レビュー
書庫・見開き対応高速画像ビューワー「QuickViewer」 ~開発者難病のため継承者を募集
WebPやアニメーションPNGなど最新の画像形式、RAW画像に対応
2025年12月26日 08:39
「QuickViewer」は、高速かつ高機能を実現した画像ビューワー。Windowsに対応しており、編集部にてWindows 11での動作を確認した。ライセンスはGPLv3で、GitHubのプロジェクトページからダウンロードできる。
自炊書籍ビューワーとしての機能も備えた高速・多機能な画像ビューワー
OpenGLを活用することで、高速な画像切り替えを実現しており、4K以上の解像度をもつ画像も瞬時に表示可能。拡大した際のスクロールもスムーズに行える。
自炊書籍ビューワーとしての機能も備えており、アーカイブされた画像を解凍せずに直接開き、見開き表示で閲覧可能。機能も充実しており、右開き・左開きの選択やツリービューでの既読状況確認、書籍のサムネイル画像を並べて選べるカタログといった十分な機能を備えている。
また、豊富な対応形式も魅力だ。画像は、基本的なBMP / PNG / JPEG / ICO / DDS / TGA / TIFF / GIFに加え、最近登場したJPEG 2000 / JPEG XR / WebP形式やアニメーションPNG形式にも対応しており、アーカイブは、ZIP / 7Z / RAR / CBZ / CB7 / CBR / CAB / TAR.GZ / TAR.BZ2 / TAR.XZなどをサポートしている。キヤノンやニコン、ソニー、リコーといったカメラメーカー独自のRAW画像の表示も可能だ。印刷向けにCMYKのカラーモードで保存されたJPEG画像もsRGBに変換して表示できるため、入稿用の画像を確認する場合にも利用できる。
ほとんどの操作は、ショートカットキー・マウス操作で行え、カスタマイズの自由度も高い。タブレットデバイスでの表示も考慮されており、ページ送りなどの操作をスワイプで行える。
開発者が難病を抱えたため開発終了に
このように高機能な本アプリだが、2025年11月8日に公開されたv1.2.7で開発終了がアナウンスされてしまった。理由は、開発者であるKATO Kanryu氏が難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)を患ってしまい、開発の継続が困難になってしまったからだという。11月8日時点で、右手が完全に麻痺、左手がほとんど動かない状態で数か月後には立ち上がれなくなるかもしれないとのことだ。
そこでKATO Kanryu氏は、「QuickViewer」を新しいリポジトリをクローンして開発を継続して管理するオープンなチームのメンバーを募集している。また、ほかの開発者に向けて、実現したいアイデアがあって既存のアプリケーションに満足していないなら、今すぐプロジェクトを開始するように訴えている。
KATO Kanryu氏は、思うように開発ができない現在も、プログラミングが不要な無料の在庫管理システムや、「Ralpha」を超えるような画像一括編集ツール、マルチプラットフォームで動作するPDF作成ライブラリのアイデアを持っているという。
しかし、現在は生活に他者の助けが必要な状態であるため、資金援助やプロジェクトへの支援が必要とのこと。支援があれば、上記のアイデアのいくつかは実現できるかもしれないという。
編集部で「QuickViewer」を試してみたが、かなり充実した機能と性能を備えており、特に表示切り替えは驚くほど速いと感じた。我こそは、と思う開発者の方はぜひv1.2.7のリリースページにある連絡先へメールを送っていただきたい。また、アプリケーションを愛する読者の方々にも、プロジェクトやKATO Kanryu氏への援助を考えていただければ幸いだ。
窓の杜編集部も、KATO Kanryu氏とプロジェクトの未来が明るいことを祈らせていただきたい。
本記事は現開発者のKATO Kanryu氏の許諾を得て掲載しております。
ソフトウェア情報
- 「QuickViewer」
- 【著作権者】
- KATO Kanryu 氏
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows 11で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.2.7(25/11/08)

















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