AIアシスタント」主な機能と利点
- 「AIアシスタント」
PDFのコンテンツにもとづき、推奨される質問を提示したり、質問に対する回答を作成。これらはすべて、直感的な対話型インターフェイスを通じて行なわれる - 「生成要約」
複数または長文のドキュメントを解析し、全体要約、セクションごとの要約を生成。PDF内にある情報のみを要約するため、生成AIで発生するハルシネーションなど信頼性の低い情報を提示することはない - インテリジェントな引用
アドビのカスタマイズしたアトリビューションエンジンと独自のAIが引用を生成するため、ユーザーはAIアシスタントの回答の情報ソースを簡単に確認可能 - わかりやすいナビゲーション
クリック可能なリンクにより、長文ドキュメントの中から必要な情報を素早く見つけることができる - 利用目的に応じた文章の生成
要約された情報を、電子メール、レポート、プレゼンテーションなど、さまざまな形式にフォーマット可能。[コピー]ボタンにより、コピー&ペーストや共有を簡単に行なうことができる - 顧客データの尊重
「Acrobat Reader」および「Acrobat」のAIアシスタント機能は、データセキュリティプロトコルによって管理されており、顧客のドキュメントの内容が同意なしに保存されることや、AIアシスタントのトレーニングのために使用されることはない - PDFの枠を超えて
あらゆる文書形式(Word、PowerPoint、会議の議事録など)のファイルをAIアシスタントに読み込ませて使用可能
「Acrobat AIアシスタント」日本語版は、無料の「Acrobat Reader」および、有料の個人向け「Acrobat」内から利用可能だが、それら既存の製品とは別料金になる。
料金プランは「月々プラン」(月額980円)と「年間プラン」(月額680円、一括8,080円)より選択可能。「AIアシスタント」プラン単体に無料の試用期間は設定されていないが、「Acrobat Reader」内で数回はお試しができるとのこと。
また「AIアシスタント」は、別途有料という形で提供されるため、ベースとなる無料の「Acrobat Reader」と有料の「Acrobat」とで利用できる、「AIアシスタント」の機能差はない。ちなみに、本機能の利用にはオンライン接続が必須となる。