#モリトーク

第111話

自動更新への意識

 ソフトウェアのアップデートといえば従来、ユーザーが作者サイトからダウンロードした最新版のインストーラーを手動で実行していた。個人作者のオンラインソフトでは今でもそれが主流であり、窓の杜のライブラリやアップデート情報は広く活用されている。

 一方、WindowsやWebブラウザーなど、ユーザー数の多いソフトウェアではアップデートが自動化し、それをユーザーに意識させない“サイレントアップデート”も普及している。マイクロソフト社が「Internet Explorer」のサポートを限定化したり、古いActiveXコントロールをブロックするのも、最新版のインストールを前提とする方針の一環だと言えるだろう。

暫定的に自動更新機能が削除された「EmEditor」

 ところがここ最近、オートアップデート機能に関連した深刻なトラブルが続いている。たとえば、2014年8月版のWindows更新プログラムでは、Windowsを起動不能にしてしまう問題が発生。この種類のトラブルはときどき起こっているので、今に始まったことではない。注目すべきは、アップデートサーバーがハッキングされたケースだ。

 今年1月、メディアプレイヤー「GOM Player」のオートアップデート機能を悪用するマルウェアが発見された。そして先週、同様のハッキングがテキストエディター「EmEditor」でも発生したため、ほかのソフトウェアでも警戒しなければならない。

 オートアップデート機能、とくにサイレントアップデートは信頼で成り立っており、一度でもトラブルが発生すれば、ユーザーは不安を感じてしまう。窓の杜のニュース記事などでアップデートの有無・内容を確認しつつ、トラブルが起こっても焦らず対応できるように心がけたい。

(中井 浩晶)