#モリトーク

第100話

Macはじめました

 明日の月例パッチを最後に、Windows XPのサポート期限が終了する。すでにWindows 7/8へ移行済みの人もいれば、これから買い換える人もいるだろう。それに合わせるようにWindows 8.1のアップデートが告知されており、同日に一般公開される予定だ。

 筆者も最近までWindows XP搭載のノートPCをサブマシンとして使用していたので、これを機会にハードウェアごと買い換えることにした。といっても、タッチパネル搭載のWindows 8マシンを購入したといった平凡な話ではなく、MacBook Proをホストマシンとした仮想環境「Parallels Desktop」のWindowsである。

 MacマシンにWindowsを導入したいなら、「Boot Camp」を利用するのがもっとも手っ取り早く、安定性や処理速度にも優れる。しかし、「Parallels Desktop」では3Dゲームさえも快適に動作するといった話を聞いていたので、ソフト好きとしては試さずにはいられなかった。

 また、Windows環境での「iTunes」はトラブルが多く、全体的な動作も重いため、OS X上で使いたいという意図もある。「Parallels Desktop」で環境を構築すれば、WindowsおよびWindows用ソフトと、Mac環境の「iTunes」を同時に利用することができる。そのほか、Windows用のそれは更新が停止している「Safari」の現状を把握することも理由のひとつだ。

仮想マシン上のWindowsも想定する「KeyRemap4MacBook」
キーごとにまとめられた「KeyRemap4MacBook」の設定項目

 「Parallels Desktop」とWindowsの組み合わせにはメリットが多いものの、唯一とも言える欠点が存在する。それは、Windows環境とは異なるキー配列とキー操作だ。Windows用の外付けキーボードを利用する手もあるが、せっかくソフトだけでWindows環境を用意しているので、ハードウェアに頼ってしまったらスマートさに欠ける。

 そこで、筆者の要望をすべて解決してくれた、OS X用ソフト「KeyRemap4MacBook」をWindowsユーザーへ向けてオススメしたい。「KeyRemap4MacBook」はキー入力をカスタマイズするソフトであり、特定キーを別のキーへ置き換えることがメインの機能だ。設定項目が把握しきれないほどに豊富で、その中にはWindowsユーザー向けのオプションが用意されている上、仮想マシンを想定したオプションも揃っている。

 たとえば、OS X上でのコピー操作は[Command]+[C]キーとなるが、Windows上では[Control]+[C]キーであるため、OS Xと仮想マシン上のWindowsを行き来したときに頭を切り替えなければならない。「KeyRemap4MacBook」でカスタマイズしておけば、OS X上でも[Control]+[C]キーによるコピー操作が可能になり、OS間でキー操作を統一させることができる。

 今回は仮想マシンを前提に紹介しているが、「KeyRemap4MacBook」は「Boot Camp」でWindowsを使用するユーザーにも最適なソフトであるほか、WindowsからMacへ完全に移行する場合にも効果的だろう。そして、Windows視点でOS X用ソフトを楽しめることがオンラインソフト好きなWindowsユーザーの好奇心をくすぐるはずだ。

(中井 浩晶)