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「LibreOffice」がメジャーアップデート、非力なデバイスでもサクサク動くv25.8が公開

フリーのオフィス統合環境。「PDF 2.0」出力、「Excel」互換関数の大量導入も

「LibreOffice 25.8」がリリース

 The Document Foundationは8月20日(中央ヨーロッパ時間)、「LibreOffice 25.8」(2025年8月リリース)を発表した。「LibreOffice」には既存機能の改善に注力した安定(Still)版とテクノロジー愛好家やパワーユーザーを対象とした最新(Fresh)版の2つがあるが、「LibreOffice 25.8」は後者の新リリースとなる。

 メジャーバージョンアップとなる「LibreOffice 25.8」では、初回起動時に表示されるウェルカムダイアログが刷新。ツールバーなどのスタイルを選べる[ユーザーインターフェイス]タブと、テーマやアイコンをカスタマイズできる[外観]タブが追加され、初めてのユーザーでもルック&フィールを簡単にカスタマイズできるようになった。

初回起動時に表示されるウェルカムダイアログが刷新

 また、パフォーマンスも改善。アプリの起動から大きなドキュメントのスクロールまで、あらゆる処理が高速化され、性能の低いデバイスでも快適に利用できるようになった。とくにワープロソフト「Writer」と表計算アプリ「Calc」ではファイルを開く速度が30%も改善されているという。メモリ管理も最適化され、仮想デスクトップやシンクライアントでの動作がスムーズになった。

 そのほかにも、「Microsoft Office」との互換性を引き続き改善。「PDF 2.0」形式でエクスポートする機能などが追加された。「Calc」には以下の新関数が導入された。いずれも数年前に「Excel」へ導入されたものだ。

  • CHOOSECOLS
  • CHOOSEROWS
  • DROP
  • EXPAND
  • HSTACK
  • TAKE
  • TEXTAFTER
  • TEXTBEFORE
  • TEXTSPLIT
  • TOCOL
  • TOROW
  • VSTACK
  • WRAPCOLS
  • WRAPROWS

 一方で、Windows 7/8/8.1とx86(32bit)のサポートは打ち切られた。また、「macOS 10.15」への対応は本バージョンが最後となる。

 「LibreOffice」は、クロスプラットフォームで動作するオープンソースのオフィス統合環境。オープンなドキュメント仕様「Open Document Format」(ODF)をサポートするほか、「Microsoft Office」とも高い互換性をもつ。現在、公式サイト「www.libreoffice.org」から無償でダウンロード可能。Windows版はWindows 10以降に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。

 なお、安定性を重視する環境では「LibreOffice 25.2」シリーズの利用がおすすめだ。最新版は7月にリリースされた「LibreOffice 25.2.5」