いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel効率化】品番を入力すれば商品名を自動入力!エクセルで帳簿の入力ミスを防ぐテク

 Excel(エクセル)は、仕事や普段の生活で使う機会の多い、最も身近なアプリケーションのひとつです。しかし、「イマイチよくわからないまま使っている」「実は少し苦手……」という人も多いのではないでしょうか? この連載では、いまさら人に聞けないけど、知っていれば必ず役に立つ、Excelを使いこなすためのノウハウを紹介します。

帳簿や伝票に入力するとき、ミスや表記揺れを防ぎたい!

 帳簿や伝票に商品名や単価を入力するとき、気づかないうちに入力ミスや表記揺れが発生していたことはないでしょうか。

 商品のデータなどをひとまとめにした表などを基準にして、すべての帳簿や伝票にデータを転記できれば、そのような事態を発生させずにすみますよね。

 今回は、ExcelのVLOOKUP関数を使って、表から伝票に商品情報を転記するテクニックを解説します。

一覧から簡単にデータを転記するにはVLOOKUP関数を使おう

 商品の売上日報シートに品番を入力したら、商品カタログシートから商品のデータが自動で転記されるようにしてみましょう。

 表からデータを検索して転記したいときは、VLOOKUP関数を使うと便利です。VLOOKUP関数は、「=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)」という書式で使います。この書式に従って、日報で商品名を表示させたいセルB3に、VLOOKUP関数を使った数式を入力していきましょう。

 まず、[売上日報]シートのセルB3に、「=VLOOKUP(」(①)と入力します。

 続けて、セルA3(②)をクリックします。数式は、[Enter]キーを押さずにすべて続けて入力していきましょう。セルA3をクリックすると、先ほど入力した数式のあとに「A3」(③)が追加されます。セルをクリックせずに、数式に続けて「A3」と入力しても構いません。

 セルA3が、「検索値」となります。ここでいう検索値とは、商品カタログから商品名を検索するときの基準とする品番のことをいいます。日報シート上では品番はセルA3に入力されるので、「A3」とします。

 「A3」の直後に「,」(カンマ)(④)を入力したあと、いったんシートを切り替えます。[商品カタログ]シート(⑤)をクリックし、セル範囲A3:C14(⑥)をドラッグして選択します。数式バーの数式には、「商品カタログ!A3:C14」と追加されたはずです。

 ドラッグして選択したセル範囲A3:C14が「範囲」となります。ここでいう範囲とは、品番から商品名を検索するための範囲のことです。

 あとでほかのセルに数式をコピーすることを考えて、「範囲」がどのセルの数式でも変わらないように、絶対参照にして固定しましょう。数式バーに表示されている数式の「A3:C14」を「$A$3:$C$14」(⑦)に修正します。

 さらに続けて「,2,FALSE)」(⑧)と入力します。

 ここで入力した「2」は書式の「列番号」にあたります。この列番号には、手順⑤⑥で指定した「範囲」の中で、転記する値が左端から何列目にあるかを指定します。ここでは、「商品名」は左端から2列目にあるので、「2」としています。

 また、最後に入力した「FALSE」は「検索方法」です。完全に一致した値を検索したい場合はFALSEを指定します。TRUEとすると、検索値を超えない最大の値が検索されます。今回の例の場合は、完全に一致した値を検索する必要があるので、「FALSE」とします。ここまで入力できたら、[Enter]キーを押します(⑨)。

 表示が[売上日報]シートに戻り、セルB3に「#N/A」(⑩)と表示されました。

 突然エラー値が表示されたので驚く読者もいるかもしれませんが、これはセルA3に品番がまだ入力されていないためです。実際にセルA3に品番(⑪)を入力して[Enter]キーを押すと(⑫)、セルB3に商品名が表示されます(⑬)。

 これで、品番を入力すると商品名が自動で転記されるようになりました。

VLOOKUP関数で簡単に転記し、入力ミスを防ごう!

 今回は、VLOOKUP関数を使った数式で商品カタログから商品データを転記するテクニックを解説しました。

 関数を使った数式は複雑そうに見えますが、書式をしっかりと理解して落ち着いて入力していけば、必ず正しい数式を作ることができます。数式を入力するのに少し手間はかかりますが、そのあとの業務では入力ミスや表記ゆれがなくなり、業務の効率は必ずアップするはずです。

 関数の入力に苦手意識を持たず、ぜひ身近な業務で関数を活用してみてくださいね!