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Google、新フロンティアモデル「Gemini 4 Argon」を発表 ~まずはサイバー防衛担当者向けに提供

「GPT-6 Astra」や「Claude Fable 5.1」「Claude Opus 5.5」に匹敵・凌駕する性能

「Gemini 4 Argon」を発表

 米Googleは9月30日(現地時間、以下同)、新しいフロンティアモデル「Gemini 4 Argon」を発表した。複雑で長期にわたるワークフローで深い推論を持続できるよう設計されており、実世界のソフトウェアエンジニアリング、法務や財務といった企業のナレッジワーク、サイバーセキュリティ防衛を主な得意分野に挙げている。

 「Gemini 4 Argon」は現時点でまだ一般公開されておらず、まずは信頼できるサイバーセキュリティ担当者を対象とするプログラム「Fairwind Program」を通じて順次展開が開始された段階だ。開発者や企業、一般ユーザー向けには、有料APIの顧客と「Google AI Ultra」の契約者を皮切りに、できるだけ早く提供したいとしている。

 しかし、Googleの社内ワークフローではすでに利用されており、数千人の社員が専門的なコーディングや深い調査、文章作成での強みを評価しているとのこと。実際、量子コンピューティング研究や大規模な「C/C++」コードベースの「Rust」移行などで成果を上げているという。

 特徴としては、モデルの出力トークン上限が従来の6万4千トークンから100万トークンへ大幅に拡大されており、より長期的で複雑なユースケースに対応できることが挙げられる。十分な余裕をもって深く思考し、1回の処理で数十万トークンを生成できるため、難しい問題を一気に解決するための推論力が得られるという。

 Googleが公表したベンチマークでは、OpenAIの「GPT-6 Astra」やAnthropicの「Claude Fable 5.1」「Claude Opus 5.5」を多くの項目で上回っている。

主要ベンチマークの結果(Googleの発表より、以下同)
「DeepSWE v1.1」の結果

 また、「Gemini 4 Argon」はサイバーセキュリティ防衛において極めて高い能力を発揮するようトレーニングされており、ソフトウェアの脆弱性を自律的に発見・検証し、パッチを適用できるとのこと。セキュリティ脆弱性の修復能力を測る「CWE-bench v1」では68%を記録しており、「Grok 4.7」「GPT-6 Astra」と並んで首位タイだ。

「CWE-bench v1」のリーダーボード

 脆弱性の発見においても、既存の専門モデル「Gemini 3.8 Flash Cyber」から大きく能力が向上。Googleの社内総合脆弱性ベンチマークでは20種類のプログラミング言語にまたがる複雑なコードベースで85.8%(「Gemini 3.8 Flash Cyber」は71.0%)、ソースコードなしでライブのWebシステムを攻略する「Wiz」のブラックボックスペネトレーションテストでは70.9%(同58.2%)を記録した。

脆弱性の発見に関するベンチマーク結果(Googleの発表より)

 一方で、あまりにも強力なことから、「Gemini 4 Argon」にはさまざまなセーフガードが設けられる予定だ。一般展開の前に、とくに以下の4つの領域でセーフガードの強化が継続される。

  • 悪用に対する防御:サイバー攻撃や化学・生物・放射性物質・核(CBRN)攻撃への悪用を防ぐため、正当な用途の科学研究は保護しつつ有害なリクエストを拒否するよう設計。モデルの内部アクティベーションを監視して悪用を検知する技術なども強化している
  • プロンプトインジェクションへの防御:悪意ある指示で挙動を乗っ取る間接的プロンプトインジェクションへの耐性は、同社のモデルでもっとも高いとのこと。「Gray Swan」の「Indirect Prompt Injection」(IPI)ベンチマークでトップに立った
  • アライメントの不一致のモニタリング:「Argon」の思考プロセスとアクションを監視し、ユーザーの意図を逸脱した動作があれば実行を停止する仕組みを導入
  • システムのハードニング:高リスクなトレーニングや評価を始める前に、サンドボックス環境を隔離・密閉して堅牢性を高めている
攻撃の成功率を測る「Gray Swan」IPIベンチマークの結果(低いほど良い)。15回試行したときの成功率は「Gemini 4 Argon」が0.7%。比較対象のうち、「Claude Opus 5.5」「Claude Fable 5.1」は1.0%、「GPT-6 Astra」は8.5%だった

 価格は入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり10ドル(導入価格)。キャッシュされた入力トークンは入力価格の95%オフになる。