NEWS(10/06/10 17:14)

世界標準が期待される数式用フォント「STIX Fonts」

マークアップ言語“MathML”などで利用可能

Mozillaが公開している“MathML”のデモページMozillaが公開している“MathML”のデモページ

 アメリカ物理学協会、アメリカ化学会、アメリカ数学会、アメリカ電気電子学会(IEEE)、アメリカ物理学会のほか、出版社のエルゼビアが参加する団体“STI Pub Companies”は5月28日、マークアップ言語“MathML”などで利用可能な数式用フォント「STIX Fonts」を公開した。Windowsなどに対応するフリーのOpenTypeフォントで、同団体のWebサイトからダウンロードできる。

 もはやインターネット上で実現できないものはないと言えるほど、Web技術の進化は目覚しいが、数式表現に関しては意外にもまだ整っていない。数式をWebページ上へ直接記述できる、“MathML”という規格が10年以上も前から存在するが、対応するWebブラウザーが限られるといった理由で、一般にはほとんど普及していないのが現状だ。

 ところが次世代HTML“HTML5”の登場で、“MathML”の価値が見直されるかもしれない。そもそも“MathML”はXMLベースの技術であるため、XHTML文書内でしか利用できなかったが、“HTML5”ではHTML文書内でも“MathML”を利用できるようになる。また、「Internet Explorer」「Firefox」「Google Chrome」をはじめとする主要なWebブラウザーは“HTML5”への対応が進んでいるので、“MathML”を利用できる環境が大幅に広がると予想される。

 “MathML”の数式を表示するには、対応するWebブラウザーに加えて専用フォントも必要であり、その1つが今回公開された「STIX Fonts」というわけだ。本フォントは“MathML”だけでなく、さまざまなアプリケーションでの利用を想定しており、2010年末に公開予定のv1.1では「Microsoft Office」、2011年公開予定のv1.2では組版システム“LaTeX”に対応する予定とのこと。

【著作権者】
STI Pub Companies
【対応OS】
Windowsなど
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0(10/05/28)

(中井 浩晶)