REVIEW(09/07/06)

64ビット版Windowsに対応した“RAMディスク”構築ソフト「Dataram RAMDisk」

RAMディスクの内容をOS終了時・定期的にバックアップ可能、次回起動時に復元も

「Dataram RAMDisk」v3.5.130RC2

 「Dataram RAMDisk」は、メインメモリ上へ4GBまでの“RAMディスク”を構築できるソフト。Windows XP/Server 2003/Vista/Server 2008に対応するフリーソフトで、64ビット版Windowsでも動作可能。作者のWebサイトからダウンロードできる。

 本ソフトは、メインメモリ上に仮想ドライブを構築して、“RAMディスク”として利用可能にするソフト。メインメモリの一部をドライブとして利用することで、HDDよりもはるかに高速なデータの読み書きが可能になる。窓の杜ではこれまでいくつかのRAMディスク構築ソフトを紹介してきたが、それらとは異なり、64ビット版Windowsにも対応するのが本ソフト最大の特長だ。

 利用するには、まず[Settings]タブでRAMディスクのサイズを指定しよう。次に、作成するRAMディスクのファイルシステムとブートセクターの種類を選択する。通常は、ファイルシステムを“FAT32”、ブートセクターを“Windows boot sector”に設定しておけばよいだろう。最後に[Start RAMDisk]ボタンを押せば、RAMディスクが作成され、“マイ コンピュータ”から利用可能になる。

 なお、RAMディスクのサイズを指定する際は、PCのメモリ搭載量から512MBを引いたサイズまで割り当て可能。また、割り当て可能な最大メモリ量は4GBに制限されており、制限を解除したい場合は、作者へ問い合わせて有償の上位版を入手する必要がある。

 さらに、RAMディスクの内容をOS終了時にバックアップしたり、次回起動時に内容を復元したい場合は、RAMディスクのサイズ指定に続いて[Load and Save]タブで設定を行う。

 まず、一度もRAMディスクの内容を保存していない場合は、“Save Image Settings”エリアでRAMディスクのイメージを保存するパスを指定したあと、[Save Disk Now]ボタンを押す。すると、イメージがファイルとして保存されるので、“Load Image Settings”エリアで保存したイメージファイルのパスを指定すればよい。なお、RAMディスクのイメージファイルは“*.img”という拡張子で保存されるが、これは本ソフト独自の形式で、一般的に利用されているCDイメージファイルとは互換性がない。

 最後に、“Load Disk Image at Startup”と設定画面の“Save Disk Image on Shutdown”というチェックをONにすれば設定は完了。そのほか、定期的にRAMディスクの内容を保存可能で、保存間隔は秒単位で指定することもできる。ただし、RAMディスクのサイズがあまりにも大きいと、イメージファイルの保存に時間がかかり、PC全体の動作速度が低下してしまう場合があるので注意。

 なおヘルプファイルによると、4GBを超えるメインメモリを搭載した32ビット版Windows環境では、OS管理外領域へRAMディスクを構築できる機能を利用可能とのこと。ただし、編集部にてメインメモリを4GBおよび6GB搭載した環境で試用したところ、本機能を利用できなかった。無償版の制限であることも考えられるため作者に問い合わせたが、執筆時現在、回答は得られていない。

【著作権者】
Dataram
【対応OS】
Windows XP/Server 2003/Vista/Server 2008/XP x64/Server 2003 x64/Vista x64/Server 2008 x64
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
3.5.130RC2
 

(柳 英俊)