やじうまの杜

「LibreOffice」で無料のAI画像生成機能が実現! 分散クラスターAI「AI Horde」を活用

有志が制作した拡張機能「AI images for LibreOffice」で利用可能に

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「AI images for LibreOffice」拡張機能

 フリーのオフィス統合環境「LibreOffice」には今のところ人工知能(AI)が含まれていませんが、AIをまったく無視しているわけではありません。「LibreOffice」本体にAIを統合するのではなく、拡張機能としてオプション追加することが推奨されているからです。これはMozillaの「Firefox」とよく似たアプローチですが、いずれの製品も『特定のベンダーにロックインされたくない』というユーザーに支持されていることを思えば、当然の方針だと感じられます。

 とはいえ、どのようにすれば「LibreOffice」拡張機能でAIを活用できるのか、具体的な事例がないと想像がつきにくいですよね。Igor Támara氏が制作した 「AI images for LibreOffice」 は、そのヒントになりそうです。

 「AI images for LibreOffice」は、「AI Horde」を活用した画像生成AIの拡張機能です。「AI Horde」はテキスト生成・画像生成のための分散クラスターをクラウドソーシングで実現する仕組みで、要するに、世界中のボランティアがちょっとずつPC(GPU)リソースの一部を提供する代わりに、参加者が無料でテキスト生成や画像生成が利用できるようになります。画像生成のモデルには「Stable Diffusion」が使えるようですね。

 描いてほしい画像を説明するテキストを入力すると、AIが画像を生成してくれるので、あとはそれをドキュメントやプレゼンテーションに挿入するだけです。

「AI images for LibreOffice」が動作する様子。プロンプト、サイズ、モデルなどを指定すると、AIが画像を生成する

 氏によると、この拡張機能は「GIMP」のプラグインをベースに開発されたとのこと。初めはマクロとして作られ、一週間をかけて「GitHub」にアップロードされましたが、その後、フォーラムユーザーの協力を経て拡張機能にすることができたのだそう。今のところ、ワープロソフト「Writer」とプレゼンテーション「Impress」向けです。

 課題としては、テキストと画像が外部に見られてしまう可能性があること。プライバシー保護を気にする人にとってはローカルでの生成がベスト――インターネット接続も要らなくなります――ですが、コストの関係で今のところ「AI Horde」などを活用するほうが現実的と判断されたようです。

 また、ときどきテキストが「NSFW」(Not Safe For Work:職場ではヤバいヤツ)としてマークされることもあるようです。つまり、そんなつもりはないのにエログロな画像を生成しようとしていると誤判定されるみたいですね。

 そのほかにも、以下がロードマップとして示されています

  • 拡張機能の他言語への翻訳
  • テキストをあらかじめ英語に翻訳するオプション(英語のプロンプトの方が、良い結果が得られるため)
  • 表計算アプリ「Calc」およびドローソフト「Draw」との統合改善
  • 「AI Horde」への最適化

 全部実現されたら、「LibreOffice」に必須の拡張機能になるかも……今後の改善に期待したいですね!