特集

Windows 7を当面使い続けるつもりの人は注目!
Windows 10の“無償アップグレード権”だけを確保できる方法 

いったんアップグレードしてしまえばロールバックは15分ほどで完了

Windows 10の無償アップグレードキャンペーンも、残すところ1カ月半!

 Windows 10の無償アップグレードキャンペーンも、残すところ1カ月半となった。これを逃してしまうと有償でのアップグレードとなるが、これまでのように割安の“アップグレード版”は提供されないとのことで、通常価格のパッケージ版やダウンロード版を買う必要があるという。当面はWindows 7を使い続ける必要があるが、いずれはWindows 10をと考えているユーザーにとっては痛い出費となりそうだ。

 しかし、これまで通りWindows 7を使い続けながら、キャンペーン期間が終了した後も無償でWindows 10へアップグレードする方法が1つある。一度Windows 10へアップグレードした後で、すぐにWindows 7へ戻してしまうというやり方だ。

 というのも、Microsoftによるとキャンペーン期間内に一度でもアップグレードを完了したPCにはWindows 10のライセンスが発行され、元の環境に戻した後でも再び無償でWindows 10へアップグレードできるようになるのだという。つまり、“無償アップグレード権”を手に入れられるというわけだ。

 そこで本稿では“無償アップグレード権”を手に入れるための方法を解説する。実際に古いWindows 7搭載PCを用意し、Windows 10へのアップグレードとロールバックを試してみたので、参考にしていただければ幸いだ。

今回用意したPC

富士通“LIFEBOOK AH570/5BM”

 今回用意したWindows 7搭載PCは、富士通の“LIFEBOOK AH570/5BM”。3D立体視に対応する据え置きタイプのノートPCだ。2010年11月発売なので、約6年前のPCということになる。

 主なスペックは以下の通り。

  • CPU:Intel Core i5-560M(2.66 GHz)
  • グラフィックス:CPU内蔵
  • メモリ:DDR3 SDRAM 4GB
  • ストレージ:750GB HDD
  • 光学ドライブ:Blu-rayドライブ
  • OS:Windows 7 Home Premium 32bit版(リカバリにより64bit版に変更済み)

 最近のモデルと比べると見劣りするとはいえ、問題なく動いているならば捨てるには惜しいスペックだ。

互換性チェックは問題なし

 Windows 7が動作するPCであれば、基本的にWindows 10も問題なくインストールできる。試しに「Windows 10 を入手」アプリでWindows 10との互換性をチェックしてみたところ、ハードウェア要件、アプリケーションの互換性ともに問題はなかった。

「Windows 10 を入手」を利用したアップデートを試みる

 それではさっそくWindows 10へのアップグレードを行おう。「Windows 10 を入手」アプリからアップグレードを行うのが簡単だ。[今すぐアップグレード]ボタンを押して、セットアップを開始しよう。

[今すぐアップグレード]ボタンを押して、セットアップを開始
Windows 10のダウンロードは20分ほどで完了

 Windows 10のダウンロードは20分ほどで完了(回線速度は40Mbpsほど)。続いて30分ほどインストールの準備フェーズが続き、やがてライセンス条項への同意画面が現れる。ここで[同意する]ボタンを押すと、アップグレードをスケジュールするか、今すぐアップグレードするかを選ぶ画面が現れるので、[今すぐアップグレードを開始]ボタンを選択。するとPCが再起動され、Windows 10へのアップグレードが始まる。

30分ほどインストールの準備フェーズが続く
[今すぐアップグレードを開始]ボタンを選択するとPCが再起動され、Windows 10へのアップグレードが始まる
アップデートは失敗。表示されるエラーコードはトラブルシューティングの手掛かりになるのでメモしておこう

 しかし残念ながら、そこから先へ進むことはできなかった。Windows 10のロゴが表示された状態で、反応がなくなってしまう。30分経過したところであきらめ、電源ボタンを長押ししてPCをシャットダウンしたところ、元のWindows 7が起動した。

 プリインストールされているアンチウイルスソフトが問題を引き起こしているのではないかと疑い、アンインストールしてからアップグレードを試しても、状況は変わらず。3回ほど試したところで、この方法をあきらめることにした。

「メディア作成ツール」を利用したアップデートを試みる

「メディア作成ツール」

 さて、Windows 10へのアップグレードはなにも「Windows 10 を入手」アプリから行わなくてはならないわけではない。「メディア作成ツール」を利用してインストールメディアを作成し、アップグレードを行うこともできる。

 今回は「メディア作成ツール」でWindows 10をインストールするためのUSBメモリを作成し、アップデートを試みた。

「メディア作成ツール」を使ったアップグレードも失敗

 残念ながら、この方法でもWindows 10へアップグレードすることはできなかった。そこで、“0xC1900101-0x20017”というエラーコードを手掛かりに回避策を探してみることにした。

 すると、“マイクロソフト コミュニティ”で以下のようなスレッドを発見した。

 非常に多くの書き込みがなされているが、どうやら“レガシー USB サポート”が有効であるようだ。幸い、この機種ではBIOSで“レガシー USB サポート”のON/OFFを切り替えられるので、無効化してアップグレードを試みた。

BIOSで“レガシー USB サポート”を無効化
「Windows 10 を入手」アプリによるアップグレード処理が成功
アップグレード処理は1時間ほどで終了。“デジタル権利付与”によるライセンスが取得された

 すると、「メディア作成ツール」で作成したUSBメモリによるインストールは再び失敗したものの、USBメモリを利用しない「Windows 10 を入手」アプリではWindows 10のアップグレード処理を進めることができた。

 アップグレード処理は1時間ほどで終了した。ライセンス認証画面を見てみると“デジタル権利付与によってライセンス認証されています”と表示されており、無事ライセンスが発行されていることがわかる。

 ちなみに“デジタル権利付与”とはWindows 10における新しいライセンス認証方式。デバイスを一度でもWindows 10へアップグレードすると、Windows 10のライセンスをもつデバイスとしてMicrosoftのサーバーへ登録される仕組みとなっており、従来のようにわざわざプロダクトキーを入力する必要がなくなる。また、一度Windows 7へ戻して再びWindows 10へアップグレードする際も、すでに“デジタル権利付与”されていれば新たにライセンスを購入する必要がない。

 ただし、重要なパーツを取り換えるなどしてハードウェア構成が大きく変化した場合は、異なるデバイスとして認識され、ライセンスを失ってしまうことがあるようだ。この場合は、サポートに連絡して個別に対応してもらうことになる。

1カ月以内であればロールバックが可能

1カ月以内であればロールバックが可能

 さて、意外なところで躓いたが、無事に機材をWindows 10へアップグレードすることができた。3D立体視機能などの少し特殊な機能はともかく、基本的な操作には問題はない。あとはWindows 7へロールバックを行えば、今回のミッションは完了だ。

 Windows 7へのロールバックを行うには、まず[設定」アプリの[更新とセキュリティ]を選択する。次に[回復]欄にある“Windows 7 に戻す”を利用すれば、あとは案内に従って操作するだけでロールバックが行える。

ロールバック処理は15分ほどで終了。元のWindows 7環境を取り戻せた

 散々苦労したアップグレード処理とはうって変わり、ロールバック処理は15分ほどで終わった。タスクバーにピン留めされていた「Internet Explorer」と「エクスプローラー」のアイコンが利用できなくなった以外は、特に不具合はなかった。手動でピン留めしなおせば直るので、たいした問題ではないだろう。

まとめ

 今回は“レガシー USB サポート”が原因でアップグレードに躓いたが、筆者が手持ちの“Surface 3”“Surface Pro 3”“MacBook(「Boot Camp」でWindows 8.1をインストールした環境)”および自作のデスクトップPCでWindows 10へのアップグレードを試したところ、不具合なくアップグレードを完了させることができた。「Windows 10 を入手」アプリの互換性のチェックをパスした最近のPCならば、ほぼ問題なくアップグレードが可能といえるだろう。

 今回用意した機材では、それぞれの処理に以下の時間がかかった。

  • ダウンロード:20分(バックグラウンドで行われている場合は無視できる)
  • アップグレードの準備:30分
  • アップグレード(OSの再起動を含む):1時間
  • ロールバック:15分

 途中で問題さえ起らなければ、2時間ほどもあればアップグレードとロールバックを完了させることができるだろう。これでWindows 10への無償アップグレード権を手に入れられるのならばまずまずの効率といえる。

 ただし、今回のように問題が発生しないとも限らない。トラブルシューティングに時間を取られて無償アップグレードを逃すことのないよう、余裕をもってアップグレードを試みるべきだろう。

 最後に、アップグレードをスムーズに行うために注意しておきたい点を挙げておこう。

  • “レガシー USB サポート”はBIOSで無効化しておく
  • 周辺機器はすべて外した状態でアップグレードを行う
  • ダウンロードファイルのサイズが巨大なので、モバイル回線でのアップグレードは厳禁。回線が込んでいない時間帯を選ぶか、スケジュールアップグレード機能などを活用してPCを利用しない時間にアップデートを済ませておくのがよい
  • アップグレードに失敗しても元の環境が破壊されることはまずないが、念のためバックアップを取っておく

 もしメーカーでWindows 10へのアップグレードに関する情報が公開されている場合は、それに目を通しておけば万全だろう。BIOSやドライバーのアップデートが提供されている場合はそれを適用しておくとよい。