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「Firefox 32」のベータ版が公開。興味深い内部変更が盛り込まれたリリースに
新しいHTTPキャッシュ機構を搭載
(2014/7/25 17:28)
Mozillaは24日、Webブラウザー「Firefox」の次期バージョン「Firefox 32」のベータ版を公開した。Windows XP/Server 2003/Vista/7/8および64bit版のVista/7に対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在本ソフトの公式サイトからダウンロード可能。Mac OS X/Linux向けにも、それぞれ最新版が用意されている。
本ベータ版ではページ内検索機能が強化され、検索ツールバーに検索結果の件数が表示されるようになった。また、パスワードマネージャとアドオンマネージャのパフォーマンスが改善。パスワードマネージャでは、パスワードを変更した日付や最後に利用した日付が確認できるようになっている。
内部的な変更としては、新しいHTTPキャッシュ機構が有効化された点や、Windows環境で“OMTC(Off Main Thread Compositing)”が標準で有効化されたことがトピック。“OMTC”はモバイルプラットフォームで先行実装されていたが、これがWindows版でも利用できるようになる。
“OMTC”とは、GPUとやり取りを行う処理(Compositor スレッド)を、これまであらゆる処理を一手に引き受けていたメインスレッドから分離する取り組み。利用には“Direct3D 9”もしくは“Direct3D 11”が必要となる。メインスレッドがロックされて全体のパフォーマンスが低下するのを防いだり、スクロールやビデオ、アニメーションなどの処理を非同期化してカクツキを減らすといった効果が期待できる。
そのほかにも、「Firefox 32」ベータ版では“世代別ガベージコレクション(Generational GC)”の統合が引き続きテストされる。オブジェクトを世代別に管理し、入れ替わりの激しい若い世代を優先的にガベージコレクションの対象とすることにより、負荷を抑えつつ効率よくメモリを解放できるようになる。
また、Web標準技術への対応も強化。“スクラッチパッド”でコード補完とインラインドキュメントがサポートされるなど、Web開発ツールの機能強化も多数盛り込まれている。
19:40追記:Mozilla によると、“OMTC”の標準有効化はベータ版のリリース直前にキャンセルされたとのこと。次期バージョンに期待したい。
ソフトウェア情報
- 「Firefox」Windows向けベータ版
- 【著作権者】
- contributors to the Mozilla Project
- 【対応OS】
- Windows XP/Server 2003/Vista/7/8および64bit版のVista/7
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 32.0b1(14/07/24)