週末ゲーム
第603回
時間を止め、ワープしながら敵を斬るシューティング「ZANGEKI WARP」
静と動を自在に操る“斬撃ワープ”であらゆる障害を突破せよ!
(2015/7/10 13:36)
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、シューティングゲーム「ZANGEKI WARP」をご紹介する。
なお、本作は同人ゲームとして頒布されており、執筆時現在はダウンロード版およびパッケージ版が購入可能。作者サイトでは体験版も公開されている。
時間停止、ワープ、斬撃の3要素を備えた“斬撃ワープ”
「ZANGEKI WARP」は、ワープ能力を備えた戦闘機を操って戦うシューティングゲーム。悪の科学者ベノミヤ博士が培養していた宇宙怪獣が暴走し宇宙に拡散するのを食い止めるため、“斬撃ワープ”装置を備えた宇宙戦闘機“ザンファイター”がベノミヤ宇宙要塞に突入する。
本作の特徴は、自機となる“ザンファイター”が使う“斬撃ワープ”だ。基本的なシステムはステージクリア型の横スクロールシューティングゲームで、ショットで攻撃して敵を倒していく。ただ、ステージの攻略にはワープの要素が必須になっている。
ワープを使用するには、ワープボタンを使う。ワープボタンを押すと、自機や敵の動き、ステージの強制スクロールなどが止まり、代わりにターゲットサークルが表示される。このターゲットサークルを上下左右好きな位置へ動かした後、ワープボタンを離す。すると自機がターゲットサークルで指定した位置へと一瞬でワープする。
ゲームを進めていると、スクロールしていく先がすべて壁になっていて、そのままだと激突してミスになってしまう場面がある。この時にワープで壁の向こうにある空間を指定すれば、壁をすり抜けて移動できる。
また、ワープ前とワープ後の位置を結んだ直線上にいた敵には、斬撃による大ダメージを与えられる。途中にある敵弾もすり抜けられるので、敵や敵弾に囲まれて危険な状態から簡単に抜け出せる。ワープのターゲットサークルを操作している時にはゲームの進行が止まるので、緊急回避も落ち着いてできるという仕組みだ。
ただしワープにも制限がある。ワープボタンを押して時間が止まったように見えている間は、画面右下にあるワープゲージが徐々に減少する。ワープゲージは未使用時に徐々に回復していくが、時間停止中にゲージが空になったら強制的にターゲットカーソルがある位置へとワープさせられてしまう。また移動先に敵や障害物があった場合は衝突したものと判定されるので、無闇にワープするのは危険だ。
言葉で説明するよりも実物を見ていただいた方がわかりやすいと思うので、以下のプレイ動画をご覧いただきたい。
ステージをクリアして自機を好みにアップグレード
ゲームの進行はステージ攻略型で、各ステージの最後にいるボスを倒せばクリアとなる。自機は残機制で、残機がなくなったらゲームオーバー。ただしコンティニュー回数は無制限で、各ステージ内でもいくつかのリスタート地点があるため、リトライは容易な設計になっている。しかもステージ途中でセーブして再開できる機能まで搭載しているので、少しずつ遊びたいという人も安心だ。
ゲームの進行を助けてくれる要素として、自機のアップグレードがある。ゲーム開始時にアップグレードポイントとして3ポイントが与えられており、その後もステージをクリアするごとに3ポイントが追加される。これで自機を強化して、より難易度の高いステージへと挑んでいく。
アップグレードには、合計7つの要素がある。“SHOT POWER”はショットが強化され、ダメージや弾数、撃ち出す範囲が変化する。“WARP RECOVERY”はワープゲージの回復速度強化。“SLASH POWER”は斬撃ワープのダメージ強化。
“SHOCKWAVE”は、ワープの出現地点の周囲に次元衝撃波を発生させ、周囲の敵にダメージを与えるというもの。未強化の状態ではワープの直線上の敵にしかダメージを与えられないので、使い勝手がよくなる。
“DECOY STAY”は、ワープした後しばらく、元いた場所に囮になる残像が残って敵を引き付けてくれる。ワープ直後に狙われる可能性が低くなるため、安全に行動しやすくなる。未強化の場合は残像が現れない。
“SHIELD RECOVERY”は、敵からの攻撃を防げるシールドが回復するスピードを早くする。そもそも初期状態でシールドは展開していないのだが、一部の敵を倒した時に出現するアイテムカプセルを拾うと、画面下にあるシールドゲージが僅かに上昇する。これが満タンになると、敵弾を1発だけ防げるシールドが自動で展開される。“SHIELD RECOVERY”を強化すると、シールドゲージが徐々に回復するようになる。
“OMEGA CRASH”は、上記のシールドにダメージを受けてシールドが解除された際、自機の周りに爆発が発生して周囲の敵にダメージを与えられるというもの。未強化の場合は爆発が発生しない。
これらのアップグレードは、自分の好きに行って構わない。ショットを強化すれば雑魚戦が楽になるし、“SLASH POWER”を強化すればボスなど大型の敵に対して瞬時に大ダメージが狙える。アップグレードで何を選ぶかによって戦い方も変わるので、2周目、3周目は別の楽しみ方ができる。
斬撃ワープの持つ万能感に酔いしれる作品
本作は左から右へ進行する横スクロールが基本だが、ステージによっては上下方向に進むこともあれば、急にスクロール方向が変わることもある。しかし自機のショットの方向は常に左から右で変わらない。ショットが撃てない方向から敵に襲われることもしばしばある。またボスの弱点がショットの当たらない位置にあることも多い。
これはもちろん、ワープの斬撃を前提にしたデザインだ。壁の裏にいる敵であろうと、ワープの道中にいればダメージを与えられるし、“SHOCKWAVE”を強化していればワープの出現位置の周囲にも攻撃できる。ワープの移動先に安全な場所がなければ、敵に近付いてワープボタンを連打し“SHOCKWAVE”を連発するというテクニックもある。
また本作は、いきなり出現するタイプの敵やトラップが多い。超高速で突進してくる敵や、フィールドからいきなり突き出してくるトラップ、さらにはスクロール方向が急に変わって壁が迫って来たりもする。
こういう時には、すばやく反応してワープボタンを押すのがセオリー。ミスする前にワープボタンさえ押せれば、大抵は何とかなる。危ない時にはワープボタンを押すという癖が付けられれば、生存率はぐっと高くなる。ワープを乱用しすぎて肝心な時に使えないのも困るが、ワープゲージはいくらでも回復するので遠慮は不要だ。
他のシューティングゲームでは、敵弾を消したり無敵化できるボムがよくあるが、本作においてはワープがそれにあたる。敵や敵弾を引き付けておいて、ワープで敵をすり抜けながらまとめて倒していく。ゲージがある限り、何度でも敵の猛攻や凶悪な罠を凌いでしまえる感覚は、敵を一網打尽にした時の爽快感や、弾幕を際どく回避しきった時の達成感とはまた違う、その場を支配しているような万能感がある。
とはいえワープボタンを押すのが遅れる、ワープ先にも敵や障害物があるなどであっさりやられるところもあり、プレイ中の気持ちの上下が激しい。ワープによる静と動から来る緊張感のオンオフが連続する感覚は、今までのシューティングとは異質のものだ。たとえミスしたとしてもすぐリトライできるので不快感も薄いし、難易度も5段階に設定できるので、幅広い人に楽しんでもらえる作品に仕上がっている。
ソフトウェア情報
- 「ZANGEKI WARP」
- 【著作権者】
- ASTRO PORT
- 【対応OS】
- Windows Vista/7/8(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
- 【ソフト種別】
- ダウンロード販売 1,512円(税込み)など(体験版あり)
- 【バージョン】
- -(15/06/13)