レビュー

コガモ先生・マガモ先生に挑め! 初心者向けの遊び心溢れたチェスソフト「KAMOCHESS」

とった駒を使ったり、罠や障害物を仕掛けるといった特殊ルールで遊ぶことも可能

「KAMOCHESS」v2.08

 「KAMOCHESS」は、特殊ルールでも遊べる初心者向けの3Dチェスソフト。Windowsに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 8.1で動作を確認した。ベクターのライブラリページからダウンロードできる。

 本ソフトは、初心者向けに設計された3Dチェスソフト。マウスでもキーボードでも駒の移動・カメラの視点変更が行える実用性もさることながら、チェスの駒がかわいらしいカモになっているなど、随所に遊び心があるのが魅力。また、将棋のように持ち駒が利用できるルール(WILD23、クレージーハウス)で遊んだり、駒の初期配置をカスタマイズして駒を増やしたり減らしたり、駒のデザインを将棋やネコに変えたり、“障害物”や踏むと駒を奪える“罠”を仕掛けることもできるなど、“チェス”という枠を超えた遊び方ができるのも特長と言えるだろう。チェスに初めて挑戦するユーザーのみならず、すでにチェスを知っているというユーザーにもお勧めできる。

 初期状態の盤面のデザインはテニスコートを模した“チェスコート”になっており、小さな槍や盾で武装したカモたちが2列に並んで対峙している。彼らを選択して動かし(選択中は浮遊状態になる)、相手の兵士をやっつけながら、一番偉そうな敵のカモ(キング)を追い詰めるのが目的となる。

 カメラの視点は俯瞰ビュー([F1]キー)が基本となっているが、選択した駒の視点([F5]キー)を選んで戦いの臨場感も楽しむのもありだ。駒の配置を把握するには真上から見下ろした状態([F2]キー)が便利。その状態から上下に盤面をひっくり返し、相手の立場から盤面を検討する、いわゆる“ひふみんアイ”も利用可能([F3]キー)。[F4]キーを押して、“チェスコート”の脇に設置されているボードで駒の配置状況を確認することもできる。

基本となる俯瞰ビュー([F1]キー)
真上から見下ろした状態([F2]キー)。[F3]キーで“ひふみんアイ”に
“チェスコート”の脇に設置されているボードで駒の配置状況を確認([F4]キー)
選択した駒の視点([F5]キー)

 さらに本ソフトでは、“チェスコート”のほかにも折り畳み将棋盤(SANJYO)や開けた草原(WOODS)が盤面デザインとして選択可能。チェスよりも将棋に馴染みのあるユーザーならば将棋盤の方が安心感が得られるだろうし、縦・横のラインが描かれていない草原ならば、武装したカモたちの姿も相まって、さながらタクティカルシミュレーションゲームの戦場のような雰囲気でチェスが楽しめる。

将棋ファンにとってはうれしい折り畳み将棋盤ステージ。相手の駒をネコにしてみた
戦場のような雰囲気でチェスが楽しめる開けた草原のステージ。敵の駒は将棋。また、障害物となる樽が仕掛けられている
ナイトの特攻。初心者のうちはガイド機能が便利

 CPUの対戦相手は、“コガモ先生(KOGAMO)”と“マガモ先生(MAGAMO)”の二人が選択できる。正直なところ“コガモ先生”はかなり弱く歯ごたえがないが、“マガモ先生”はカモ目カモ科の名に恥じない強さを誇る。かわいらしい姿をしているが、舐めてかかると痛い目に合うだろう。将棋経験者向けの一口アドバイスがついたマニュアルを参照しながら、“コガモ先生”相手に十分スパーリングを積んだうえで挑むべきだ。選択した駒をどこへ動かせるか、どの駒を守っていて、どの駒が狙われているかといった情報を表示する補助機能“ガイド”が5段階で設定可能となっているので、初めのうちは自分の実力に応じて調節しておくとよい。

 また、定跡に沿ったコマ運びを行うと、その定跡の名前が画面下へ表示される。チェスに慣れてきたら、定跡を学んでいくと上達が早いだろう。

 なお、本ソフトはLAN対戦機能を試験的に搭載している。初歩的なネットワークの知識があれば、ユーザー同士で対戦することも可能だ。

ソフトウェア情報

「KAMOCHESS」
【著作権者】
も 氏
【対応OS】
Windows(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.08

(柳 英俊)