NEWS(10/09/16 16:26)

米Microsoft、次世代Webブラウザー「Internet Explorer 9」ベータ版を公開

シンプルな画面デザインで表現力豊かなWebコンテンツを快適に楽しめる

「Internet Explorer 9」ベータ版「Internet Explorer 9」ベータ版

 米Microsoft Corporationは15日(現地時間)、次世代Webブラウザー「Internet Explorer 9」(以下、IE9)のベータ版を公開した。Windows Vista/7に対応するフリーソフトで、現在同社のWebサイトからダウンロードできる。なお、本ベータ版は開発中で、動作テストを目的として公開されているので利用の際は注意してほしい。

 IE9では、HTML5やCSS3、SVGといったWeb標準技術への対応を大幅に強化したほか、“Chakra”と呼ばれる新しいJavaScriptエンジンを搭載した。また、マルチメディアコンテンツやテキストをGPUによるハードウェアアクセラレーションを利用して描画可能になっており、動きのある表現力豊かなWebコンテンツを快適に楽しめるようになっている。

 これまで公開されてきたプラットフォームプレビュー版では、テストに必要な最低限のユーザーインターフェイスしか搭載していなかったが、本ベータ版ではアドレスバーや検索ボックス、[戻る][進む]ボタンなどおなじみのコントロールが追加されており、ようやく日常利用に耐えうるものになっている。

アドレスバーと検索ボックスが統合。閲覧履歴・Web検索のキーワード候補・お気に入りが同時にプルダウン表示されるアドレスバーと検索ボックスが統合。閲覧履歴・Web検索のキーワード候補・お気に入りが同時にプルダウン表示される

“新しいタブ”ページのデザインも刷新、利用頻度を表示できるように“新しいタブ”ページのデザインも刷新、利用頻度を表示できるように

 IE8と比較すると、アドレスバーと検索ボックスが統合されたこと、各種メニューが1つのボタンに集約されていること、アドレスバー・タブバー・各種ボタンが1行で収まるようにデザインされていることなどが目につく。画面デザインは非常にシンプルで、Webページの表示部分が最大限広く取られているのが特長と言えるだろう。“新しいタブ”ページのデザインも刷新されており、頻繁に利用するWebサイトをすばやく開けるようになった。このページではWebサイトの利用頻度をバーで表示することもできる。

見やすいデザインになった通知バー、ダウンロードマネージャーも新規搭載見やすいデザインになった通知バー、ダウンロードマネージャーも新規搭載

 また、ファイルをダウンロードする際などに現れる通知バーは、表示される場所がWebページ画面の下部へ移されたほか、以前のバージョンよりも見やすいデザインへ変更されている。ダウンロードしたファイルを保存するか実行するか問うダイアログも統合されており、通知バーの中だけでダウンロード作業を完結することができる。さらに、あまりユーザーに利用されていないファイルをダウンロードした場合は、通知バーで注意をうながす機能を搭載したほか、専用のダウンロードマネージャーが追加され、ダウンロード作業の状況を一元管理可能になった。

 そのほか、操作面ではWindows 7との親和性も増している。たとえば、タブをタスクバーへドラッグ&ドロップしてWebサイトを登録し、まるでアプリケーションのように起動することが可能。特定のWebサイトでは、ジャンプリストやライブサムネイルからWebサイトの機能へ直接アクセスすることもできる。

“Facebook”をタスクバーに登録すると、ジャンプリストから“ニュース”ページや“メッセージページ”を直接開ける“Facebook”をタスクバーに登録すると、ジャンプリストから“ニュース”ページや“メッセージページ”を直接開ける

ライブサムネイルからWebサイトの機能へ直接アクセスできる機能のデモサイトライブサムネイルからWebサイトの機能へ直接アクセスできる機能のデモサイト

 さらに、ドラッグ&ドロップによるタブの分離やドッキングもサポートした。ドラッグ中のタブを、Windows 7のウィンドウ並び替え機能“Aero Snap”を利用して配置することも可能だ。

 なお、IE9はWindows Vista以降に搭載されたグラフィックシステムを利用するため、Windows XPには対応しないので注意。

【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows Vista/7
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
9.0.7930.16406 beta(10/09/15)

(柳 英俊)