レビュー

JAR形式のJavaアプリをEXE形式へ変換して扱い易くする「exewrap」

コマンドラインアプリ、GUIアプリ、Windows サービスアプリへの変換をサポート

「exewrap」v1.1.6

 「exewrap」は、“.jar”形式で配布されている「Java」アプリケーションを“.exe”形式へ変換するツール。Windowsに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 10で動作を確認した。本ソフトの公式サイトからダウンロードできる。

 JARファイルは「Java」アプリケーションに含まれるファイルをZIP形式で単一のファイルに圧縮・格納したもので、“java -jar (JARファイル名)”というコマンドで実行することが可能。しかし、EXEファイルのようにダブルクリックで簡単に起動できたほうがより扱い易いだろう。

 「exewrap」は、そうした要望に応えてくれるコマンドラインツール。あくまでJARファイルをEXEファイルで“包む(wrap)”ためのツールで、ネイティブコードへコンパイルしたりはしない。しかし、配布や実行が容易になるのは十分魅力と言えるだろう。

 今回は実験のために“Hello! World”とコンソールにプリントするだけの簡単なアプリ「sample.jar」を用意したが、このようなコマンドラインアプリであれば“exewrap.exe sample.jar”とするだけで「sample.exe」を生成することが可能。もし実行の際に“JavaVMを作成できませんでした”などのエラーが表示される場合は、「Java」ランタイムに含まれる「jvm.dll」にパスが通っているか確認しよう。もしパスが通っていない場合は、環境変数“PATH”に“C:¥Program Files (x86)¥Java¥jre1.8.0_***¥bin¥client”などを追加すればよい。

「exewrap」で変換したEXEファイルを実行した様子

 「exewrap」は32bit版と64bit版のバイナリを出力することが可能で、一時ファイルを出力することもない。生成されるEXEファイルのサイズもコンパクトで、生成前と比べて30KB程度しか増えない(実験環境では1KBから47KBへ増加)。

 さらに、ウィンドウをもつGUIアプリケーションや、Windows サービスとして動作するアプリケーションを変換することも可能。GUIアプリケーションの場合は「タスク マネージャー」に「java.exe」ではなくEXEの名前が表示されるのも魅力だ。また、スプラッシュスクリーンを表示することも可能。

 そのほかにも、プロセスの環境変数を設定する機能や、Pack200アーカイブ形式でJARファイルを圧縮する機能、“ユーザー アカウント制御(UAC)”による権限昇格をサポートしている。

ソフトウェア情報

「exewrap」
【著作権者】
HIRUKAWA Ryo 氏
【対応OS】
Windows(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.1.6(17/02/21)