新Windows 10が配信中!新機能と改善点をおさらい

第6回

「Creators Update」における「Microsoft Edge」の改善

“タブを閉じて保存”と“タブ プレビュー”が便利。電子書籍の閲覧機能も

「Windows 10 Creators Update」の「Microsoft Edge」

 「Windows 10 Creators Update(バージョン 1703)」の新機能を紹介する本連載。第6回となる今回は、「Microsoft Edge」に施された改善点を紹介する。

 「Windows 10 Creators Update」の「Microsoft Edge」(EdgeHTML 15)はユーザーインターフェイスが改善されたほか、パフォーマンス、バッテリー効率、およびセキュリティの向上が図られた。また、電子書籍リーダー機能の搭載、Web標準APIサポートの拡充といった改善も盛り込まれている。

ユーザーインターフェイスの強化

読みかけの記事を脇に退けておくことのできる“保存して閉じたタブ”
タブの内容をビジュアルに把握できる“タブ プレビュー”

 まず、「Windows 10 Creators Update」の「Microsoft Edge」を起動してまず目につくのが、タブバー左端に追加されている2つのボタンではないだろうか。

 左から2番目の[表示中のタブを保存して閉じる]ボタンをクリックすると、現在表示しているタブをすべて取り除き、サイドバーへストックしておくことが可能。ついつい開きすぎてしまうタブを一掃し、新規タブ画面に戻ることができる。“お気に入り”に追加しておくまでもない、読みかけの記事を一時的に保存しておく用途に便利だ。また、タブの開き過ぎを避けてブラウザーのパフォーマンス低下を防止するのに役立つ。

 “保存して閉じた”タブへアクセスするには、一番左の[保存して閉じたタブ]ボタンをクリックしよう。するとサイドバーが現れ、ストックしておいたタブを開くことができる。グループ単位でまとめて復元できるほか、選択したタブのみを復元することも可能だ。また、不要になったタブをストックから取り除くこともできる。

 さらに、タブバーの[+]ボタンの右側に追加された[タブ プレビューを表示]ボタンを押すとサムネイルバーが開き、開いているタブの内容を一覧することが可能。タブを切り替える際に、内容をビジュアルに確認できるのが便利だ。

バッテリー効率の改善

 また、消費電力削減の取り組みも継続されている。

 たとえば、「Windows 10 Creators Update」の「Microsoft Edge」では、まだ表示されていない“iframe”コンテンツのJavaScriptタイマーを絞ってアニメーションの計算を止めたり、Webページで特定の部分が表示されているかを判定する処理のためにキャッシングや最適化のためのレイヤーを追加することで電力消費を削減している。また、後者の処理は広告などでしばしば必要とされるが、これを効率的に行う仕組みとして、W3Cで標準化されている“Intersection Observer”を導入しているという。

バッテリー効率の改善

 こうした取り組みのおかげで、「Windows 10 Creators Update」の「Microsoft Edge」の消費電力は、「Google Chrome」と比べて最大31%、「Firefox」と比べて最大44%少なくなっているとのこと。

 さらに「Creators Update」の「Microsoft Edge」では「Adobe Flash Player」プラグインのブロック機能が搭載された。FlashはHTML5よりもパフォーマンスとバッテリー消費の点で劣り、今ではその機能の多くをHTML5で代替できるためだ。

電子書籍の閲覧

 「Windows 10 Creators Update」では、一部地域で“ストア”を介した電子書籍の販売が開始され、購入したEPUB形式の電子書籍を「Microsoft Edge」で閲覧できるようになった。残念ながら日本はその対象地域に含まれていないが、EPUB形式の電子書籍を閲覧することは可能だ。

EPUB形式の電子書籍を閲覧
テキストの読み上げ機能も搭載

 「Microsoft Edge」の電子書籍閲覧機能は、テキストの読み上げ機能も搭載しており、EPUBビューワー画面上端のツールバーにある[音声で読み上げる]ボタンを押すと、当該部分をハイライトしながら合成音声で内容を読み上げてくれる。

拡張機能とWeb標準APIサポートの拡充

 「Microsoft Edge」の拡張機能はまだ数が少なく、他のWebブラウザーと比べると物足りなさを禁じ得ない。しかし、パートナーと密接に協力しながらAPIの拡充や開発ツールの改善を進めており、そのラインナップを拡充させつつある。

 そのほかにも、次期「Microsoft Edge」ではオンラインショッピングをより簡単にする“Payment Request API”や、Webブラウザーで仮想現実・複合現実デバイスを扱うための“WebVR”がサポートされた。

おまけ:「Internet Explorer」の強化

「Windows 10 Creators Update」の「Internet Explorer 11」

 一方、「Internet Explorer 11」でも、わずかながら機能の追加が行われている。

 まず、タブバーの右端に[Microsoft Edge を開く]ボタンが追加された。このボタンを押すと、「Microsoft Edge」の“スタート ページ”へアクセスすることが可能。また、「Microsoft Edge」と同じ新規タブページが「Internet Explorer 11」でも利用できるようになった。

不要な場合は「インターネット オプション」で無効化できる

 なお、これらの機能が不要な場合は「インターネット オプション」で無効化できる。