レビュー

全国のお城をイメージした“本丸ゴシック”の第一弾「まるがめ本丸ゴシック」

現存十二天守の1つ丸亀城の優美な石垣と眺望、城下の名物“讃岐うどん”がフォントに

「まるがめ本丸ゴシックmini」

 「まるがめ本丸ゴシックmini」は、丸亀城とその城下町をイメージした丸ゴシック体のフォント。教育用漢字1,006字を含むOpenType形式の日本語フォントで、作者のWebサイトから無償でダウンロードできる。

 本フォントは、全国のお城をイメージした丸ゴシック体のシリーズ“本丸ゴシック”の第一弾。丸亀城とその城下に広がる丸亀の市街をイメージして制作されているという。

 丸亀城は香川県丸亀市の南部に位置する亀山を利用して築かれた城で、独特の反りをもつ優美な石垣を備えることで有名。江戸時代は讃岐丸亀藩6万石を領した京極氏の居城で、その天守閣は日本に現存する12の天守閣の1つにも数えられる。天守閣からは丸亀市街と瀬戸内海、瀬戸大橋、かつて海賊が活躍した塩飽(しわく、しあく)の島々などを一望することが可能。全国の日本城郭の中でも五指に入る眺望と言えるのではないだろうか。

丸亀城と天守からの眺望(筆者撮影)

 本フォントの骨格は明朝体がベースで、用途を選ばないしっかりとした字形という印象を受ける。その一方で、手書きを思わせるアンバランスさが意図的にアクセントとして取り入れられており、全体的にはポップでかわいらしい雰囲気だ。これは高い石垣にポツンと建つ小ぶりの三層天守をイメージしたのだろうか。また、角がとれてツルッと柔らかい画は、地元の名物“讃岐うどん”を思わせる(ほかにも丸亀のグルメとしては“骨付き鶏”が有名)。

 なお、無償で利用できる「まるがめ本丸ゴシックmini」には商用不可、異体字および縦書き用グリフは非収録という制限があるので注意。商用の場合は、製品版「まるがめ本丸ゴシック」を購入する必要がある。「まるがめ本丸ゴシック」には、JIS第一水準の漢字2,965字とJIS第二・第三水準で利用頻度の高い漢字500字に加え、記号・約物・キリル文字・半角カタカナなど647字が追加で収録されており、総収録文字数は4,112文字に上る。また、TrueType形式のフォントや、特典として白抜き文字の「まるがめ本丸ゴシックうどん」が付属する。

ソフトウェア情報

「まるがめ本丸ゴシックmini」
【著作権者】
フロップデザイン
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7/8/10など(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(非商用利用のみ)
【バージョン】
1.00(15/12/17)

(樽井 秀人)