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無償の動画編集アプリ「Clipchamp」にAIアップスケール機能が追加、低解像度動画を最大4Kに ~処理は手元のPCで完結

「Copilot+ PC」ではNPUを活用

「Clipchamp」に表示された動画アップスケール機能の案内

 Microsoftが無償提供する動画編集アプリ「Microsoft Clipchamp」には、AIを活用した動画のアップスケール機能が搭載されているとのこと。米国時間9月21日付けの公式ブログ記事で紹介されている。低解像度の映像を、最大4Kまで引き上げてより鮮明に見せられる。

 この機能はWindowsで動画の超解像(Video Super Resolution)を実現するAPI「VideoScaler」(Microsoft.Windows.AI.Video)を活用しており、 処理はすべて手元のWindowsデバイス上(ローカル)で完結 する。アップスケールのためにクラウドへ動画がアップロードされることはなく、AIプロバイダー(OpenAIやAnthropic、Googleなど)のサブスクリプションや追加クレジットも不要だ。古いスマートフォンで撮った動画などをコストなしで、気軽に高画質化できるのはうれしい。

 さらにAI処理専用のプロセッサー「NPU」を搭載した「Copilot+ PC」(AMD、Intel、Qualcomm)であれば、アップスケールがNPUで効率的に処理される。CPUで処理するよりも消費電力を抑えられるので、バッテリー駆動のノートPCでも臆することなく使える。

 本機能を利用するには動画ファイルを「Clipchamp」で開いてビデオクリップとして追加し、それを選択した状態でウィンドウ右端のバーの[アップスケール]を選ぶ。するとサイドパネルが開くので、[品質]プルダウンメニューで目的の解像度を選び、[アップスケール]を押せばよい。

[品質]からアップスケール後の解像度を選択

 解像度の選択肢は480p、720p、1080p、4Kの4つで、元のクリップより高い解像度だけが候補として表示される。複数のクリップを選んで、まとめて同じ解像度を適用することも可能。処理はキュー(待機列)に入り、1つずつ進められる。アップスケールしたクリップは、ステージ上でプレビューして元の映像と比べられる。気に入らなければ[元の復元]で戻せる。元のソース動画が書き換えられたり、音声が変わったりすることはないという。

 なお、クリップを4Kへアップスケールしても、完成した動画の書き出し解像度は自動で4Kにならない。4Kで保存したい場合は、書き出し時にも4Kを選ぶ必要がある。

 ただし、以下の点には注意したい。

  • AIが補うのはあくまで推定した情報で、元の映像に写っていないものを復元できるわけではない
  • 破損したファイルの修復には利用できない
  • SNSなどへ共有する際は、顔や文字などの重要な部分を共有前にかならず確認する。不自然に補完されていることもある
  • 医療画像や法的・法医学的な証拠、本人確認など、映像の忠実さが求められる用途にアップスケールした動画を使わない

 また、「Clipchamp」はクロスプラットフォームで利用できるWebベースのアプリだが、動画アップスケールが利用できるのはWindows版「Clipchamp」デスクトップアプリ(個人用アカウントと職場・学校アカウントの両方)だけだ。加えて、対応するWindows 11 PCで、動画アップスケーリングが利用可能になっている必要がある。