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Google、「Gemini 3.8 Flash」を発表 ~6週間で3度目の「Flash」モデルリリース

価格は据え置きで推論とコーディングを強化。セキュリティ特化の「3.8 Flash Cyber」も

「Gemini 3.8 Flash」「Gemini 3.8 Flash Cyber」を発表

 米Googleは9月2日(現地時間)、「Gemini 3.8 Flash」「Gemini 3.8 Flash Cyber」を発表した。3週間前に公開された「3.7 Flash」に続くモデルで、「Flash」モデルのリリースは6週間で3度目となる。

 「3.8 Flash」は「3.7 Flash」の速度と価格はそのまま、同社史上もっとも優れた推論・コーディング性能を実現したモデルだ。「3.8 Flash Cyber」はそれをセキュリティに特化させたものだが、一般ユーザー向けには提供されない。

  • Gemini 3.8 Flash:同社史上もっとも賢い“ワークホース”(実務用)モデル。ソフトウェアエンジニアリング、エージェント的なタスク、専門分野における多段階の推論で「3.7 Flash」から大きく向上した
  • Gemini 3.8 Flash Cyber:脆弱性の検出と自動修正でフロンティア級の性能を備えるサイバーセキュリティ特化モデル。新設の「Fairwind Program」を通じ、信頼できる防御側にのみ提供される。社内でも活用されており、「Google Chrome」のセキュリティチームによる検証では、はるかに規模の大きい最良の商用モデルと比べ、正しいパッチを2.6倍多く生成できたという

 両モデルは同じ基盤となる知能を共有しており、長時間動作するエージェントループでモデルを再帰的に評価・改良することで、さらに性能を高めているという。コーディングと推論の大幅な向上をもたらした工夫のなかには、要求水準の高いサイバーセキュリティ領域での厳しい訓練も含まれるとのこと。ベンチマークでは「3.7 Flash」を軒並み上回り、より高価なフロンティアモデルに迫る結果を示している。

「Gemini 3.8 Flash」と競合モデルの価格・ベンチマーク比較
「DeepSWE v1.1」の精度対コスト。右上にあるほど低コストで高精度
「Vals Finance Agent v2」では比較したモデル中で最高

 こうした性能向上の背景には、複雑な問題にあたると“より念入りに”推論やツール呼び出しを繰り返し、精度を高める設計がある。一方で、とくにエフォート(推論にかける手間)を高く設定した場合には、より多くのトークンを消費することがある。

 計算効率を最優先したい場合は、エフォートを低く設定してトークンの消費を抑えるか、効率重視のワークロード向けとして引き続きサポートされる「3.7 Flash」を選ぶとよい。

 安全面では、プロンプトインジェクションへの耐性も高められた。「Gray Swan」のベンチマークで測った攻撃成功率は「3.8 Flash」が5.5%で、「3.7 Flash」の9.2%から改善している。「3.8 Flash Cyber」も6.0%にとどまる。

「Gray Swan」のプロンプトインジェクション耐性ベンチマーク。攻撃成功率が低いほど優秀

 なお、「3.8 Flash」の有料APIの価格は「3.7 Flash」と同じく、100万トークンあたり入力0.75米ドル、出力3.75米ドル。ただしこれは2026年12月31日までの導入価格で、2027年1月1日以降は入力1.50米ドル、出力7.50米ドルとなる。

 提供はすでに始まっており、開発者・企業向けサービスのほか、コンシューマー製品にも導入されている。

  • 開発者向け:「Google Antigravity」でエージェント中心のワークフローを試せるほか、「Google AI Studio」「Android Studio」経由の「Gemini API」でも利用可能。UIの生成には「Stitch」も使える
  • 企業向け:「Gemini Enterprise」
  • 一般ユーザー向け:「Google AI Pro」「Ultra」の加入者に対し、「Gemini」アプリ、「Google 検索」のAIモード、「Google スプレッドシート」の「Gemini」で提供