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「Visual Studio 2015」に対応した「Python Tools for Visual Studio 2.2」が正式版に

「VS 2013」にも対応。「Python 3.5」のasync/awaitサポートやデバッグ機能の強化など

「Python Tools for Visual Studio」v2.2

 米Microsoft Corporationは19日(現地時間)、オープンソースの「Visual Studio」用プラグイン「Python Tools for Visual Studio(以下、PTVS)」の最新版v2.2を正式公開した。本プロジェクトは活動の場を“Codeplex”から“GitHub”へ移しており、v2.2は現在、“GitHub”のプロジェクトページからダウンロードできる。

 「PTVS」は、「Visual Studio」でスクリプト言語“Python”を扱えるようにするためのプラグイン。「CPython」や「IronPython」、「PyPy」などの処理系に対応しており、“IntelliSense”による入力支援からインタラクティブデバッグ、プロファイリング、「IPython」を利用した対話型評価(REPL:read-eval-print loop)、“Microsoft Azure”への展開などをサポートする。

 最新版となる「PTVS 2.2」では「Visual Studio 2015」に対応したほか、「Python 3.5」の新しい“async/await”構文がサポートされた。コードスニペットやコードの自動補完、ToDoをソースコードへコメントとして記述してあとでまとめて参照できる“タスクコメント”などの機能も新たに追加されている。

「Visual Studio」でスクリプト言語“Python”を利用
ToDoをソースコードへコメントとして記述してあとでまとめて参照できる“タスクコメント”

 また、デバック機能にも便利な機能が搭載されている。たとえば、新たに追加された“Autos”画面を利用すれば、ブレークした行の近辺にある変数と単純な式の値を手軽に参照することが可能。ステップ実行すると内容がアップデートされるため、わざわざ“Watch”画面を利用する必要がない。さらに、条件付きブレークポイントにヒット数が利用可能になるなどの改善も施された。

ブレークした行の近辺にある変数と単純な式の値を手軽に参照できる“Autos”画面
条件付きブレークポイントにヒット数が利用可能に
“Python Environments”画面

 そのほかにも、実行に利用する「Python」のバージョンやパスなどを複数管理できる“Python Environments”画面やコードのアウトライン(折り畳み)機能などが改善されている。

 「PTVS 2.2」は「Visual Studio 2015」「Visual Studio 2013」に対応しており、それぞれのバージョン向けのMSI形式インストーラーが用意されている。これらは無償で提供されている「Visual Studio Community」でも利用可能。「Visual Studio Express for Desktop」および「Visual Studio Express for Web」もサポートされている。

 また、本プラグインのインストーラーのほかにも、「Visual Studio」用の拡張機能「Sample Pack」「Machine Learning Pack」を追加でダウンロード・インストールすることが可能。「Sample Pack」は“Django”“Flask”“Bottle”といったWebアプリケーションフレーム、“Kinect for Windows”を操作できる“PyKinect”、および「Python」で「Microsoft Excel」と対話するための“PyVot”を利用するための追加テンプレートを収録。「Machine Learning Pack」はクラウドベースの機械学習サービス“Azure ML”を利用するためのライブラリやサンプルコードが含まれている。

 なお、「Visual Studio 2013」より前のバージョンには対応しておらず、旧バージョンを利用する必要があるので注意。旧バージョンは古い“Codeplex”のプロジェクトページからダウンロードできる。

ソフトウェア情報

「Python Tools for Visual Studio」
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.2(15/07/19)

(樽井 秀人)