Inkscape独習ナビ!特別出張版
無料ドローツールでクマのイラストを描く! 第4回(全5回):パーツをグループ化して操作しよう
シンプルな図形を組み合わせてイラストを作る
2016年11月10日 06:10
この集中連載は、無料で使える人気ベクターグラフィックソフト「Inkscape」の便利さと素晴らしさをより多くの人に知っていただくことを目的に始めました。ステップバイステップで見栄えのする作品を描いているうちに、自然と「Inkscape」の基本が習得できるようになります。具体的には、使いこなし方を解説する書籍『できるクリエイター Inkscape独習ナビ Windows&Mac対応』の入門セクションから抜粋し、再編集した原稿を短期集中連載として、日替わりでみなさまにお届けします。なお、Windowsでの操作を前提に解説していますが、たとえばショートカットキーなどでMacの場合の操作を括弧書きで併記していますので、Macでも同じ要領で読み進められます。
クマのイラストの制作の流れ(全5回)
●サンプルファイルについて
『できるクリエイター Inkscape独習ナビ Windows&Mac対応』の公式サイトを開いて[ダウンロード]項目にある[Dekicre_inkscape.zip]をクリックしてダウンロードし、ファイルを展開しておきましょう。レッスン1で使用するデータは、展開後の[Dekicre_inkscape]-[Lesson]-[Lesson1]-[sozai]フォルダーにあります。なお、ダウンロードしたファイルに含まれているすべてのサンプルファイルは、記事を利用して「Inkscape」の操作を学習する目的以外の用途には、使用することができませんのでご注意ください。
第4回(全5回):パーツをグループ化して操作しよう
矩形ツールや円ツールを組み合わせて足の裏を描き、全体を回転させて傾けます。複数のパーツをまとめて回転するときはグループ化すると便利です。
1. 矩形ツールで角が丸い矩形を描く
足の部分を描きます。目を描いたときと同様に[ものさしツール]でおおよその大きさを測っておきます。
❶[ツールボックス]の[矩形ツール]を選択します。
❷ドラッグして適当な大きさの矩形を描きます。
❸[ツールコントロールバー]で[幅]を「74」、❹[高さ]を「134」、角を丸くするために❺[水平半径]と[垂直半径]をそれぞれ「35」pxに設定します。
❻角が丸い矩形になりました。
パスにしてノードを編集するために、[パス]メニューの[オブジェクトをパスへ]をクリックします。
2. ノードを拡大して形を変える
❶[ノードツール]で上の4つのノードをドラッグして選択します。
❷ [.]キーを15回押して、選択したノードを拡大します。
【ショートカットキー】[選択ノードの拡大]
[.]または[>]
【H i n t】選択ノードの拡大縮小
選択したノードの範囲でオブジェクトを部分的に拡大縮小(外側に広げたり、内側に狭めたり)することができます。縮小する場合は[,]([<])キーを使います。[ツールコントロールバー]の[選択ノードの変形ハンドルを表示]を有効にして、拡大縮小ハンドルをドラッグしても同様に拡大縮小できます。
3. パーツを複製する
足裏の外側を複製して、縮小して内側の部分にします。
[選択ツール]でオブジェクトを選択します。
❶[コマンドバー]の[選択オブジェクトの複製](または[編集]メニューの[複製])をクリックします。
何も変わっていないように見えますが、元のオブジェクトと重なって複製されています。
❷[Shift]+[Ctrl]([control])キーを押したまま、右上の矢印をドラッグしてオブジェクトを縮小します。
[Shift]キーは拡大・縮小の中心をオブジェクト中央にするために、[Ctrl]([control])キーは縦横比を維持するために使用します。
❸[Ctrl]([control])キーを押したまま、オブジェクトをまっすぐ下にドラッグします。
4. 正円を追加して足裏全体を作る
足裏の円の部分を作ります。
❶[円/弧ツール]で[Ctrl]([control])キーを押したまま斜め45°方向にドラッグして、適当な大きさの正円を描きます。
[Ctrl]([control])キーを使うことで縦横比が固定され、45°方向にドラッグすることで比率を1:1にして、正円を描くことができます。
❷[コマンドバー]の[選択オブジェクトの複製]をクリックして円を2つ複製し、[選択ツール]で移動して3つの円を配置します。
❸[選択ツール]でドラッグして足のパーツをすべて選択します。
❹[コマンドバー]の[選択オブジェクトをグループ化]をクリックします。
[選択ツール]で足裏の部分を選択して、さらにもう一度クリックして[回転ハンドル]に切り替えます。
❺オブジェクトを回転して、位置を合わせます。
グループ化しているので、足裏だけを簡単に傾けることができます。
【ショートカットキー】[グループ化]
[Ctrl]([control])+[G]
【H i n t】グループ化
グループ化すると複数のオブジェクトを1つのオブジェクトと同じように操作(移動や回転など)できるようになります。意味のあるまとまりごとにグループ化しておくと、選択したり移動したりするときに便利です。[コマンドバー]のボタンの他、[オブジェクト]メニューの[グループ化]をクリックしてもグループ化できます。
グループ化を解除せずにグループ内のオブジェクトを操作したい場合は、[Ctrl]([control])キーを押したまま対象のオブジェクトをクリックします。
また、グループ化したオブジェクトをダブルクリックすると、グループ内に入ることができ、個別のオブジェクトを選択することができます。
次回予告
本記事“第4回:パーツをグループ化して操作しよう”の続きとして、明日は“第5回:フィルとストロークを設定しよう”を掲載しますのでお楽しみに!