やじうまの杜

漢字のスタイルが自由自在? “zi2zi”でニューラルネットワークのスゴさを再認識

「Flipboard」のエンジニアが開発

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“zi2zi”のプロジェクトページ

 以前、ニューラルネットワークを活用した“pix2pix”という手法で手書きネコをリアルネコにしてくれるサービスをこのコーナーでご紹介しましたが、これを応用した新しいプロジェクト“zi2zi”が公開されました。今度は“絵から絵”でなく、“字から字”です。

 “zi2zi”は、さまざまなスタイルの漢字をニューラルネットワークを用いて学習させ、ある漢字を異なるスタイルを持つ同じ漢字へ変換したり、異なるスタイルの漢字を比較して同じものかどうかを判定したりできるようにします。開発者は、「Flipboard」でデータ・検索・機械学習などを担当するソフトウェアエンジニアの方のようです。

漢字の異なるスタイルへの遷移をアニメーションさせたデモンストレーション

 日本の“かな”や韓国の“ハングル”にも対応できるそう。こうした技術がより一般的で身近なものになれば、「源ノ角ゴシック」「源ノ明朝」や「Noto Sans CJK」「Noto Serif CJK」といったオープンソースのフォントをベースに、自由に太さを変えたり、タッチを変えたりできるようになるのかもしれません。サンプルとなる字をいくつか与えるだけで、似たようなタッチのフォントファイルを生成……なんてことが可能になれば、素人でも簡単にカスタムフォントが作れるようになりそうですね。

 また、年賀状やポスターのデザインツールに組み込んでみても面白そうです。追加のフォントをダウンロードしたり、有償のフォントを購入しなくても、ちょっとパラメーターをいじるだけで好みのスタイルのフォントを使えるようになる……のかもしれません。