レビュー
無償化された老舗サウンドエディター「Sazanami」 ~豊富なエフェクトと機能が魅力
MP3、WMA、Ogg Vorbis、FLAC、DSDなどをロード可能で、形式変換にも対応
2017年7月4日 06:00
「Sazanami」は、豊富なエフェクトと機能が魅力のシンプルなサウンド編集ソフト。Windows 98/Me/XP/Vista/7/8/10に対応しており、作者のWebサイトから無償でダウンロードできる。
本ソフトは、非圧縮のWAV形式に対応したサウンドエディター。MP3、WMA、Ogg Vorbis、FLACのほか、DFF/DSF/WSD形式のDSDファイルなどを読み込むことも可能で、フォーマット変換にも対応している。もともとはシェアウェアだったが、v1.5.7.6から寄付歓迎のフリーソフトとして公開されている。
利用するには、まず[ファイル]-[新規]メニューで新しいオーディオファイルを作成するか、[ファイル]-[開く]メニューから既存のサウンドファイルを開く。オーディオCDからリッピングしたり、マイク入力から録音を行うこともできる。サウンドファイルを読み込むと、メイン画面に波形グラフが表示される。右クリックメニューを利用すれば、スペクトログラムを3D表示したり、指定位置のスペクトルグラフを表示することも可能。再生関連では、再生速度の調整や選択範囲の区間リピートなどに対応する。
また、波形グラフの表示はツールバーのボタンから調整できるようになっており、横幅や縦幅を自由に拡大・縮小可能。メインウィンドウはMDI形式になっており、複数のサウンド読み込んで子ウィンドウとして表示し、同時に扱うことが可能。範囲を指定して切り取ったサウンドを、他のファイルへ貼り付けるといった操作も簡単だ。
しかし、「Sazanami」の持ち味はなんといってもそのエフェクト(効果)機能にあるだろう。[ツール]-[エフェクト]メニューにはコンプレッサーやリミッター、フェード、リバーブ、ローパス・ハイパスフィルター、IIRフィルター、FIRフィルター、ピッチ・テンポの変更、ドップラー効果など、多彩なコマンドが用意されている。GUIでも使い勝手にも優れており、たとえばリバーブエフェクトでは部屋の大きさや音源の位置、マイクの距離・角度などを指定して残響をシミュレーションすることができる。
そのほかにも、ヒスノイズや“プッツン”ノイズに対応したノイズ低減機能、VST/DXプラグインのサポート、音量の正規化(ノーマライズ)機能、チャンネルの選択機能などを搭載。よく利用するコマンドはツールバーの[Fx]ボタンに登録される履歴から簡単にアクセスできる。
さらに[編集]メニューでは[無音部の検索]が可能。無音部でサウンドを分割したい場合などに役立つだろう。この機能はツールバーの検索ボタンから利用することもできる。完成したサウンドはファイルとして保存できるほか、[ツール]メニューからCD-Rへ書き出すことも可能。そのほかにも、“Active Script”インタープリターを利用してスクリプトで処理を自動化する機能や、2つのサウンドファイルをミックスして1つにする“ミックスダウン”機能を備える。
ソフトウェア情報
- 「Sazanami」
- 【著作権者】
- 渡辺 成身 氏
- 【対応OS】
- Windows 98/Me/XP/Vista/7/8/10
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 1.5.7.6(17/06/02)