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ゲームのGPUクラッシュ解析を統一する「DirectX Dump Files」が製品版ゲームに対応

AMD、Intel、NVIDIA、Qualcommと共同開発

「PIX」でベンダーごとのダンプファイルを開いたところ(Intelは近日対応予定)

 米Microsoftは10月28日(現地時間)、「DirectX Dump Files」を製品版(リテール)のゲームで利用できるようにしたと発表した。「Agility SDK 1.620」と「PIX 2610.28」以降を用いれば、デバイス――エンドユーザーのPCでも、開発デバイスでも――で発生したGPUのクラッシュを記録し、ハードウェアベンダーを問わず一貫した手順で「PIX」を使って調査できる。

 「DirectX Dump Files」は、GPUの処理が進まなくなり、WindowsがGPUをリセットする前に「DirectX」がダンプファイルを統一して生成する仕組み。このダンプファイルにはゲームがクラッシュした時点のGPUの状態が反映されており、「Direct3D」ランタイムの状態やゲーム独自のデータ(最大2MBまで)が含まれ、対応ドライバーではハードウェアの状態やドライバーのデータも取得できる。

 OSだけ、「Direct3D」だけ、ハードウェアだけ、ゲームだけのダンプファイルではなく、それらをひとまとめに統合しているのが特徴で、AMD、Intel、NVIDIA、Qualcommといったベンダーと緊密に協力して開発されたという。

 ダンプファイルは、クラッシュが発生した環境でなくても、任意のPCの「PIX」で開くことが可能。各ベンダーのデータは、ハードウェアパートナーが提供するプラグインで解読される仕組みだ。「PIX」はハングの種類を特定し、関係するシェーダーやリソースを示してくれるため、原因を素早く突き止められる。

GPUのクラッシュから「PIX」での解析までの流れ

 6月に公開されたパブリックプレビューからのおもな変更点は、以下のとおり。

  • 製品版に対応:「Agility SDK 1.620」で、出荷するゲームに組み込めるように。開発者モードは不要
  • ファイル形式の確定:拡張子が「.dxdmp」に(プレビューでは「.dxdmp_preview」)
  • 製品版向けの既定値:プレイヤーに影響しない[NO_OVERHEAD]オプションが既定で有効。ゲーム側で保持・アップロードしない限り、プレイヤーのPCにダンプファイルは残らない
  • 対応ハードウェアの拡大:ドライバーによるダンプファイルへの対応が、各ハードウェアパートナーで展開中
  • PIXマーカー:[Retail PIX Markers]を有効にすると、ダンプファイルにPIXマーカーが含まれる
  • PIX 2610.28:ハングの分類機能や、原因の特定に役立つシェーダー・リソースの表示に対応。「PIX API」も一般提供に

 なお、ダンプファイルの生成には以下の環境が必要。

  • Windows 11 バージョン 24H2/25H2(ビルド 26100.8524/26200.8524以降)
  • 「Agility SDK 1.620」以降

 GPUドライバーに要件はなく、「DirectX Dump Files」に対応したドライバーであればハードウェアの状態やドライバーのデータを取得できる。

 ドライバーの対応状況は、以下の通り。

  • AMD:「Radeon RX 9000」「Radeon RX 7000」シリーズ。[MEDIUM_OVERHEAD][HIGH_OVERHEAD]に対応
  • NVIDIA:Turing以降のGPU(R620以降のドライバー)。[NO_OVERHEAD][MEDIUM_OVERHEAD][HIGH_OVERHEAD]に対応
  • Intel:近日対応予定
  • Qualcomm:「Snapdragon X2」プラットフォームが対象。オーバーヘッドオプションやプラグインは近日対応予定

 また、「PIX 2610.28」には「DxDmp」コマンドラインツールと、AIを活用した解析のためのMCPサーバーも含まれる。

 なお、現時点では、タイムアウト検出と回復(TDR)によるGPUリセットが対象。ソフトウェア側でデバイスが削除された場合のダンプ生成には、まだ対応していない。