レビュー
Webアプリのデバッグに最適。HTTPに特化したネットワークキャプチャーツール「Fiddler」
多彩なデバッグ機能が魅力。Windows ストアアプリのトラフィックモニターにも
(2013/10/3 12:42)
「Fiddler Web Debugger」は、HTTPトラフィックに特化したネットワークキャプチャーツール。Windows XPからWindows 8.1までに対応するフリーソフトで、本ソフトの公式サイトからダウンロードできる。
「Fiddler」は、元MicrosoftのEric Lawrence氏(現在は.NET系の開発ツールベンダーTerelikに在籍)が開発したネットワークキャプチャーツール。ネットワークとアプリケーションの間でプロキシサーバーとして動作し、すべてのHTTP/FTP通信をキャプチャーしてその一覧と詳細を表示する。「Fiddler」には.NET Framework 2.0で動作する「Fiddler 2」と、.NET Framework 4で動作する「Fiddler 4」がラインナップされているが、機能に違いはないようだ。
“Web Debugger”の名の通り、Webアプリケーションのデバッグに便利な機能を多彩に取り揃えているのが本ソフト最大の特長。条件に合致したセッションをフィルタリングする機能、指定した属性をもつ要求や応答をブレークするブレークポイント機能、タイプやサイズなどに応じてセッションをブロックする機能、転送状況を視覚化してパフォーマンス分析が行えるタイムライン機能、自動応答機能、要求を手動で組み立てて送信する機能、セッションの比較機能などを備える。
メイン画面は、左右に2分割された2ペイン構成で、左ペインはキャプチャーしたセッションのリストになっている。初期状態ではすべてのセッションがリストに表示されるが、特定のプロセスの通信のみを表示させることも可能。
右ペインはタブ付きのビューとなっており、セッションリストで選択したセッションに関わる情報の閲覧やさまざまなアクションが行える。
もっとも基本となるのは[Inspectors]タブで、ここではセッションに関する情報が閲覧可能。上下に2分割された2ペイン構成になっており、上ペインで要求(リクエスト)、下ペインで応答(レスポンス)に関するデータが表示される。各ペインでは、タブを切り替えることでテキスト・イメージ・16進数などのビューに切り替えることが可能。たとえば、Web APIを扱う場合は要求・応答をツリーで整形表示できるJSON/XMLビューが役立つだろう。
なお、この[Inspectors]タブは別ウィンドウとして表示することも可能。セッションリストの右クリックメニューで[Inspect in New Window]を選択すればよい。
また、Web APIを扱う際は[Composer]タブも併せて活用したい。このタブでは、要求を自分の手で組み立てて送信することができる。既存のセッションをドラッグ&ドロップしてコピーすることも可能で、たとえば、送信した要求のメソッドだけを“GET”から“POST”に書き換えてWebアプリの挙動をテストするといったことが行える。
さらに、「Fiddler」はHTTPS通信の復号をサポート。サンドボックス環境“AppContainer”で動作するWindows ストアアプリのモニタリングにも対応している。ストアアプリのトラフィックモニタリングを有効化するには、ツールバーにある[Win8 Config]ボタンを押すと開くダイアログで、キャプチャーしたいストアアプリを選択すればよい。
また、より複雑なカスタムルールを記述したり、ユーザーインターフェースを拡張するためのスクリプト言語“FiddlerScript”(JScript.NET)や、.NET Frameworkベースの言語による拡張機能の開発がサポートされており、拡張性に富むのも特長。また、「Fiddler」のコア機能をほかのアプリで利用するためのライブラリ「FiddlerCore」なども提供されている。
ソフトウェア情報
- 「Fiddler 2」
- 【著作権者】
- Terelik
- 【対応OS】
- Windows XPからWindows 8.1まで
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 2.4.5.3(13/09/16)
- 「Fiddler 4」
- 【著作権者】
- Terelik
- 【対応OS】
- Windows XPからWindows 8.1まで
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 4.4.5.3(13/09/13)