杜のAndroid研究室

高機能カレンダー「Calendar Pad」「ジョルテ」「SK Calendar Viewer」

月表示で予定内容を確認したい!標準の「カレンダー」に足りない機能を実現

(10/05/19)

 スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”用アプリのライブラリサービス“Androidマーケット”(以下、“マーケット”)には、日々すばらしいアプリが次々と登場している。しかし現在のマーケットは人気アプリや定番アプリにたどり着くための仕組みが弱く、大量のアプリを前に途方にくれてしまう場面も多い。そこで『杜のAndroid研究室』では、さまざまなテーマに沿って窓の杜スタッフが厳選したアプリを紹介していく。今回は、Android標準の「カレンダー」にはない便利な機能を備えた高機能カレンダーアプリ3本を取り上げ、それぞれのアプリのもつ機能や特徴を紹介する。

自分に必要な機能を備えたアプリはどれ?機能を一覧表で比較

Android標準の「カレンダー」アプリAndroid標準の「カレンダー」アプリ

 Android標準の「カレンダー」アプリは、Webカレンダーの定番“Google カレンダー”との同期機能を備えている。しかも、3G回線や無線LANを利用して自動的に同期を行うので、面倒なケーブル接続も必要ない。PCと端末の双方で常に最新のスケジュールデータを参照でき、一度使うと手放せなくなる便利さだ。その反面、1カ月分のカレンダーを表示する月画面で予定内容を文字で確認できなかったり、カレンダーウィジェットのバリエーションがなく月画面や週画面を利用できないなど、かゆいところに手が届かない面も散見される。

 そこで利用を検討したいのが、標準カレンダーに足りない機能を備えた高機能カレンダーアプリ「Calendar Pad」「ジョルテ」「SK Calendar Viewer」の3本だ。どのアプリも標準カレンダーのデータをそのまま使用できるので、標準カレンダーのよさを活かしたまま、便利な機能の数々を利用できる。まずは、各アプリのもつ代表的な機能を表にまとめてみたので、自分に必要な機能をもったアプリがどれなのかチェックしてみよう。

 Calendar PadジョルテSK Calendar Viewer標準カレンダー(参考)
評価時のバージョン1.1.11.1.141.0.3(Android 1.6/2.1)
月画面
週画面
日画面×
年画面×××
月画面での予定内容表示×
起動時に表示する画面の選択×
独自編集画面××
週初めの曜日指定×
今月・今週・今日にジャンプ×
ToDo管理×△(日付指定などに未対応)×
ToDoのGoogle カレンダー同期××(対応予定)×
ウィジェットのバリエーション7451
表示色のカスタマイズ△(有償版で対応)×
文字サイズ指定×

洗練された操作性が魅力のシンプルなアプリ「Calendar Pad」

「Calendar Pad」「Calendar Pad」

 ここからは、各アプリの特徴を紹介する。まず最初は、機能的には最もシンプルな「Calendar Pad」だ。「Calendar Pad」の一番の魅力は洗練された操作性だろう。月画面で表示したい週を横方向にフリックすることで該当する週の週画面に、月および週画面の日付タップで日画面に切り替わるのはわかりやすい。前の画面へ戻るには端末の[戻る]ボタンを押せばOKだ。もちろんほかのアプリと同様に、メニューから画面を切り替えることもできる。また日画面で、通常のタイムライン表示と、1日分の予定をコンパクトなプレビュー風画面でまとめて確認できる“ポップアップ表示”のどちらかを設定で選べるのも便利だ。

 さらに、7種類もの豊富なウィジェットが用意されているのも特長。月・週・日表示のそれぞれで4×3と4×4の2種類から表示サイズを選択できるので、ホーム画面を1ページ丸々カレンダーに利用するのか、1列をほかのアプリやウィジェットのために残すのかを選択できる。1×1サイズで今日の日付と曜日だけを表示するウィジェットも用意されている。

 ToDo管理に対応しないなど機能面ではほかの2本に及ばない面もあるが、シンプルで使い勝手のよいカレンダーアプリがほしいという人にオススメしたい。

週画面。右下に1カ月カレンダーが表示されており、ここをタップすると月画面に戻れる週画面。右下に1カ月カレンダーが表示されており、ここをタップすると月画面に戻れる

日画面。標準の設定ではこのようなタイムライン表示となる日画面。標準の設定ではこのようなタイムライン表示となる

設定の“1日表示の方法”でポップアップを選択すると日画面の表示が変化する設定の“1日表示の方法”でポップアップを選択すると日画面の表示が変化する

1カ月表示、4×4サイズのウィジェット。全7種類のウィジェットから好みのものを選べる1カ月表示、4×4サイズのウィジェット。全7種類のウィジェットから好みのものを選べる

【著作権者】
MoaiApps 氏
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.1.1

「Calendar Pad」インストール用のQRコード「Calendar Pad」インストール用のQRコード

独自機能が光る個性派多機能アプリ「ジョルテ」

「ジョルテ」「ジョルテ」

 次に紹介するのが、個性派カレンダーの「ジョルテ」だ。標準カレンダーのデータを利用するほかに、独自形式のデータにも対応しており、設定で表示を切り替えられる。ほかのPCと同期したい予定は標準カレンダーのデータで、同期の不要な予定は独自形式のデータで管理して、切り替えながら利用するといった活用も可能だ。なお、独自形式のデータをPC上で編集するツールの提供も予定されている。

 また、ほかの2本が予定内容の編集画面に標準カレンダーのものをそのまま利用しているのに対して、「ジョルテ」は独自の編集画面を採用しており、テンキー風の時刻入力画面や音声による予定入力など入力効率を高めるための工夫が凝らされている。なお、XperiaなどAndroid 1.6搭載端末の場合、音声入力を利用するには「Google 音声検索」が必要。

 予定に加えてToDoの管理機能を備えているのも特長だ。ただし、現在のところ期日の指定に対応していないなど、一般に想像するToDo管理というよりはチェックボックスつきのメモ程度の内容となっている。将来的に“Google カレンダー”のToDo機能との同期が予定されているので期待したい。

 ほかにも、CSV形式によるカレンダーデータのインポートやエクスポート、祝日のインポート機能など、ほかのアプリにはないユニークな機能を多数搭載している。多機能さを重視する人や、独自機能に魅力を感じた人にオススメしたい。

週画面。右下の[31]と書かれたボタンから月画面に戻れる週画面。右下の[31]と書かれたボタンから月画面に戻れる

日画面はないが、予定のある日付をタップするとこのような表示がポップアップする日画面はないが、予定のある日付をタップするとこのような表示がポップアップする

ToDo画面とToDoの編集ダイアログ。このように非常にシンプルな内容となっているToDo画面とToDoの編集ダイアログ。このように非常にシンプルな内容となっている

ウィジェットの月表示。卓上カレンダー風の凝った外見だ。週表示2種とToDo表示も用意ウィジェットの月表示。卓上カレンダー風の凝った外見だ。週表示2種とToDo表示も用意

「ジョルテ」

【著作権者】
(株)情報スペース
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.1.14

「Google 音声検索」

【著作権者】
Google Inc.
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.4.1

「ジョルテ」インストール用のQRコード「ジョルテ」インストール用のQRコード

「Google 音声検索」インストール用のQRコード「Google 音声検索」インストール用のQRコード

ToDo同期も可能な多機能アプリ「SK Calendar Viewer」

「SK Calendar Viewer」「SK Calendar Viewer」

 最後の「SK Calendar Viewer」は、非常にオーソドックスな作りの多機能カレンダーだ。月・週・日の各画面に加え1年表示(年間カレンダー)も利用可能。ToDoデータの管理にも対応しており、ToDo専用の画面が用意されているほか、設定を変更することで月・週・日の各画面で予定とToDoのデータを同時表示できるのもうれしい。さらに、本アプリのToDo機能は“Google カレンダー”のToDo機能と同期できるので、PIM系の情報管理をGoogleのWebサービスで完結させたいという人にはもってこいだ。

 画面最下部に画面を切り替えるためのボタンが用意されており、ワンタップで各画面に切り替えられるのも便利。また、月画面で上にドラッグ操作をすることで、画面下部に予定一覧を表示させる機能も用意されている。

 ちょっと変わった機能としては、同期中のカレンダーのうち最大2つのカレンダーを祝日専用のカレンダーとして設定することで、該当カレンダーのデータを通常の予定としては表示せずに、週表示の日付表示欄に祝日名として表示させることができる。なお、月画面では祝日名は確認できなくなるが、背景色が祝日専用色になる仕組みだ。そのほか“Google カレンダー”のカレンダーごとの色分け表示とは別に、指定文字列を含む予定の背景色を変更できる“表示条件設定”も、ユニークかつ便利な機能と言える。

 このように非常に多機能なアプリに仕上がっているので、多機能さを重視する人や、ToDoとカレンダーを一緒に管理したい人にオススメのアプリだ。

週画面。祝日として指定したカレンダーはこのように、日付の横に件名が表示される週画面。祝日として指定したカレンダーはこのように、日付の横に件名が表示される

日画面。右端のバーで予定がある時間帯を確認できるので、画面外に予定がはみ出ていても安心だ日画面。右端のバーで予定がある時間帯を確認できるので、画面外に予定がはみ出ていても安心だ

ToDo画面。終了日(期日)やメモの表示にも対応。完了済みのToDoを非表示にすることも可能だToDo画面。終了日(期日)やメモの表示にも対応。完了済みのToDoを非表示にすることも可能だ

ウィジェットはアプリを起動する1×1サイズに加え、月画面を表示する3×2、4×2、4×3、4×4という計4サイズがあるウィジェットはアプリを起動する1×1サイズに加え、月画面を表示する3×2、4×2、4×3、4×4という計4サイズがある

【著作権者】
SheehanK 氏
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.3

「SK Calendar Viewer」インストール用のQRコード「SK Calendar Viewer」インストール用のQRコード

自分に必要な機能を見極めて使うアプリを選ぼう

 ここまで紹介してきたように、ひと口に“高機能カレンダーアプリ”といっても、シンプルながら使いやすい操作性が特徴の「Calendar Pad」、独自路線が特徴で今後の発展に期待がかかる「ジョルテ」、本格的なToDo機能を搭載する多機能アプリの「SK Calendar Viewer」と、それぞれ異なる個性を備えている。

 まずは、本記事の機能比較一覧表を参考に自分が必要な機能をチェックした上で、利用するアプリを絞り込むといいだろう。それでも判断が難しい場合には、ToDoが不要なら「Calendar Pad」を、必要なら「ジョルテ」と「SK Calendar Viewer」をそれぞれ試用してみて、好みに合ったアプリを選ぶことをオススメしたい。

MEMOカレンダーデータの検索に威力を発揮!「Calendar Companion」

「Calendar Companion」「Calendar Companion」

 標準カレンダーの“Google カレンダー”同期機能には同期範囲(期間)を指定する設定がなく、さらに検索機能でカレンダーデータを検索できない仕様のため、Android端末を過去の予定のデータベースとして利用することは難しい。この問題で困っている人には、Web上にある“Google カレンダー”の予定を直接検索できるアプリ「Calendar Companion」の利用をオススメしたい。なお、検索語句に日本語を利用する場合には『"仕事"』のように『"』で囲む必要がある。今回紹介したアプリと併用することで、さらに一歩進んだカレンダーの活用が可能になるはずだ。

【著作権者】 Babak Mozaffari 氏
【ソフト種別】 シェアウェア 1.99米ドル
【バージョン】 3.0.2

(霧島 煌一)