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「Excel」に“変数”が使える新しい関数「LET」~“Office Insider”でテスト中

今年後半には他のチャンネルにも展開へ

公式ブログ“Excel Blog”

 米Microsoftは3月17日(現地時間)、「Excel」に新しい関数「LET」を導入すると発表した。現在、“Office Insider”の“Insider”チャンネルでテスト可能。今年後半には他の“Office 365”チャンネルにも展開されるという。

 「Excel」のセルに数式を入力する際、同じような処理を何度も記述しなければならず、数式が長くなってしまうことはないでろうか。「Excel」の数式バーにはシンタックスハイライト(構文色分け)機能もあるが、長ければ長いほど読みづらくなるし、入れ子(ネスト)が深くなると記述ミスも多くなる。また、計算量の多い処理を何度も繰り返すのはパフォーマンス上好ましくない。

 「LET」関数は、こうした問題を解決するために導入されたものだ。計算結果に名前を割り当て、それを再利用することで、可読性とパフォーマンスを向上させる。プログラミング言語の“変数”によく似た概念だが、それが利用できる範囲(スコープ)のはその数式の中だけだ。

 「LET」関数の基本的な構文は、以下の通り。

= LET (name1, name_value1, name2, name_value2, ……calculation)

  • name:変数の名前。文字で始まる必要があり、数式の出力や範囲構文と競合してはならない
  • name_value:“name”に割り当てる値
  • calculation:変数を利用した計算。最後の引数はこれでなければならない

 変数は最大126個が利用でき、その数だけ名前と値のペアを引数に指定する。最後の引数は変数を利用した計算式(calculation)である必要があるため、引数の数はかならず奇数個になる(最短の引数は3)。

例:A1からA10までの平均値(合計/個数)を求める

=LET(total, SUM(A1:A10), count, COUNT(A1:A10), total / count)