【第44回】
拡張機能や“Firefox Sync”が使えるWebブラウザー「Firefox 4」
ロケーションバーからTwitterへ投稿できる拡張機能「TwitterBar」などを利用可能
(11/04/06)
『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、3月29日に正式版が公開されたWebブラウザー「Firefox 4」のAndroid版に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。
Android版「Firefox 4」は、デスクトップ版で大きなシェアを占めるWebブラウザー「Firefox」のAndroid版。デスクトップ版の「Firefox」とブックマークや履歴などを同期できる“Firefox Sync”や拡張機能を利用できるほか、Androidの小さな画面に特化した独自のユーザーインターフェイスを備えている。
Web表示部を最大限に確保することを主眼に設計されたユーザーインターフェイス
ユーザーインターフェイスは、Androidの小さな画面でWeb表示部を最大限に確保することを主眼に設計されており、初期状態ではツールバーやタブバーが表示されない。また、Webページ上部には、WebページのタイトルやURLの表示とWeb検索が行える“ロケーションバー”が表示されているが、Webページをスクロールすると非表示になる仕組み。ツールバーはWebページを右端からさらに右へ、タブバーはWebページを左端からさらに左へスクロールさせることで縦型のものが表示される。
タブバーには現在開いているタブがサムネイル画像で表示され、最下部にあるボタンを押すことで新規タブを開ける。また、タブを閉じるとタブバーの下側へサムネイルが移動し、タップすることでタブを復元することが可能。ツールバーには、戻る・進むボタンと表示中ページをブックマークに追加できる星型ボタンのほか、拡張機能によって追加されたボタンが並ぶ。
ロケーションバー左端には“Favicon”が表示されており、タップするとWebページのセキュリティ情報などが記載されたポップアップが表示される。ポップアップからはWebページをPDFファイルとして保存したり、Androidの共有機能を使ってメールアプリなどにWebページのタイトルとURLを送ることが可能。また、ロケーションバー自体をタップするとブックマークや履歴などが表示される。
Webページはフリック操作でスクロールできるほか、ダブルタップやピンチイン・アウト操作によるズームイン・アウトが可能。また、リンクを長押しすることでポップアップメニューが表れ、リンク先を新規タブで開いたり、リンク先をファイルとして保存することが可能。なお、Webページ上のテキストを選択してコピーする機能は備えていない。
デスクトップで開いているタブをAndroidと同期できる“Firefox Sync”
“Firefox Sync”は、ブックマークや履歴、開いているタブ、パスワードを複数の「Firefox」間で同期できるサービス。“Firefox Sync”を利用するには、まずデスクトップ版の「Firefox」で“Firefox Sync”のアカウントを作成する。アカウントの作成は[Firefox]ボタンから表示されるメニューにある[Syncをセットアップ]項目から行える。
次にAndroid版の設定画面の“同期”エリアにある“同期を有効化”スイッチを“はい”にし、[接続]ボタンを押す。すると、パスワードが表示されるので、デスクトップ版の設定ダイアログの[Sync]タブから“デバイスを追加する”ダイアログを開き、Androidに表示されたパスワードを入力すれば、同期が始まる。
デスクトップ版で開いているタブは、Android版のロケーションバーをタップすると表示される画面の[パソコン]タブにリストとして表示され、タップすることで開くことが可能。開いているタブを同期できるため、デスクトップで開いていたWebページの続きを、Android端末で読むといった使い方ができて便利。
拡張機能はライブラリサイト“Add-ons for モバイル”からインストール可能
拡張機能は、「Firefox」用拡張機能のライブラリサイト“Add-ons for Firefox”のモバイル版“Add-ons for モバイル”から直接インストール可能。“Add-ons for モバイル”では、一部の拡張機能がAndroid版「Firefox 4」に対応していないものの、数多くの拡張機能が公開されている。また、基本的には拡張機能を有効化する際に本アプリの再起動が必要だが、一部の拡張機能は再起動なしで有効化することが可能。
“Add-ons for モバイル”には、ロケーションバーからTwitterへ投稿できる「TwitterBar」や、“Favicon”のポップアップから表示中Webページのテキストを保存してあとで読めるようにする「Reading List」、フルスクリーン表示を可能にする「Full Screen」、本アプリを任意に終了できるようにする「Quit Fennec」といった拡張機能が公開されている。
さらに、Googleのクラウド印刷サービス“Google Cloud Print”を利用して、「Google Chrome」が起動しているパソコンに接続されたプリンターなどで表示中のWebページを印刷できる拡張機能「Cloud Printer」や、Webページ上のフォントを大きくする拡張機能「Bigger Text」なども利用可能だ。
バックグラウンドで本アプリが動作しているとシステムが不安定になることも
Android版「Firefox 4」は、アプリケーションのストレージ使用量が13MB以上ある上、拡張機能をインストールするとさらに容量を消費する。Android 2.2以降の端末ではアプリケーションの管理画面から本アプリをSDカードへ移動しておくとよいだろう。また、先進的な機能を搭載している分システム負荷も高く、編集部にて試用したところ、バックグラウンドで本アプリが動作しているとシステムが不安定になることがあった。拡張機能「Quit Fennec」を使うなどして不要なときはこまめにアプリを終了することをお勧めする。
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