週末ゲーム
第604回
メダルを選んでコンボを繋げ!疾走感あふれるブラウザRPG「ラストサマナー」
少女達が駆け回る賑やかなサイドビューバトル。戦闘もキャラの魅力も充実した作品
(2015/7/17 13:45)
英霊の力を宿した少女達と共に、世界を救うため戦うファンタジーRPG
「ラストサマナー」は、英霊の魂を宿した少女達でパーティを組み、破壊神から世界を救うために冒険の旅を繰り広げていく異世界ファンタジーRPG。メダルを選んで戦う戦闘システムが特徴で、サイドビューの画面をデフォルメキャラの少女達が駆け回る、ボイス付きの賑やかなバトルが楽しめる作品だ。
物語は、プレイヤーの分身である主人公が現代の地球から異世界“フェルトバーン”へと突如召喚されたことから始まる。この世界では“破壊神ヤハ”が2年前に復活し、滅亡の危機に瀕していた。これに対抗するのは、英霊の魂“ブレイブソウル”を宿して戦う“エヴァ”と呼ばれる少女達。エヴァの力を引き出す“ブレイブガン”を扱える“ラストサマナー”であると告げられた主人公は、世界を救うため、そしていつの日か家に帰るためエヴァ達と共に旅立つ。
……という救世譚がストーリーの基本なのだが、ブレイブガンを扱える以外はただの一般人である主人公は、モンスターのはびこる異世界で生き抜くだけでも精一杯。突然英雄に仕立て上げられたプレッシャーを感じたり、一方でエヴァに囲まれ『モテ期到来か!?』と期待してしまったりと、等身大のキャラクターが描かれるコメディタッチのシナリオも本作の味となっている。
ゲームの流れは、数回のバトルで構成されたステージをクリアすることでクエストをこなし、ストーリーが進行していくノンフィールド形式。バトルは3人組の小隊を3つ、計9人参加で行われる。歴史上の偉人や伝承に残っている人物などをモチーフにした、可愛らしく格好いいキャラクター達も大きな魅力だ。
なお本作は、DMMにて基本プレイ無料のブラウザゲームとして提供されており、キャラクターの召喚などに使うクリスタルが課金アイテムとなっている。とはいえ、クリスタルはステージに設定された“戦闘不能者なし”や“○ターン以内クリア”といったミッションを一定数達成することでも入手可能。さらに後述するさまざまな要素により、プレイを続けることで課金アイテムを使わなくても、強力なキャラクターを入手できる機会が比較的多く用意されている。
また、ブラウザ版とデータを共有できるAndroid版も提供されている。最新スペックの端末でも動作はやや重いが、戦闘演出の簡易化や高速化の設定があるのでこれらも活用すれば、ほぼストレスなくプレイ可能。出先でもプレイしたい場合に便利だ。なお、Android版は「DMMゲームストア」アプリ経由で導入する形となっているが、同アプリはGoogle PlayではなくDMMのサイトで配布されているため、導入の際は一時的に端末のセキュリティ設定を変更する必要がある点はご注意いただきたい。
メダルを選んで戦うバトル。コンボを重ねてバーストアタックで敵を一掃!
基本的な戦闘システムはターン制だが、行動選択を画面下に並ぶメダルで行うのがポイント。メダルはランダムに6枚並んでおり、3人の戦闘メンバーの行動を選ぶと“速さ”のステータスが高い順に敵味方が入り交じって行動する。メダルには攻撃のほか回復、特殊攻撃とさまざまなものが用意されており、使った3枚の分は新たなメダルがランダムで補充される。また、戦闘メンバーは1ターンごとに小隊が入れ替わる、ローテーション形式のバトルとなっている。
ここで重要となるのが、攻撃メダルの属性。攻撃メダルには物理(赤色)、投擲(緑色)、魔法(青色)という3つの属性があり、キャラクターにもそれぞれ同様の属性が設定されている。この属性が合致する攻撃メダルを選ぶと“マッチング”効果でダメージが上昇し、逆に合致しないとダメージと命中率が下がってしまう。
さらに、2回以上連続でマッチングするとコンボとなり、“コンボゲージ”が増加。ゲージが一定量溜まるとパーティメンバー全員で強力な全体攻撃を行う“バーストアタック”が発動できる。コンボゲージの溜まり具合によりバーストアタックは3段階で威力が変わり、ゲージフルで発動すればザコ戦なら大抵の敵を一掃することが可能だ。
9コンボごとにコンボゲージが大きく伸びる要素もあるため、いかにマッチングを継続してコンボを繋げるかが戦術のキーとなる。全属性を兼ねるオールマイティな攻撃メダルもあるほか、回復と特殊攻撃のメダルは“コンボ数は増えないが途切れもしない”という扱いなのでこれらも利用しつつ、必要な属性のメダルを切らさないようにメダルを選んでいくのが肝心だ。
各属性のメダルをバランスよく消費するには小隊内の属性をばらけさせるのが無難だが、同一属性だけで小隊を構成して全員マッチングするとダメージが増加する“スリーマッチングボーナス”もあり、パーティ編成面での戦略も必要となってくる。ポイントの振り分けによりメダルの出現頻度をカスタマイズできる施設があるため、これも活用すると効果的だ。さらに、ステージ中には一度だけ、すべてのメダルを取り替える“サマナースキル”を使うことができ、これの使い所も重要となっている。
そのほか、各キャラクターは個別に“ブレイブスキル”を持っており、ダメージを与えたり受けることで上昇する“ブレイブスキルゲージ”が溜まると任意に発動可能。単体・全体攻撃やバフ・デバフ、小隊全員の回復など効果はさまざまで、パーティメンバーの組み合わせも工夫のしがいがある。また、特殊攻撃メダルにはブレイブスキルゲージを一気に上昇させるものもあり、使うキャラクターとタイミングを選べばより有利に戦闘を進めることが可能だ。
こうしたさまざまな要素を駆使して戦っていくバトルは、戦術・戦略要素とメダルによるランダム性が絡まって、使いたいメダルがなかなか来ないジレンマや、先を見越してメダルを温存するなど、デッキ型のカードゲームにも似た駆け引きを生み出している。常に移り変わる戦況における判断を、メダル選びという形で味わえるのがバトルの醍醐味だ。
キャラクターの属性とマッチするメダルが強調表示されるため、ただステージをクリアするだけならマッチするメダルを選んでサクサク進めることが可能。一方で“○ターン以内クリア”のミッションを達成するには、無駄なオーバーキルをせず効率よくダメージを与えるよう、メダル選びはもちろん、通常はオート選択となる攻撃ターゲットを味方の行動順も考慮しつつ手動で選ぶなど、一手一手が重要となり、意志決定に悩まされる。気軽に進めるもよし極めるもよしと、プレイスタイルに応じて楽しむことが可能だ。
キャラクターの魅力を堪能できるコンテンツも充実。親愛度を最高にすると……?
キャラクターの入手はガチャで召喚するのがメインだが、ゲームの進行によりストーリー上で仲間になったキャラクターを入手できることも多く、SRや、RとSRの中間であるSPなど比較的高いレアリティのキャラクターも入手可能。さらに、随時開催されているイベントでも、SSRキャラはガチャのみに追加されるが、SRキャラは比較的容易に入手できるというパターンが多く、プレイを続けていれば十分に戦力が揃っていくのがありがたいところだ。
そのほか、素材を集めて装備品を作る仕組みや、その装備品のレシピを入手するために他のプレイヤーのパーティと対戦する“アリーナ”もある。アリーナでは階級や順位も表示され、自分が全プレイヤーの中でどのくらいの位置に居るのかわかるのも面白い。
キャラクターの魅力を堪能するためのコンテンツも充実。バトルでは掛け声に決め台詞とシチュエーションに応じてさまざまな台詞を喋ってくれるのはもちろん、キャラクターごとに個別のサブクエストも用意されている。サブクエストは主人公とキャラクターの修行風景や旅路での一コマを描いたストーリー付きで、クリアすることによりリーダースキルを獲得可能。リーダースキルはパーティ編成で各小隊のリーダー(先頭キャラクター)に設定すると効果を発揮するパッシブスキルだ。
また、リーダーに設定したキャラクターはステージクリア時に“親愛度”が上昇。最大になると特殊な交流イベントが発生し、そのキャラクター専用の特殊な装備品を入手できる。キャラクターとの交流を楽しみつつ戦力の強化にもなり、物語上でも戦闘ユニットとしても、自然とキャラクターへの愛着が増してくるというわけだ。
熱い展開やメロディアスなBGMも見所。“気軽にしっかり”遊べるブラウザRPGの良作
ストーリーは世界の各地をめぐり、“封印の巫女”と呼ばれる特別なエヴァを探しながら進行。最初は異世界で生きて行くためやむを得ず、という消極的な理由で協力していた主人公も、それぞれの理由で立ち上がるエヴァ達の姿を見て決意を固めていく。お調子者らしい面を見せつつも決める時は決める、キャラクターの立った熱いシナリオも見所だ。
本作の魅力を語る上で、音楽も欠かせない要素と言える。ギターとストリングスが熱い旋律を奏でるロック調の戦闘曲や、ピアノによる切なげな旋律とハードなギターが対照的なボス曲をはじめ、メロディアスで飽きの来ない楽曲がゲームを大いに盛り上げてくれる。タイトル画面で流れる主題歌も女性ヴォーカルによる情熱的なナンバーなので、プレイする際、ときにはゲームを始める手を止めて最後まで聞いてみてほしい。アリーナではインストバージョンを聴くことも可能だ。
メダルを選ぶだけの簡単操作ながら考えて戦う楽しみのあるバトルに、疾走感あふれる演出、じっくり取り組める育成と、キャラクターを軸としてRPGの面白さを気軽に味わえる「ラストサマナー」。可愛らしいキャラクターを堪能しつつ、ゲームもしっかり遊びたいという人にお勧めのブラウザゲームだ。
『ラストサマナー』©DMMゲームズ