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今年最後(?)のプレビュー版「Windows 11」公開、AIエージェント時代に備えた新機能多数

タスクバーにAIエージェント、エージェントランチャー、ナレーターの改良など

Microsoft、「Windows 11 Insider Preview」Build 26220.7523(KB5070300)をDev/Betaチャネルでリリース

 米Microsoftは12月19日(現地時間)、「Windows 11 Insider Preview」Build 26220.7523(KB5072043)をDev/Betaチャネルでリリースした。米国は休暇シーズンに入るため、これが年内最後のアップデートになると思われる。

 現在、DevチャネルとBetaチャネルには同じ「バージョン 25H2」ビルドが提供されている。いずれはDevチャネルのビルドナンバーがBetaチャネルよりも先行するようになるが、それまではDevチャネルからBetaチャネルへの移動が可能。より安定した開発ビルドへ切り替えたいなら今がチャンスだ。

 本ビルドには、以下の新要素が含まれている。

「Ask Copilot」の商用顧客向けバージョンを展開

 タスクバーの「Windows Search」ボックスと「Copilot」を組み合わせた実験的なユーザーインターフェイス「Ask Copilot in taskbar」が商用の「Microsoft 365 Copilot」ライセンスでも利用可能になった。

タスクバーの「Windows Search」ボックスと「Copilot」を組み合わせた実験的なユーザーインターフェイス「Ask Copilot」

 今後数週間をかけ、まずは米国で展開される。

タスクバーのエージェント管理

 さらに、テクニカルカンファレンス「Ignite 2025」でお披露目されたAIエージェントとタスクバーの統合も、本ビルドより展開される。

 前述の「Ask Copilot」ボックスへタスクバーからアクセスし、たとえばチャットで「@メンション」して調査資料を作成するAIエージェント「Researcher」を呼び出すと、エージェントはあたかも一般のアプリのようにタスクバーにボタンとして追加される。エージェントのタスク進捗は、このタスクボタンから確認できる。完成した調査レポートも、ここからアクセス可能。

タスクバーのエージェント管理

 この機能も今後数週間をかけ、まずは米国で展開される。商用の「Microsoft 365 Copilot」ライセンスが必要だ。

エージェントランチャー

 「エージェントランチャー」(Agent Launchers)は、WindowsアプリがAIエージェントをシステムに登録し、他のアプリからも検出できるようにするフレームワーク。前述の「@メンション」で「Copilot」アプリから「Researcher」エージェントを呼び出すといったことを実現する。

WindowsアプリがAIエージェントをシステムに登録し、他のアプリからも検出できるようにするフレームワーク「エージェントランチャー」

 「Researcher」のほかにも、データ分析エージェント「Analyst」がすでに「エージェントランチャー」への対応を果たしているという。「Microsoft 365 Copilot」以外のAIエージェントも、「エージェントランチャー」に対応すれば同じように連携できるようになるだろう。

「ナレーター」のパーソナライズ

 OS標準のスクリーンリーダー「ナレーター」では、ユーザーインターフェイス(UI)を読み上げる際の挙動を調整できるようになる。変更後の動作をプレビューしたり、既定の設定にリセットするのも簡単に行える。

「ナレーター」では、ユーザーインターフェイス(UI)を読み上げる際の挙動を自然言語で調整できるように

 「Copilot+ PC」デバイスならば自然言語での指定も可能で、たとえば不要な情報(選択状態やコントロールの位置など)を読み上げないように依頼したり、読み上げる順番を変えてもらったりといったカスタマイズが行える。

タッチキーボードの改善

 Windowsデバイスのタッチキーボードには音声入力(ディクテーション)のためのキーが備わっているが、これまでは音声入力を開始すると、マイク入力を待機していることを示すコントロールでキーボード全体が覆われてしまっていた。

 本ビルドではこれが改善され、音声入力キーのアニメーションでマイク入力の待機が表現されるようになった。

タッチキーボードの改善

新しいWindowsウィジェット「Discover」

 [ウィジェット]ボードには、Windowsを使いこなすためのヒントを表示する「Discover」という新しいウィジェットが追加された。このウィジェットはロック画面にも表示可能

新しいWindowsウィジェット「Discover」
ロック画面にも表示可能

「Agent in Settings」の対応言語が拡充

 「設定」アプリの検索機能をローカルAIで強化する「Copilot+ PC」機能「Agent in Settings」の対応言語が拡充された。

 これまでは英語とフランス語でしか利用できなかったが、日本語を含む8カ国語で新たに利用可能となる。

 そのほかにも、「ペイント」アプリのツールバーを折りたためるようにする機能などが展開されるとのこと。