Book Watch/著者は語る
マイナンバー制度で副業は会社にバレない? お金を賢く増やすための素朴なギモンにお答えします
『いますぐはじめて一生役立つ お金の教科書』の著者、横山光昭氏
2017年6月30日 06:00
お金にまつわる悩みは何年経っても消えないばかりか、年々膨らんでくる場合も。そこで、7月3日に発売するムック『いますぐはじめて一生役立つ お金の教科書』を監修した横山光昭氏が、知っておきたい節税や受給の方法など、お金の疑問についてわかりやすく回答します。
Q.マイナンバー制度に変わって副業は会社にバレない?
A.住民税を自分で納付すれば大丈夫です
マイナンバー制度の施行により、「副業が会社に知られてしまうのでは?」という声を耳にするようになりました。結論からいうと、答えはノーです。
副業が知られてしまう可能性があるのは、住民税が会社給与から毎月天引きされる「特別徴収」になっている場合です。その場合、前年の収入に従って決定された住民税額が会社に通知されてしまいます。副業で得た利益が大きい場合は特に、自分で住民税を納付する「普通徴収」を選びましょう。
「給与所得」に対して事業主に「特別徴収」を義務化している自治体が増えてきています。アルバイトなどで本業と同様の「給与所得」になる副業について、「普通徴収」できるかは住んでいる市区町村役所に確認しましょう。
Q.電力自由化って何がお得ですか?
A.100社以上の会社からお得な電気プランが選べます
2016年4月の制度改正によって、発電された電気を変電所と一般家庭の間に介在する電気事業者が、それぞれ電気の小売りをできるようになりました。
新規参入業者は、夜間によく電気を使う人のための料金プランや、一定量までの料金を安くしたプランなど、電気の使い方に合わせた料金プランを用意しています。今の電力会社への解約届出は不要で、工事コストも基本的にはかかりません。手軽に乗り換えを検討できるのもポイントです。
Q.会社員でも確定申告が必要なケースとは?
A.住宅ローンの控除や副業などで収入を得た時に必要です
確定申告に馴染みのない会社員でも、確定申告をしたほうがお得になるケースがあります。年間医療費が10万円以上なら、確定申告をすると所得税から医療費控除を受けることができます。ローンを組んで住宅を購入する人は、確定申告をすることで毎年末の住宅ローン残高の1%が所得税から控除される住宅ローン減税を受けることができます。
ほかにも、寄付や、ワンストップ特例制度を利用せずふるさと納税をした人も、それぞれ控除を受けることができるので、これらの条件に当てはまる人は確定申告をしておいたほうがお得です。確定申告の手続きは税務署窓口で案内してくれるので、ぜひ足を運んでみましょう。なお、NISA など非課税投資の場合、利益が出ても確定申告は不要です。
Q.年金をしっかり受け取る条件は?
A.8月から最低10年以上の納付が受給条件となります
年金の受給資格については、20歳から60歳までの40年間のうち、これまでは最低25年以上は保険料をきっちり払っておく必要がありました。しかし2017年8月からは、保険料納付済期間と保険料免除期間があわせて10年以上あれば、老齢年金を受け取ることができるようになります。
「保険料免除期間」とは、転職などで一時的に保険料の納付が困難な方を対象とした納付猶予や免除、減免制度です。年金事務所や住所地の役場の年金課などで相談しましょう。
また、年金受給のお得なワザとしてぜひ覚えてほしいのが、年金の繰り下げ受給。通常65歳以上からの年金支給を繰り下げることにより、受給をスタートする年齢によって定められた増額率で受給額が増えます。たとえば、5年繰り下げして、70歳から受給をスタートした場合、年42%も増額した年金を受給できるのです。
Q.住宅ローンを軽減できる方法は?
A.マイナス金利の今こそ借り換えを検討しましょう
マイナス金利の今、住宅ローンの借り換えは毎月の固定費を大きく減らす有効な手段です。しかし、借り換えの手続きには手間や時間、司法書士への手数料をはじめとして、少なくない費用がかかってきます。
そこでまず、現在借りている住宅ローンの内容を調べておき、次の3つのポイントをチェックしてみましょう。
- 金利差が0.5%以上
→借り換えて0.5%以上の金利差が出るなら検討の余地有あり! - 残り返済額が1,000万円以上
→残りの返済額が少なすぎると、逆に手数料で損をしてしまうことも - 残りの返済期間が10年以上
→残りの返済期間が長いほど金利差の影響を受けやすい
その結果を踏まえて、経費以上のメリットがありそうならば、住宅ローンの借り換えを検討してもよいでしょう。
書籍『いますぐはじめて一生役立つ お金の教科書』の紹介
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横山光昭
家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。株式会社マイエフピー代表取締役社長。家計の借金・ローンを中心に、盲点を探りながら抜本的解決、確実な再生をめざす。個別の相談・指導では独自の貯金プログラムを生かし、リバウンドのない再生と飛躍を実現し、これまで10,000人以上の赤字家計を再生した。業界でも異端児的活動で、各種メディアへの執筆・講演も多数。著書は50万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計224万部となる。NHK、TBS、フジTVなどへの出演も多数で、雑誌、新聞、ラジオでも活動している。Webサイトの日本経済新聞社などで連載を公開中。全国の読者や依頼者から共感や応援の声が集まる、庶民派ファイナンシャルプランナー。