新Windows 10が配信中!新機能と改善点をおさらい

第5回

UWPとセキュリティ ~“Windows Update”の強制再起動におさらば!

標準アプリの“ミニ ビュー”、「Windows Defender セキュリティ センター」にも注目

「Windows 10 Creators Update(バージョン 1703)」

 「Windows 10 Creators Update(バージョン 1703)」の新機能を紹介する本特集。第5回となる今回は、“ユニバーサル Windows プラットフォーム(UWP)”の強化を紹介する。また、セキュリティ機能の強化とアップデートプロセスの改善についても触れる。

“ユニバーサル Windows プラットフォーム(UWP)”の強化でアプリも使いやすく

 「Creators Update」では、“ユニバーサル Windows プラットフォーム(UWP)”の機能も強化された。

 たとえば、「Creators Update」では“コンパクトオーバーレイ(Compact Overlay)ウィンドウ”という仕組みがサポートされる。これはテレビの ピクチャーインピクチャー(PiP)表示のように、デスクトップの隅に小さなビデオウィンドウを最前面表示する機能で、他の作業をしながらビデオやチャットを楽しめて便利だ。

「映画 & テレビ」の“ミニ ビュー”
「Skype」の“ミニ ビュー”

 すでに「映画 & テレビ」や「Skype」などのアプリで“ミニ ビュー”として採用されているほか、「VLC」などのサードパーティー製アプリでも採用される見込み。

 こうした機能をサポートするデスクトップアプリはけっして珍しいわけではないが、“UWP”でサポートされたことの意義は小さくない。たとえば、もしデスクトップアプリが動作しないARM版「Windows 10」がリリースされても、“ミニ ビュー”に対応したUWPが代わりに利用できる可能性がある。

「映画 & テレビ」の360度ビデオ機能

 そのほかにも、「Creators Update」でしか利用できない機能としては、Windows 10版「OneNote」アプリのスクリーンショット機能や、「映画 & テレビ」の360度ビデオ機能などが挙げられる。

 こうしたUWPアプリの新機能の恩恵を受けたい場合は、「Creators Update」へのアップデートをお勧めする。

「Windows Defender セキュリティ センター」にセキュリティ設定を集約

 さて、「Creators Update 」ではセキュリティ関連の改善も多数盛り込まれている。

「Windows Defender セキュリティ センター」

 まず、「Windows Defender セキュリティ センター」が搭載され、ウイルスチェック、デバイスのパフォーマンス、ファイヤーウォール、スマートスクリーン(SmartScreen)フィルターの設定、ペアレンタルコントロールなどを一元管理できるようになった。

 「Windows Defender セキュリティ センター」は、「設定」アプリの[更新とセキュリティ]-[Windows Defender]セクションや、タスクトレイアイコンの右クリックメニューなどからアクセス可能だ。

改善された“Windows Update”

 セキュリティの基本は、OSやアプリを常に最新の状態に保つことにある。「Windows 10」では月に1回セキュリティ更新プログラムが配布されるが、これを完全に適用するにはOSの再起動が必要となる。

 しかし、従来の「Windows 10」はこの再起動を徹底しようとするあまり、作業中にもかかわらずPCを“強制的に”再起動してしまうことがあり、ユーザーの不評を買っていた。

 そこでMicrosoftは「Creators Update」でOSのアップデートプロセスをいくつか改善している。

アクティブ時間で再起動を防止

 まず、“アクティブ時間”として設定できる時間が、18時間にまで拡張された。

 “アクティブ時間”とは、ユーザーがOSを使用する時間帯を「Windows 10」に教えておく機能だ。この“アクティブ時間”の間は“Windows Update”によるOSの再起動が行われないので、まずこれを設定しておこう。

“アクティブ時間”として設定できる時間が、18時間にまで拡張

再起動の前に通知を行う設定が追加

再起動の前に通知を行う設定が追加

 しかし、ユーザーは常に“アクティブ時間”の間だけPCを使うわけではない。ときには“アクティブ時間”を超えてPCを使い続けることもあるだろう。

 そこで、再起動の前に通知を行う設定が追加された。このオプションは初期状態で無効化されているので、“Windows Update”が勝手にOSを再起動させるのが気に入らないユーザーはぜひ有効化しておこう。折悪しく離席中にOSが再起動されて、作業内容を失うといった悲劇を避けることができる。

更新の一時停止

更新の一時停止

 さらに、“Professional”以上のエディションでは、PCの更新を一時的に停止する機能が追加された。この機能を有効化すると、アップデートの適用を最大で35日間引き伸ばすことが可能だ。

そのほかに注目機能

 そのほかにも、いくつかの注目すべき機能が追加されている。

 1つ目は、スマートフォンを持って離席するとPCを自動でロックしてくれる“動的ロック(Dynamic Lock)”機能だ。Bluetoothで接続されたスマートフォンを持って、通信範囲内へ出てから1分程度たつと、PCがロックされる仕組みになっており、PCへスマートフォンを繋げた状態で「設定」アプリの[アカウント]-[サインイン オプション]セクションを開くと有効化できる。

 2つ目は、“ストア”から入手したアプリしかインストールできないようにする機能だ。この機能は「設定」アプリの[アプリ]-[アプリと機能]セクションで有効化することが可能。PCに不慣れな家族が不審なアプリをインストールしてしまうのを防止したいといった時に役立つだろう。

“動的ロック(Dynamic Lock)”機能
“ストア”から入手したアプリしかインストールできないようにする機能