REVIEW（12/03/14）

　「Express Invoice」は、見積書の作成から入金までの一連の作業を管理できるソフト。Windows XP/Server 2003/Vista/Server 2008/7などに対応しており、家庭内または従業員5人以下のビジネスで利用する場合のみ無償で利用可能。現在、作者のWebサイトからダウンロードできる。

　作成した見積書や注文書の情報から請求書を作成できるほか、請求書の情報をもとにした入金や在庫の管理も可能。また、Webブラウザーから請求書などを編集できる簡易サーバー機能も備えている。なお、本ソフトは海外製だが、ユーザーインターフェイスやヘルプが日本語化されているため、操作に困ることはないだろう。

　メイン画面は2ペイン型で右ペインによく使われる機能、左ペインには作業別に分類された詳細な機能が並んでいる。両ペインともに機能をクリックすると別ウィンドウが開き、それぞれの操作が行える仕組み。

　利用するには、まずオプションダイアログで各種書類に自動で記載する自社の情報の設定を行おう。自社の情報は［一般］タブで行え、ロゴ画像を指定しておけば各種書類にロゴを付加することも可能。なお、標準で入金方法欄に入力されているカンマ区切りであるべきデータが、句点で区切られてしまっている。そのままでは入金方法を正しく選択できないため、カンマ区切りに直しておこう。また、商品の代金に加算される消費税など税金の設定も［税金］タブで行っておくとよいだろう。

　請求書などの書類には、請求先や品目、詳細な品目、単価、数量といった情報のほか、送付方法や送料、支払い条件といった情報を入力可能。入力した書類は、保存して印刷するほか、PDFファイルに変換してメール送信したり、対応するFAX送信サービスを使ってFAX送信できる。

　また、請求先や品目、詳細な品目、単価は入力すると自動で“得意先台帳”や“商品台帳”に登録され、次回からはプルダウンメニューから選択するだけで入力できるようになる。さらに、“得意先台帳”や“商品台帳”へあらかじめ情報を登録しておくことも可能。

　“商品台帳”に登録された情報は書類作成ウィンドウのプルダウンメニューから呼び出せる。さらに、在庫の情報を登録でき、請求書を発行すると自動で在庫数の情報が更新されるため、在庫管理にも利用可能。

　入金処理ウィンドウでは、“得意先”欄で請求先を選択するとその請求先の未払い金額の合計が入金の金額欄に入力された状態になり、その請求先へ発行した未払いの請求書が一覧表示される。未払い金が一括で入金された場合はそのまま登録すればすべての請求書が入金済みと処理される。個別の請求に対して入金があった場合は、入金された金額を入力し、請求書一覧に記載された“請求書番号”を“参照番号欄”へ入力すれば個別の請求書に対する支払いとして入金を処理できる。

　そのほか、未回収売掛金や請求書一覧、営業担当者や品目ごとの売り上げ、指定請求先へ販売された品目の一覧などを表示することも可能。

　簡易サーバー機能を利用するには、まずオプションダイアログの［ウェブアカウント］タブで利用するユーザーのアカウントを作成する。次に、［ウェブアクセス］タブで［開始］ボタンを押せば、サーバーを起動できる。

　簡易サーバー機能へアクセスするには、オプションダイアログの［ウェブアクセス］タブに表示されたURLをユーザーに伝え、Webブラウザーから登録したアカウントでログインしてもらえばよい。簡易サーバー機能によるWebサイトからは、本ソフトで作成した請求書などを編集できるほか、各種書類を新規作成できるなど、本ソフトでできるほとんどの作業をWebブラウザー上で行える。さらに、請求書の情報から作成した梱包明細書をPDFファイルとしてダウンロードすることも可能。